40歳の誕生日を過ぎた月の給与明細を見て、手取りが減っていた。控除の欄に介護保険料という項目が増えている。いくら引かれるのか、いつまで払うのか、自分は使えるのかが分からない。
40歳から手取りが減る。40歳の誕生日から、手取りが月2,400円減る。会社員・フリーランス・65歳以降の額と、使える場面を書く。
先に一文で。介護保険料は40歳の誕生日の前日が属する月から始まり、会社員は健康保険料に上乗せで協会けんぽ1.59%(本人0.795%、月給30万で月約2,385円)、フリーランスは国保に介護分(東京23区は所得割2.36%+均等割16,600円)が上乗せ、65歳からは自治体の所得段階別の定額を年金天引き、40〜64歳が使えるのは16の特定疾病に限られる。
この記事の要点
- 40歳の誕生日の前日が属する月から。会社員は給与天引き(賞与からも)
- 協会けんぽ1.59%の労使折半|月給30万で本人 月約2,385円
- フリーランスは国保に介護分が上乗せ(東京23区で所得割2.36%+均等割16,600円)
- 65歳から自治体の定額(全国平均 月6,000円台)を年金天引き
会社員の介護保険料(協会けんぽ・令和8年度)
| 標準報酬月額(月給の目安) | 本人負担(0.795%) | 会社負担 | 合計(1.59%) |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 約1,590円 | 約1,590円 | 約3,180円 |
| 30万円 | 約2,385円 | 約2,385円 | 約4,770円 |
| 40万円 | 約3,180円 | 約3,180円 | 約6,360円 |
| 50万円 | 約3,975円 | 約3,975円 | 約7,950円 |
| 65万円 | 約5,168円 | 約5,168円 | 約10,335円 |
賞与からも同じ率で引かれる(賞与50万円なら本人約3,975円)。健康保険組合の場合は組合ごとに率が違い、1.2〜2.0%程度の幅がある。明細の見方は給与明細の見方と控除の記事、手取り全体は年収別の手取り早見表の記事で書いた。
いつから引かれるか
- 40歳の誕生日の前日が属する月から(誕生日が1日の人はその前月から)
- 4月1日生まれの人は3月分から
- 65歳の誕生日の前日が属する月の前月まで(その後は第1号被保険者に切り替わる)
誕生月の給与で手取りが減るのはこの仕組みによる。昇給と重なると気づきにくい。
フリーランス・自営業(国民健康保険)
国保の保険料は3つで構成される。40〜64歳の人には介護分が上乗せされる。
| 区分 | 東京23区の例(令和8年度の目安) |
|---|---|
| 医療分 | 所得割8.69%+均等割47,300円(上限66万円) |
| 後期高齢者支援金分 | 所得割2.80%+均等割16,800円(上限26万円) |
| 介護分(40〜64歳) | 所得割2.36%+均等割16,600円(上限17万円) |
所得400万円のフリーランスなら、介護分だけで年10万円前後。国保が高い理由と対策は国民健康保険が高い時の対策の記事、手取りの全体は個人事業主の手取り早見表の記事で書いた。
65歳から(第1号被保険者)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 誰が決めるか | 市区町村(3年ごとに改定) |
| 額 | 所得段階別の定額。全国平均は月6,000円台、自治体で3,000〜9,000円の幅 |
| 払い方 | 年金額が年18万円以上なら年金から天引き、それ未満は納付書 |
| 会社員の場合 | 65歳以降も働いていても、介護保険料は給与天引きでなく年金天引きに変わる |
老後の家計の内訳では、この保険料は非消費支出に入る(老後の生活費はいくら足りないかのデータ記事)。
扶養に入っている配偶者は
会社員の配偶者で健康保険の扶養に入っている人(国民年金の第3号被保険者)は、40〜64歳の間は介護保険料の個別の負担がない(健康保険の被保険者全体で負担する仕組み)。65歳になると、自分で第1号被保険者として払う。
