朝、布団の中で「仕事納めまであと何日」と数えている。数えた結果、もたない気がしている。

年末という区切りまで走り切る前提で、多くの人が秋から冬を我慢で埋める。先に言っておく。仕事納めは会社のカレンダーの区切りであって、あなたの心身の区切りではない。待つ価値がある場合と、待ってはいけない場合の線を書く。

この記事の要点

  • 「もたない」の中身を、疲労の山か、心身のサインかで見分ける
  • 心身のサインが出ているなら、区切りを待つ合理性はない。受診が先だ
  • ボーナスと健康の交換になっていないか、一度値段を見る
  • 言い出す気力がない状態なら、退職代行は正当な手段になる

まず見分ける。「もたない」の2種類

同じ「もたない」でも、中身は2つに分かれる。処方が真逆になるから、最初に見分けてほしい。

種類1、繁忙の山型。年末までの業務量が見えていて、その山にうんざりしている。ただし、眠れているし、食べられているし、休日は回復する。これは疲労の予測であって、危険信号ではない。山の削り方と休み方の工夫で走り切れる可能性が高い。

種類2、心身のサイン型。こちらが本題だ。次のようなサインが出ている場合、話は山の高さではなくなる。

  • 眠れない。または寝ても回復した感じがしない
  • 食欲が落ちた。味がしない
  • 通勤の途中で涙が出る。動悸がする
  • 単純なミスが急に増えた。人の話が頭に入らない
  • 休日、何もできずに横になって終わる

2つ以上に心当たりがあるなら、仕事納めまでの日数を数えるのをやめて、この後の章を読んでほしい。サインの詳しい見分けは仕事のストレス、それは何のサインかにも書いた。

サインが出ている人へ。順番は受診→休む→それから判断

心身のサインが出ている場合の順番は、はっきりしている。

1、受診が最初だ。心療内科・精神科の予約を入れる。数週間待ちの地域もあるから、予約だけでも今日入れる価値がある。診断がつけば、休む根拠と制度があなたの側につく。

2、休む手続き。休職は逃げではなく、傷病手当金という制度に守られた正当な選択だ。会社に制度がなくても、法定の仕組みは使える。休職への不安は休職・復職が怖い人への整理で書いた。

3、退職や転職の判断は、回復してからでいい。判断力が落ちている時期の大きな決断は、後悔の確率が上がる。まず離れて、回復して、それから決める。この順番だけは守ってほしい。

ここで大事なことを1つ。「12月まで持てば区切りがいいから」という理由で受診を先延ばしにしないこと。カレンダーの区切りは、あなたの回復を1日も早めてくれない。むしろ発見が遅れるほど、回復にかかる時間は延びる。

ボーナスとの順番。金額と健康の交換になっていないか

年末まで耐える理由の筆頭は、冬のボーナスだ。これは感情論ではなく、値段の話として整理する。

耐える計画が合理的な場合。種類1(繁忙の山型)で、支給日在籍の要件を満たせば数十万円が入る。この場合、もらってから動く逆算は普通に組む価値がある。組み方は冬のボーナスをもらって12月に辞めるに書いた。

耐える計画が破綻している場合。種類2(サイン型)が進行しているのに、ボーナスを理由に受診も休職も先延ばしにしているケースだ。冷静に値段を見てほしい。賞与の数十万円と引き換えに、回復に年単位かかる状態まで進んだら、その取引は大赤字だ。休職すれば傷病手当金の仕組みもある。金額の心配は、制度を知ってから改めて計算し直せばいい。

なお、年末に辞めたい気持ち自体の整理は年末になると仕事を辞めたくなるが担当だ。この記事は「年末まで持たない」人向けで、読み分けてほしい。

言い出す気力がない人へ。退職代行という正当な手段

種類2が進むと、こういう状態になる。辞めたいのに、退職を切り出す気力すら残っていない。上司の顔を思い浮かべるだけで動悸がする。

まず、自力で言うのが正攻法ではある。伝え方の台本は退職を言い出せない人の手順に書いた。読んでみて「これならやれそうだ」と思えたなら、そちらが先だ。

だが、次に当てはまるなら、代行を使うことに後ろめたさは要らない。

  • 引き止めが脅しに近い。「損害賠償」「懲戒」という言葉が出る職場だ
  • 上司との対話そのものが心身に響く状態まで来ている
  • 過去に退職の相談をして、握り潰された

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選ぶ基準は料金より運営元だ。弁護士監修や労働組合提携のサービスなら、有給消化や未払い分の交渉まで進められる。比較の軸は退職代行の選び方にまとめた。

自力で言えないのは、あなたが弱いからではない。言えない状態まで削られた環境の問題だ。出口の手段に、格好の良さは要らないんよ。

種類1の人へ。年末まで走ると決めた場合の削り方

最後に、繁忙の山型で「走り切る」と決めた人向けの実務も置いておく。

  • 山を数字にする。残りの業務を書き出して、締切と工数を付ける。漠然とした山が一番心を削る。数字になった山は、ただのタスクリストだ
  • 12月の予定に、回復日を先に入れる。忙しい月ほど、休みは残り物ではなく先取りで確保する
  • 1月の自分に仕事を残す勇気を持つ。仕事納めまでに全部終わらせる、は現実には無理筋の目標だ。年明けでいいものを年内に詰めるから、もたなくなる

そして、走りながらでいい。来年も同じ年末を繰り返すのかは、年が明けてから一度立ち止まって考えてほしい。毎年12月に「もたない」と思う仕事は、働き方そのものが限界のサインを出している。環境を変える選択肢は会社を辞めたい人の総合案内から入れる。

よくある質問

あと数ヶ月、仕事納めまで我慢すべきでしょうか?

我慢の中身による。回復する疲れなら走る選択もある。眠れない・食べられない等のサインが出ているなら、区切りを待たず受診が先だ。

年末で辞めると冬のボーナスはどうなりますか?

支給日在籍が要件の会社が多い。もらってから辞める逆算は組めるが、健康と金額の交換になっていないかは冷静に見る。

退職を言い出せる気力すら残っていません。

その状態なら退職代行は正当な選択肢だ。運営元(弁護士監修・労組提携)で選べば交渉まで対応できる。

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