夜勤明け、体はぼろぼろなのに、布団に入ると眠れない。やっと眠れても2時間で目が覚める。この生活を続けて大丈夫なのかと、天井を見ながら考えている。
先に立場を書いておく。私は医療の専門家ではないし、夜勤労働の当事者でもない。ここに書くのは、一般に知られている睡眠と体内時計の仕組み、夜勤者が実践している工夫の型、そして夜勤を続けるかどうかの判断線だ。症状が続いている場合の答えは受診であって、この記事ではない。
この記事の要点
- 眠れないのは根性の問題ではなく、光と体内時計の仕組みの問題だ
- 工夫の中心は2つ。光の管理と、眠る時間帯の決め方
- 工夫しても改善しない状態が続くなら、我慢せず受診する
- 夜勤への耐性は個人差が大きい。合わないのは弱さではない
仕組み。体は昼を夜だと認識できない
なぜ疲れているのに眠れないのか。仕組みを知ると、対策の意味が分かる。
人の体内時計は、光を強い手がかりにして動いている。朝の光を浴びると、体は覚醒の方向に切り替わる。夜勤明けの帰り道は、体が一番寝たい時間に、一番覚醒させる刺激を浴びて帰る通勤になっている。
さらに、体温やホルモンのリズムも昼型に組まれているから、昼の睡眠は夜の睡眠より浅く、短くなりやすい。夜勤明けに眠れないのは、あなたの体が正常に働いている証拠でもある。正常な体を、例外的な勤務に合わせるのだから、工夫なしでは削られて当然なんよ。
夜勤者が実践している工夫の型
医療ではなく生活の工夫として、広く知られているものを並べる。
光の管理
- 明けの帰り道はサングラスで朝の光を減らす
- 寝室は遮光カーテンで昼を夜にする
- 起きたら強い光を浴びて、体を昼に戻す
眠る時間帯の決め方
- 明け直後に長時間眠るより、仮眠を短めに取り、夜は普段に近い時間に眠る形が勧められることが多い
- 夜勤が続く期間は、無理に昼型へ戻さず睡眠の時間帯を固定する方が安定する場合もある
- どちらが合うかは勤務の型と個人差で変わる。数週間単位で試して選ぶ
眠る前の条件
- カフェインは勤務の後半から控える
- 眠る前の食事は軽くする
- スマホの画面は光の刺激そのものになる。布団では見ない
全部やる必要はない。光の管理だけでも変わる人はいる。1つずつ試して、自分の型を見つける作業になる。
ここから先は受診の領域。線を引いておく
工夫の話はここまでだ。次のどれかに当てはまるなら、生活の工夫ではなく受診の段階になる。
- 工夫を続けても、眠れない状態が数週間続いている
- 日中の強い眠気で、仕事や運転に支障が出ている
- 気分の落ち込み、食欲の変化など、睡眠以外の症状も出てきた
睡眠の問題は、我慢で解決しない。眠れないことを相談するのは、大げさなことではない。何科に行くか迷って止まっている人は仕事のストレスで何科に行けばいいかに受診前の疑問をまとめてある。かかりつけの内科からでもいい。
夜勤を続けるかどうか。判断線は2本ある
工夫で回るなら、夜勤手当は収入の柱として機能する。問題は、回っていない場合にいつまで続けるかだ。判断線を2本置く。
線1、工夫をしても睡眠の問題が続いているか。光の管理も時間帯の調整も試した上で改善しないなら、それは努力不足ではなく、あなたの体と夜勤の相性の問題だ。夜勤への耐性は個人差が大きく、年齢でも変わる。20代で回っていた形が30代で回らなくなるのは、よくある変化になる。
線2、休日が回復だけで消えていないか。休みの日が全部寝て終わり、生活が睡眠の借金返済だけになっているなら、手当と引き換えに生活そのものを渡している状態だ。
2本とも超えているなら、夜勤のない働き方への移行を検討する段階になる。職種を捨てる必要はない。同じ職種でも、日勤中心の職場は存在する。
