同期になる予定の友人は内定式に呼ばれたらしい。うちの会社は、何も言ってこない。内定式がないって、大丈夫なのか?
不安の置き場所を移してほしい。内定式の有無と、会社の質・内定の強さは関係ない。確かめるべきものは、式でなく書面だ。
先に一文で。内定式は法的義務でなく慣習で、ない理由の多くは中途中心・少人数・オンライン化などの実務判断であり、不安を消すのは式でなく労働条件の書面と連絡の実態の確認になる。
この記事の要点
- 内定式は法律上の義務ではない。慣習として広まった行事だ
- ない理由は、中途中心・少人数採用・オンライン化・コスト判断
- 内定の効力は式でなく、通知と承諾で成立している
- 不安なら、書面(労働条件通知書)と連絡の頻度を確かめる
内定式がない会社の、現実的な理由
- 中途採用が中心|中途は入社日がバラバラで、式にする前提がない。中途の内定に式がないのは、そもそも標準だ
- 新卒の採用人数が少ない|数名の採用で式典を組む合理性がない会社は普通にある
- オンライン化・簡素化|懇親会や面談で代替する運用に切り替えた会社も増えた
- コストと時間の判断|会場費・準備の工数を、内定者フォローの別の形(面談・研修)に振っている
どれも運営の判断であって、財務の悪化や採用の不誠実さを意味しない。
内定の効力は、式では決まらない
不安の芯にあるのは「内定が本物か」だと思う。ここは法的な整理で足りる。
- 内定は、企業の採用通知とあなたの承諾で成立する始期付きの労働契約とされる
- 取り消しには、客観的で合理的な理由が必要
- 式に出たかどうかは、この成立にも取り消しの要件にも関係しない
つまり、式がないことは内定の弱さではない。安心の材料は別の場所にある。
式の代わりに確かめる3点
1、書面がある。労働条件通知書(入社日・給与・勤務地・業務内容・就業時間)が手元にあるか。これが内定の実体を一番はっきり示す。まだなら請求していい(通知書がもらえない時の記事)。届いた書面と面接時の説明が食い違う場合の対処は条件が違う時の記事で書いた。
2、連絡が生きている。内定後、入社案内や書類の連絡が定期的にあるか。1ヶ月以上完全に音沙汰がないなら、式の有無でなく連絡の途絶の方を確認する。「入社に向けて準備すべきことがあればご教示ください」と1通送れば、状況は分かる。
3、配属と入社日の見通し。配属先や初日の流れの説明があるか。曖昧なら、入社前面談を依頼して実像を見せてもらう。この依頼は普通に通る。
この3点が揃っていれば、式がなくても内定は十分に確かだ。
それでも感じる、置いていかれる感覚
式がないと、同期のつながりも、入社の実感も薄いまま数ヶ月を過ごすことになる。この寂しさは実在する。
- 会社に内定者同士の交流の機会があるか聞いてみる。個別の面談や少人数の懇親会で代替している会社は多い
- 実感が湧かないまま入社日が近づく不安は、式の有無と関係なく起きる(承諾後の不安の記事)。準備の行動に変換するのが一番効く
逆に、式があること自体が負担な人もいる。その場合の判断は内定式に行きたくない時の記事で書いた。
よくある誤解
「内定式をやらない会社は、内定者を大事にしていない」。大事にする形は式典だけではない。個別面談・研修の案内・現場社員との顔合わせなど、実務に近いフォローの方が価値が高いことも多い。形式でなく、連絡と情報提供の実態で判断してほしい。
「10月1日に何もないと、内定取り消しの前触れだ」。10月1日は新卒の内定式が集中する日というだけで、法的な意味を持つ日ではない。中途採用ならなおさら無関係だ。
よくある質問
内定承諾書も送られてきません。大丈夫でしょうか?
承諾書を使わず、メールでの承諾で完結する会社もある。不安なら「内定のお手続きについて、ご返送が必要な書類があればご案内ください」と確認すればいい。承諾メールの型は承諾メールの記事で書いた。
内定者研修もない会社は、放置されているのでは?
入社後に育てる方針の会社は普通にある。気になるなら、入社前に自習しておくべきことを聞くと一石二鳥だ。「入社までに準備しておくとよいことはありますか」は、意欲の表明としても機能する。
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