退職の理由は体調だった。特定理由離職者になれば給付制限がつかないと知ったが、会社に頼んだら「それは困る」と渋られた。会社にデメリットがあるのか?

先に整理する。会社の実害は、多くの場合小さい。渋られる理由の正体と、頼み方・食い違った時の手順を書く。

先に一文で。特定理由離職者は会社都合(特定受給資格者)とは扱いが異なり会社の実害は小さく、渋られる理由の多くは担当者の誤解や慣行なので、事実に沿った記載を頼み、食い違えばハローワークで異議を申し立てればいい。

この記事の要点

  • 助成金で問題になりやすいのは主に会社都合の離職。区分が違う
  • 渋られる理由の多くは、担当者の誤解と社内の慣行だ
  • 頼み方は、感情でなく事実(診断書・記録)を添える
  • 食い違ったら、離職票の異議欄とハローワークの判断がある

区分の整理。3つを混ぜない

失業手当の世界には、似て非なる区分がある。

  • 一般の離職者|自己都合。給付制限期間があり、給付日数も基本形になる
  • 特定受給資格者|解雇・退職勧奨・倒産など会社都合。給付制限なし・日数が手厚い。会社の助成金要件で問題になりやすいのは主にここ
  • 特定理由離職者|契約期間の満了(更新の希望が叶わなかった場合)や、体調・家族の介護など本人側の正当な理由。給付制限の扱いで優遇される

つまりあなたが求めている区分は、会社都合とは別の枠だ。混同されているだけのことが多い。

会社が渋る、本当の理由

  • 担当者が区分を知らない|「会社都合=助成金に響く」という知識だけがあり、特定理由離職者も同じだと誤解している
  • 社内の慣行|前例に合わせて全部自己都合で処理している。悪意でなく運用の惰性だ
  • やりとりの手間|離職証明書の記載を変えると、確認や社内決裁が発生する

どれも、あなたが事実を示せば動かせる範囲にある。

頼み方。事実を添えて、静かに

「退職の理由は体調によるもので、主治医の診断書もあります。離職証明書の離職理由は、事実に沿った記載をお願いできますでしょうか」

  • 感情や権利の主張から入らない|担当者は敵ではなく、区分を知らないだけのことが多い
  • 裏づけを添える|体調由来なら診断書、契約満了なら契約書、長時間労働なら勤怠記録
  • 書面(メール)で残す|口頭のやり取りは消える。依頼と回答をメールに載せる

休職からそのまま退職する場合の全体の段取りは休職からそのまま退職の記事で書いた。

食い違った時。異議を申し立てる

会社が自己都合で処理してきた場合、そこで終わりではない。

  1. 離職票の記載を確認する|あなたが内容を確認して署名する欄と、事業主の記載への異議の有無を示す欄がある
  2. 異議ありとして提出する|ハローワークが双方に事情を確認し、離職理由を判断する
  3. 資料を持参する|診断書・勤怠記録・退職の経緯が分かるメール。事実の裏づけが判断を早める

会社の記載が自動で確定するわけではない、というのがこの制度の要点だ。給付制限の有無は生活に直結するので、泣き寝入りしないでほしい。離職票がなかなか届かない場合の対処は離職票はいつ届くかの記事で書いた。

よくある誤解

「会社にデメリットがあるなら、頼むのは迷惑だ」。事実に沿った記載を求めるのは、迷惑でなく手続きの正常化だ。そして、遠慮して自己都合で処理されると、給付制限で数ヶ月分の生活費を失うのはあなたになる。天秤の重さが釣り合っていない。

「特定理由離職者になれば、会社都合と全部同じ扱いになる」。給付制限の扱いなど共通する部分はあるが、給付日数などで違いが出る場合がある。自分のケースの具体的な扱いは、ハローワークで確認するのが確実だ。

よくある質問

退職の時点では体調のことを会社に伝えていませんでした

後からでも、診断書などの事実を示して離職理由の確認を求めることはできる。すでに離職票が発行されていても、異議の申し立ての道は残っている。

契約社員で、更新されずに終わりました

契約期間満了で、更新を希望していたのに叶わなかった場合は、特定理由離職者に該当し得る典型例だ。契約書や更新の打診に関するやり取りの記録を持ってハローワークに相談してほしい。

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