職種別。夜勤を抜く道はある
看護師の場合。日勤のみの職場(クリニック、検診、訪問看護など)への移動は、定番の選択肢になる。夜勤ありきの収入の組み立てからの切り替え方も含めて、看護職の窓口で相談できる。
*クリックすると公式サイトが開く。看護師向けの転職支援で、無料で相談できる。*
登録後の流れ|① Web入力で登録(数分) → ② 担当と面談し、日勤中心の希望を伝える → ③ 条件に合う求人の紹介を受けられる
登録して終わり、が一番もったいない。この型のサービスの本体は面談だ。面談の候補日を先に頭に置いてから登録すると、流れが止まらない。
3年目前後の夜勤のしんどさは看護師3年目の夜勤の記事にも書いた。
工場・製造の場合。交替勤務の型は工場によって違う。2交替か3交替か、夜勤の頻度、連続日数で体への負荷がまるで変わるため、同じ製造業の中で勤務形態を変える道がある。
*クリックすると公式サイトが開く。工場・製造業の求人を条件で探せる求人サイトだ。*
使い方の流れ|① 勤務形態(日勤のみ等)で絞って検索する → ② 求人の交替の型を確認する → ③ 気になる求人に応募する
工場の夜勤そのものの判断は工場を辞めたい、夜勤がきつい人への記事、冬場に負荷が上がる話は冬の夜勤がきつい場合に分けて書いた。
夜勤手当がなくなる分の年収の変化は、先に計算してほしい。手当込みの額と日勤の額を並べて、睡眠と生活を取り戻すことに差額分の価値があるか。回復しない体で稼ぎ続ける選択肢は、長期では成立しないことも計算に入れていい。
あわせて検索される疑問に、先に答えておく
夜勤明けの休日は、どう過ごすのが正解ですか
明けの日を「休日」と数えないのが、実際的な考え方になる。明けの日は回復の日で、本当の休みはその翌日からだ。この前提でシフトを見ると、連休だと思っていたものが実質1日しかない、という実態が見える。休みの数ではなく、回復後の自由時間の数でシフトを評価すると、自分の勤務の負荷が正確に測れる。転職や異動を考えるときの比較にも、この物差しを使ってほしい。
夜勤のある仕事を辞めたら、収入が下がるのが怖いです
夜勤手当の分だけ額面が下がるのは事実だ。ただし比較には2つの補正を入れてほしい。1つは支出の補正で、夜勤生活は回復のための出費(外食・タクシー・怠さによる浪費)が増えやすく、日勤化で減る場合がある。もう1つは継続性の補正だ。体が壊れて働けなくなった場合の損失と比べれば、手当の差額は小さい。数字は額面だけで比べないことだわ。
家族と生活の時間が合わないのもつらいです
夜勤の負荷は睡眠だけではなく、生活時間のずれそのものにもある。家族と食事の時間が合わない、子どもの行事に出られない。これは工夫で解消しにくい種類の負荷で、続けるかどうかの判断材料として睡眠と同じ重さで扱っていい。判断の軸に「自分の体」と「家族との時間」の2つを並べて、どちらも削られているなら、それは十分に動く理由になるんよ。
よくある質問
夜勤明けに眠れないのはなぜですか?
体内時計が光で覚醒方向に働くからだ。明けの朝の光対策と眠る時間帯の管理で変わる。根性や体質だけの問題ではない。
夜勤明けはすぐ寝るべきですか?夜まで起きているべきですか?
短めの仮眠+夜は普段に近い時間の形が勧められることが多いが、勤務の型と個人差で変わる。試して選び、改善しなければ受診する。
夜勤を続けるかどうかは、何で判断すればいいですか?
工夫しても睡眠の問題が続くか、休日が回復だけで消えているか。2本の線を超えたら、日勤中心への移行を検討する段階だ。
勤務形態の比較シートをLINEで無料配布中
夜勤ありと日勤の生活を数字で並べる比較シートを、公式LINEで無料配布している。合わないのは弱さではなく、相性だわ。

