給付金のニュースで「住民税非課税世帯」という言葉が毎回出てくる。自分が該当するのかどうか、どこで確認するのかが分からない。退職して収入がなくなったのに、対象にならなかったという話も聞く。
判定は去年の所得だ。非課税かどうかは、去年の所得で決まる。退職した翌年が要注意だ。条件の計算式と、該当した時に変わるものを書く。
先に一文で。住民税非課税世帯は均等割も所得割もかからない世帯で、1級地の目安は単身で合計所得45万円以下(給与収入約110万円)・扶養2人で141万円以下(給与収入約216万円)、判定は前年の所得なので退職した年でなく翌年度から該当し、該当すると国保料の軽減・高額療養費 月35,400円・大学の授業料減免・給付金の対象になる。
この記事の要点
- 判定は前年(1〜12月)の合計所得。世帯全員が非課税であること
- 1級地|単身 合計所得45万円以下(給与収入 約110万円)
- 扶養2人|合計所得141万円以下(給与収入 約216万円)
- 退職した年は該当しない。非課税になるのは翌年度から
- 該当すると|国保料7割軽減・高額療養費 月35,400円・授業料減免・給付金
均等割が非課税になる基準(1級地)
| 世帯の人数 | 合計所得の上限 | 給与収入の目安 |
|---|---|---|
| 単身 | 45万円 | 約110万円 |
| 本人+扶養1人 | 101万円 | 約171万円 |
| 本人+扶養2人 | 141万円 | 約216万円 |
| 本人+扶養3人 | 176万円 | 約256万円 |
計算式は35万円×(本人+同一生計配偶者+扶養親族の数)+31万円(単身は45万円)。2級地・3級地は基準が下がり、3級地の単身は合計所得38万円以下(給与収入 約103万円)。自分の級地は市区町村に確認する。
65歳以上の年金だけの単身なら、公的年金等控除110万円があるので年金収入155万円以下が目安(年金は平均いくらもらえるかのデータ記事)。
所得にかかわらず非課税になる人
| 区分 | 条件 |
|---|---|
| 生活保護(生活扶助)を受けている | 所得を問わず非課税 |
| 障害者・未成年者・寡婦・ひとり親 | 前年の合計所得135万円以下(給与収入204.4万円未満) |
障害年金を受けている場合、障害年金自体は非課税所得なので所得に含まない(障害年金はいくらもらえるかの記事)。
該当すると変わるもの
| 項目 | 非課税世帯 | 一般(課税世帯) |
|---|---|---|
| 国民健康保険料 | 7割・5割・2割軽減 | 軽減なし(国保が高い時の対策の記事) |
| 高額療養費の上限 | 月35,400円(多数回 24,600円) | 約8万円(高額療養費はいくら戻るかの記事) |
| 高額介護サービス費 | 月15,000〜24,600円 | 月44,400円(介護保険料はいくら引かれるかの記事) |
| 大学の授業料等減免・給付型奨学金 | 満額 | 対象外(多子世帯は別枠) |
| 0〜2歳の保育料 | 無償 | 所得に応じた額 |
| 入院時の食事代 | 減額 | 標準負担額 |
| 国民年金保険料 | 免除・猶予が通りやすい | ― |
| 臨時給付金 | ほぼ毎回対象 | 対象外が多い |
教育費への効き方は大きい(子ども1人の教育費はいくらかの記事)。
退職した年は該当しない
| 年 | 所得 | 住民税 |
|---|---|---|
| 2026年(在職〜退職) | 給与あり | 2025年の所得に課税。払う |
| 2027年度(退職の翌年度) | 前年=2026年に給与があった | 払う(ここが一番苦しい) |
| 2028年度 | 前年=2027年は無収入 | 非課税になりうる |
退職した翌年に、前年の給与に対する住民税の請求が来る。ここで払えなくなる人が多い(退職後の住民税はいつ払うかの記事)。非課税の恩恵が届くのは、その次の年度になる。
だから退職前に、①住民税の1年分を残す、②失業保険の日額を確認する(失業保険の日額早見表の記事)、③健康保険は任意継続と国保を比べる(退職後の健康保険の記事)、の3つを先にやる。
世帯全員で判定する
1人でも課税されている人がいれば、その世帯は非課税世帯にならない。親と同居していて親に所得があれば、自分の所得がゼロでも対象外になる。世帯分離という手はあるが、生活実態が別でない届出は認められないので、家計・住居の実態で判断する。
確認の仕方
- 市区町村の窓口かオンラインで課税証明書(非課税証明書)を取る(1通300円前後)
- 毎年6月頃に届く住民税の決定通知書で、均等割・所得割の額を見る
- 両方0円なら非課税
私の場合
私はブラック企業を1年以内に辞めて、フリーター期間があった。辞めた翌年に、前年の給与に対する住民税の納付書が届いて焦ったのを覚えている。収入がない年ほど、去年の税が重くのしかかる。この時間差を知らないまま辞めると、生活が一気に詰む(退職後に使える給付金の記事)。
よくある誤解
「今年の収入がゼロだから非課税」。判定は前年の所得。今年ゼロでも、去年の給与で課税される。
「自分の所得が低ければ非課税世帯」。世帯全員での判定。同居の親に所得があれば対象外。
親の介護でお金はいくらかかるか
介護保険の自己負担は所得に応じて1〜3割で、月の自己負担には高額介護サービス費の上限(一般世帯44,400円、住民税非課税24,600円、低所得層15,000円)がある。ただし居住費・食費・日用品・紙おむつは対象外で別にかかる。施設は特養 月8〜15万、介護付き有料 月15〜30万が目安。最初に行くのは地域包括支援センターだ。中身は親の介護でお金はいくらかかるかの記事で書いた。
よくある質問
非課税世帯かどうかは誰に聞けばいいですか?
市区町村の住民税の窓口。課税証明書を取れば、その年度の均等割・所得割の額が分かる。
失業保険は所得に入りますか?
入らない。雇用保険の基本手当は非課税所得なので、住民税の判定には含まれない。同じく障害年金・遺族年金も非課税だ。
転職とお金の資料をLINEで無料配布中
前年の所得から住民税の非課税判定を出し、退職した場合の翌年の負担を先に見積もる記入表を公式LINEで無料配布している。判定は去年。時間差を先に知ろう。


