内定承諾書の提出期限が1週間後。だが他社の最終面接がその翌週にある。期限を延ばしてほしいと言ったら、内定を取り消されないか。

先に言い切る。正しく頼めば、1週間前後の延長は通ることが多い。危ないのは延長の依頼でなく、無断の遅延と曖昧な先延ばしの方だ。通る型を書く。

この記事の要点

  • 延長の相談自体で内定が消えることは、通常ない
  • 通る依頼は3要素。感謝+理由+自分で区切った期日だ
  • 他社待ちは正直に言っていい。隠す方がリスクになる
  • 相場は1週間前後。2週間超の依頼は理由の重さが要る

前提。企業側の事情を知ると頼みやすくなる

期限延長を切り出せない人は、「迷っていること自体が失礼」と感じている。まず、この前提を外す。

企業が承諾書に期限を切る理由は、採用計画を確定させたいからだ。あなたが来ないなら次の候補者に声をかける必要があり、宙ぶらりんの期間を短くしたい。つまり企業が恐れているのは、迷う候補者でなく、音信不明になる候補者になる。

だから、期日を区切って誠実に相談する延長依頼は、企業の事情と両立する。むしろ「比較して選ぶ人=入社後のミスマッチが少ない人」という読み方をする採用担当も多い。即断を促す圧が強すぎる会社は、内定を即承諾してはいけないで書いた通り、それ自体が判断材料だ。

通る依頼の3要素と、そのまま使える文例

依頼文に入れるのは3つだけだ。

  1. 内定への感謝と前向きさ|延長=志望度が低い、と読まれない予防線
  2. 理由|家族との相談、他社選考の結果待ち、条件の検討。1つでいい
  3. 自分から区切った期日|「○月○日までにお返事します」。ここが依頼の芯だ

メール文例を置く。

件名|内定承諾書のご提出期限について(氏名)

○○株式会社 人事部 ○○様

お世話になっております。○○です。

この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。貴社で働くことを前向きに考えております。

大変恐縮なお願いですが、進路について家族と相談の時間をいただきたく、承諾書のご提出を○月○日まで延長していただくことは可能でしょうか。

期日までには必ずお返事いたします。ご検討いただけますと幸いです。

期日は、現在の期限から1週間前後が相場になる。2週間を超える依頼は、それだけの理由(遠方の家族との調整など)を添えないと重く映る。

他社待ちの伝え方。隠すか、正直か

延長理由で一番多いのが他社の結果待ちだ。結論は、正直に言っていい。並行選考は中途の前提で、企業側も分かっている。

「現在、他社の選考結果が○月○日に出る予定です。すべての結果が揃った上で、比較して誠実にお返事をしたく、期限のご相談をさせてください。貴社が第一志望群であることに変わりはありません」

ポイントは2つある。第一志望群という位置づけを添えることと、結果が出る日+判断の日を具体的に示すことだ。日付のある正直は、日付のない忖度より強い。複数内定で迷った時の決め方そのものは複数内定で迷う時の決め方にまとめてある。

断られた時。それでも動ける3手

延長を断られる場合もある。採用計画が本当に逼迫している会社では起きうる話だ。その時の動きは3つになる。

1、短縮版の再相談をする。「では○日まででも構いません。2日だけいただけませんか」。1週間がだめでも2〜3日なら通ることがある。

2、他社に選考の前倒しを頼む。待ってもらう先を逆にする手だ。「他社様の承諾期限が迫っており、可能であれば選考を早めていただけないでしょうか」。志望度の高さとして伝わるため、意外に通る。

3、期限内に、その時点の情報で決める。どちらも動かなければ、決断の日が来ただけだ。延長は情報を増やす手段であって、決断の代わりではない。手元の情報での比較の仕方は複数内定の記事に書いた通り、条件・仕事・人の3軸を並べれば、期限内でも判断はできる。

一番の悪手。無断で期限を過ぎること

最後に、唯一やってはいけないことを明確にしておく。連絡なしで期限を過ぎるのだけは、絶対に避ける。

無断の遅延は、企業側からは辞退の意思表示か、社会人としての信頼性の欠如として扱われる。内定の取り消しや、繰り上げ候補者への切り替えが始まっても文句は言えない。迷いは連絡しない理由にならない。迷っているという事実ごと、期日つきで伝える。それだけで、迷いは失礼から誠実に変わる。承諾書まわりの実務の全体は内定承諾書の書き方が担当だ。

期限は、あなたを追い詰める壁ではなく、交渉できる線だ。頼み方を知っている人にとって、この1週間の攻防は怖い場面ではないんよ。

よくある質問

延長をお願いしたら、志望度が低いと思われて評価が下がりませんか?

内定後の延長相談が選考評価に響くことは基本的にない。内定は既に出ており、企業の関心は来るか来ないかだけだ。期日を区切った相談は、むしろ判断の丁寧さとして受け取られることが多い。

電話とメール、どちらでお願いすべきですか?

まずメールで丁寧に依頼し、返信がない場合や期限が数日に迫っている場合は電話を足すのが確実だ。記録が残るメールを起点にすると、期日の認識違いも防げる。

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