入社日の朝、体温計が38度を示している。よりによって今日。這ってでも行くべきか、初日から休むという最悪の選択をするのか。

その二択の立て方が、まず違う。感染症の疑いがある身体で出社する方が、いまの職場では迷惑側だ。休む判断は正当で、電話1本で事故として処理される。伝え方から書く。

この記事の要点

  • 発熱・感染症の疑いは、休む判断が正当。無理な出社は歓迎されない
  • 連絡は始業前に電話で。メールだけで済ませない
  • 伝えるのは、症状の要点・お詫び・指示を仰ぐ姿勢の3つ
  • 翌日の出社時は、回復の報告と短い詫びで仕切り直せば十分だ

休むか行くか。判断ラインは2つ

初日の気合と体調の天秤は、この2つの質問で判定する。

1、感染の可能性はあるか。発熱・咳・喉の痛み・嘔吐・下痢。感染症を疑う症状があるなら、程度が軽くても出社は見送る方向で考える。初日の職場に感染症を持ち込むことが、遅刻や欠勤より重い迷惑になる時代だ。休む判断は、あなたの根性の問題ではなく、職場への配慮の問題になる。

2、業務が成立する状態か。感染の疑いはないが、頭痛や寝不足で朦朧としている。この場合は出社して、「体調が万全でないため、途中で早退のご相談をするかもしれません」と最初に伝えておく手もある。初日は手続きと挨拶が中心なので、フルパワーでなくても成立はする。

迷ったら、電話で症状を伝えて相手に判断を委ねるのが一番安全だ。「この状態ですが、伺ってよいでしょうか」と聞けば、会社の方針(感染症に厳しいか、来てほしいか)に沿った答えが返ってくる。

電話の台本。始業前に、直接話す

連絡先は入社案内の担当者、つながらなければ代表番号だ。初日の欠勤連絡は、メールだけで済ませない。実際に休むことになる連絡は、声で伝えるのが礼儀と確実性の両面で正解になる。

「おはようございます。本日付で入社いたします◯◯と申します。大変申し訳ないのですが、今朝から発熱がありまして、本日は出社を控えるべきかと考えております。初日からこのようなご連絡になり、申し訳ありません。本日の手続きなどについて、ご指示をいただけますでしょうか」

構成は3つ。症状の要点(詳細な病状の説明は不要)、初日であることへのお詫び、そして指示を仰ぐ姿勢だ。3つ目が大事で、初日の欠勤には入社手続きの再調整という実務が伴う。「どうすればいいでしょうか」と委ねる形が、相手の段取りを尊重する形になる。

受診したら、結果と復帰見込みを担当へ一報する。感染症の診断が出た場合は、出社可能になる時期まで含めて相談すればいい。

翌日以降。仕切り直しの挨拶で終わらせる

回復して出社した日が、あなたの実質の初日だ。挨拶はこれでいい。

「昨日はご迷惑をおかけしました。回復しましたので、本日からよろしくお願いいたします」

長い釈明も、過剰な平身低頭も要らない。休んだ事実は電話の時点で処理が済んでいて、今日のあなたの仕事は、元気に初日をやり切ることだ。挨拶回りのたびに欠勤を詫び続けると、記憶が「初日に休んだ人」で固定される。仕切り直した初日の中身で上書きしていく。

初日の立ち回り自体は、何分前に着くかからの初日シリーズで書いた通りに動けばいい。

数日単位で無理そうなら。入社日の変更相談

インフルエンザなど、1日で復帰できない診断が出ることもある。その場合は日々の欠勤連絡を重ねるより、入社日そのものの変更を相談する方が、双方の段取りが立つ。

「◯◯と診断され、医師からは◯日までの自宅療養を指示されています。誠に申し訳ないのですが、入社日を◯日に変更していただくことは可能でしょうか」

診断名と期間の根拠があれば、この相談はまず通る。入社日変更の相談の一般的な作法と限界は入社日はいつまで調整できるかで書いた。入社前の連絡不安全般は入社前に連絡が来ない時も参考になる。

体調は選べないが、連絡の形は選べる。正しい連絡を重ねた欠勤は、あなたの誠実さの記録として残る。そこは安心していい。

よくある誤解

「初日に休むと、試用期間で解雇される」。されない。正当な連絡のある病欠は、解雇の理由にならない。試用期間でも解雇には合理的な理由が必要で、初日の発熱はそれに当たらない。恐怖のシナリオより、電話1本の実務に集中しよう。

「体調不良は気合が足りないだけ。初日くらい根性で行くものだ」。発熱は根性の対象外だ。そして無理して出社した初日にパフォーマンスが出ないどころか、周囲に感染させたら、根性の評価どころではなくなる。休む判断力も、社会人の能力のうちになる。

よくある質問

家族の急病や忌引きで初日に行けなくなりました。同じ対応でいいですか?

同じで、始業前の電話+指示を仰ぐ形が正解だ。忌引きの場合は日数の見込みも伝える。入社直後の慶弔休暇の扱いは会社の規程によるが、事情としては誰にでも起こりうる話で、連絡さえ正しければ責められる筋のものではない。

前日の夜から体調が怪しいです。前夜のうちに連絡すべきですか?

前夜に「明日の朝、体調次第でご連絡するかもしれません」という予告を入れるのは、悪くない手だ。ただし確定でない段階の連絡は相手を宙ぶらりんにもするので、軽い不調なら早く寝て、朝の状態で判断・連絡でいい。確定的に無理(高熱が出た等)なら、前夜のうちにメールで一報→朝に電話が丁寧だ。

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