入社してから給料が上がっていない。物価は上がるのに、手取りは同じ。周りの会社は賃上げしたと聞く。この会社にいても上がらないなら、辞めるべきなのか。
先に言う。上がらない理由が仕組みなら、待っても上がらない。理由が業績なら、戻る可能性がある。違法になる線、判断基準、辞める前に確認する3つを書く。
先に一文で。給料が上がらないこと自体は違法ではないが、就業規則の昇給の定めを実施しない・求人票の昇給ありが嘘・最低賃金に追いつかないの3つは問題になり、辞める判断は3年昇給なし・業界平均を下回る・理由が仕組みの3つで決め、動く前に就業規則と市場価値と交渉の余地を確認するのが正解だ。
この記事の要点
- 昇給は法律の義務ではない。上がらないだけでは違法にならない
- 問題になるのは、就業規則の定めを実施しない、求人票と違う、最低賃金に追いつかない
- 判断は3つ。3年昇給なし、業界平均を下回る、理由が仕組み
- 辞める前に、就業規則・市場価値・交渉の余地を確認する
違法になる線
| 状況 | 違法性 |
|---|---|
| 昇給がない(定めもない) | 違法ではない。昇給は法律の義務ではない |
| 就業規則に「年1回昇給」と定めがあるのに実施しない | 問題になる。就業規則は労働契約の内容で、会社は守る義務がある |
| 求人票に「昇給あり」とあったが、実態は数年なし | 労働条件の明示義務の問題。入社時の説明との相違として争える余地 |
| 最低賃金の改定で、時給換算が最低賃金を下回った | 違法。会社は最低賃金以上を払う義務がある |
| ベースアップがない | 違法ではない。ただし実質賃金は下がっている |
社労士の解説も揃っているが、「昇給あり」は定期昇給がある意味で、金額や必ず上がることを保証する言葉ではない。就業規則の昇給の条を読むのが最初だ。定めがあれば根拠になり、なければ交渉の土台がない。
上がらない理由。3つに分ける
| 理由 | 中身 | 待てば上がるか |
|---|---|---|
| 仕組み | 評価制度がない、昇給の原資を出す意思がない、社長の判断だけで決まる | 上がらない。待っても同じ |
| 業績 | 会社の業績が一時的に悪化し、全社で昇給を止めている | 業績が戻れば上がる可能性。1〜2年は見る価値 |
| 評価 | 評価制度はあるが、自分の評価が低い | 評価の基準を聞いて直せば上がる。基準が出てこないなら仕組みの問題 |
見分け方は、上司に「昇給の基準と、上がるために足りないもの」を聞くことだ。具体的な基準が返ってくれば評価の問題、返ってこなければ仕組みの問題。10月の改定で上がらなかった時の確認は10月に昇給がなかった時、昇給額が少ない時の見方は昇給が少ないに書いた。
辞める判断基準。3つ揃ったら
- 3年以上、昇給がない。1〜2年は業績の波でもある。3年続くなら仕組みだ
- 年収が業界・職種の平均を大きく下回っている。同職種の相場と比べて1〜2割以上低いなら、市場との差が開いている
- 上がらない理由が仕組み。評価制度がない、基準を聞いても答えが返ってこない
3つが揃っているなら、待っても上がらない。この会社の年収が上限になっているということだ。賞与がない会社の判断はボーナスなしの会社は辞めるべきかと合わせて見る。
辞める前に確認する3つ
| 確認 | やること | 分かること |
|---|---|---|
| 就業規則の昇給の条 | 定め・条件・時期を読む | 交渉の根拠があるか |
| 自分の市場価値 | 同職種で転職した場合の年収帯を測る | 転職で上がるか、職種の問題か |
| 交渉の余地 | 評価面談で基準と不足を聞く。実績を数字で出して昇給を求める | 会社が動くか、動かないか |
2つ目が最も重い。市場価値が今の年収より高ければ、転職で上がる。低ければ、上がらないのは会社でなく職種の問題で、転職しても上がらない。この場合は、職種か業界を変える転職か、今の職種で専門性を上げる道を考える。交渉するなら年収交渉はいくら上げられるかの根拠の出し方を使う。
上がらない会社にいる間にやること
辞めると決めていなくても、2つはやっておく。
- 実績を数字で記録する。昇給交渉にも、転職の書類にも使える
- 市場価値を年に1回測る。今の年収と市場の差を知っているだけで、判断の時期を逃さない
手取りの推移は年収別の手取り早見表で見る。年収が同じでも、社会保険料と税の改定で手取りは毎年わずかに変わっている。
3分で診断:市場価値診断——今の年収と市場の帯の差を、先に数字にする。
転職で上がるかを、動く前に測るなら
3つの判断基準が揃っていても、転職で上がるかは市場価値で決まる。今の経歴が市場でいくらかを実測すると、辞めるか残るかの判断が数字になる。
- 向いている人:3年以上昇給がなく、転職で上がるかを知りたい人。交渉の根拠に市場の数字が欲しい人
- 向かない人:職種を大きく変えたい人。診断は現在の経歴の延長で出る
*クリックすると公式サイトが開く。経歴と職種を入力すると、その場で市場価値の目安と合う求人の傾向が出る。*
利用の流れ|① 質問に答える(10〜20分) → ② 想定年収が数字で出る → ③ 今の年収と比べ、転職で上がる側か、職種の問題かを判断する
結果を正解として受け取らない。今の年収との差の向きだけを見れば、辞めるか残るかの判断材料になる。
よくある質問
給料が上がらないので、やる気が出ません。手を抜いてもいいですか?
手を抜くと、転職の書類に書く実績が減る。上がらない会社にいる間こそ、実績を数字で残す。会社のためではなく、次の自分のためだ。
昇給を直接要求したら、印象が悪くなりませんか?
実績を数字で示して「昇給の基準を知りたい」と聞く形なら、悪くならない。基準を聞かれて答えられない会社のほうが問題だ。
給料が上がらないが、残業がなく働きやすいです
年収以外の条件で納得しているなら、残る判断は合理的だ。ただし市場価値だけは年1回測っておく。働きやすさと年収の両方を満たす会社があるかを知った上で残るのと、知らずに残るのは違う。
昇給の判断シートをLINEで無料配布中
就業規則の昇給の条の確認項目、上がらない理由の3分類のチェック、評価面談で基準を聞く台本を公式LINEで無料配布している。上がらない理由が仕組みなら、待っても上がらない。