40〜64歳が使えるのは16の特定疾病だけ
| 区分 | 使える条件 |
|---|---|
| 65歳以上(第1号) | 原因を問わず、要介護認定を受ければ使える |
| 40〜64歳(第2号) | 末期がん・関節リウマチ・初老期の認知症・脳血管疾患など16の特定疾病が原因の場合のみ |
つまり、40代・50代で払う保険料は、原則として親の世代の介護を支えるものになる。
サービスと自己負担
- 訪問介護、デイサービス、ショートステイ、福祉用具の貸与、住宅改修、施設サービス
- 自己負担は所得に応じて1〜3割
- 高額介護サービス費|一般的な所得の世帯は月44,400円が上限で、超えた分は戻る
- 相談は市区町村の地域包括支援センター。要介護認定に1ヶ月前後
働きながら介護をする人は、介護休業(93日・給付67%)、介護休暇(年5日)、時短・残業免除が使える(親の介護で仕事を辞める前にの記事)。医療費の上限は高額療養費はいくら戻るかの記事で書いた。
私は40代で、明細の介護保険料の欄は独立してから国保の介護分に変わった。会社員の時は労使折半だった分が、独立して全額自己負担になる。この差は、独立の資金計画に入れておく(独立の資金はいくら要るかの記事)。
よくある誤解
「介護保険料は65歳から」。40歳から払う。65歳で払い方が変わるだけだ。
「払っているから自分もいつでも使える」。40〜64歳は16の特定疾病が原因の場合に限られる。
マイクロ法人で社会保険料を下げる
マイクロ法人は役員報酬を月6万円程度にして社会保険を最低等級(月約1.6万円)にする形で、国保+国民年金(所得400万で年60〜70万)との差は年30〜60万。ただし設立6〜20万・維持年20〜30万のコストと、法人と個人の申告を分ける手間、実体のない分離が否認されるリスクがある。判断はマイクロ法人で社会保険料はどれだけ下がるかの記事で書いた。
住民税非課税世帯の条件
住民税非課税世帯は均等割も所得割もかからない世帯で、1級地の目安は単身で合計所得45万円以下(給与収入 約110万円)、扶養2人で141万円以下(給与収入 約216万円)。判定は前年の所得なので、退職した年でなく翌年度から該当する。該当すると国保料の7割軽減、高額療養費の上限 月35,400円、大学の授業料減免、給付金の対象になる。条件は住民税非課税世帯の条件はいくらかの記事で書いた。
65歳までは義務、70歳までは努力義務
高年齢者雇用安定法により、65歳までの雇用確保措置(定年の引上げ・定年の廃止・継続雇用制度のいずれか)は会社の義務で、2025年4月に経過措置が終わって希望者全員が対象になった。70歳までの就業確保措置は努力義務で、定年引上げ・定年廃止・継続雇用・業務委託・社会貢献事業の5つから選ぶ形になる。働けることと条件が維持されることは別だ。中身は65歳まで働けるのは義務、70歳までは努力義務の記事で書いた。
親の介護でお金はいくらかかるか
介護保険の自己負担は所得に応じて1〜3割で、月の自己負担には高額介護サービス費の上限(一般世帯44,400円、住民税非課税24,600円、低所得層15,000円)がある。ただし居住費・食費・日用品・紙おむつは対象外で別にかかる。施設は特養 月8〜15万、介護付き有料 月15〜30万が目安。最初に行くのは地域包括支援センターだ。中身は親の介護でお金はいくらかかるかの記事で書いた。
よくある質問
介護保険料は所得控除になりますか?
なる。社会保険料控除として全額が所得から引かれる。国保に含まれる介護分も同じ(年末調整の書き方の記事)。
退職して無職になったら?
国民健康保険に切り替わり、介護分を含めた保険料を払う。配偶者の扶養に入れば、40〜64歳の間は個別の負担がなくなる(健康保険の扶養に入る手続きの記事)。
転職と独立の資料をLINEで無料配布中
会社員・フリーランス・65歳以降のそれぞれで介護保険料を出して、手取りの変化を確認する記入表を公式LINEで無料配布している。40歳の誕生月に、明細の欄を1度見よう。

