市場価値診断をやってみた。想定年収650万。いまより150万も高い。これは本当なのか。この数字をどう受け止めて、何をすればいいのか。

先に言い切る。金額は上限寄りの仮説だ。見るべきは金額より、差分・内訳・言語化の3箇所になる。結果の読み方から次の一手まで書く。

この記事の要点

  • 診断の想定年収は高めに出る傾向がある。確定値でなく仮説として扱う
  • 見るのは3箇所。現年収との差分・評価要素の内訳・言語化された強みだ
  • 差が大きいなら、スカウトかエージェントで市場と答え合わせする
  • 結果の言葉は、職務経歴書と面接の語彙としてそのまま使える

前提。診断の数字の性質を知る

読み方の前に、数字の出どころを正しく。市場価値診断の想定年収は、あなたの入力(経歴・スキル・年齢)と、似た属性の転職データからの推計だ。そしてミイダスの年収が高く出る理由で書いた通り、サービスの性質上、数字は高めに出る傾向がある。

だから、650万という表示の正しい読みは「650万で転職できる」でなく、「条件が噛み合えば650万の帯に届きうる、という上限寄りの仮説」になる。がっかりする必要はない。仮説には仮説の使い方があり、それがこの記事の本体だ。

見る場所1。現年収との差分

金額の絶対値でなく、いまの年収との開きを見る。行動の判断材料になるのはこちらだ。

  • 差が100万円以上|市場とのズレが大きい可能性がある。社内の給与テーブルが市場に追いついていない型(市場価値とは何かで書いた、転職するだけで上がる型)かもしれない。答え合わせに進む価値がある
  • 差が数十万円|推計の誤差の範囲と重なる。急いで動く数字ではないが、定点観測の基準値として記録しておく
  • 差がない・低い|いまの年収が市場と釣り合っているか、入力の言語化が薄い可能性がある。まず経歴の入力を磨いて測り直す

差分は、転職の期待値の粗い見積もりだ。ここが大きい人ほど、動く調査の費用対効果が高い。

見る場所2。評価された要素の内訳

診断結果には、何があなたの値段を押し上げたか(経験年数・職種・スキル・行動特性など)の内訳が出る。ここが金額より情報量の多い場所だ。

  • 経験が評価されている→その経験を太らせる方向(同職種でより大きな裁量へ)が伸びる道になる
  • 行動特性が評価されている→ポテンシャル評価の比重が大きい。若いほど有利な今のうちに動く価値がある
  • 評価の薄い要素が見えた→次の1〜2年で埋める課題リストがタダで手に入ったことになる

診断は点数表でなく、健康診断の数値表として読む。どこが強くてどこが薄いか。この解像度が、上げ方の記事(20代の上げ方)で書いた言語化・置き場所の判断につながる。

見る場所3。言語化された強みの言葉

見落とされがちだが、実は一番実用的なのがここだ。診断結果に出る強みの言葉(計画性・柔軟性・対人影響力など)は、自己PRの語彙としてそのまま流用できる。

自分の強みを自分の言葉で説明するのは難しい。診断の言葉は、外部の物差しがつけたラベルだから、職務経歴書に「診断でも○○が強みと評価されており」とは書かないまでも、語る切り口の借り物として優秀だ。自分の実際のエピソードと突き合わせて、一致したものを面接の軸に据えればいい。

まだ受けていない人・入力を磨いて測り直したい人は、ここから10分で終わる。

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登録後の流れ|① 経歴と質問に答える(10〜15分) → ② 想定年収と内訳が表示される → ③ 結果の言葉を経歴書の語彙に流用する

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次の一手。答え合わせで仮説を事実にする

3箇所を読んだら、数字を確定に近づける工程に進む。方法は2つだ。

1、スカウトに経歴を置いて、オファーの年収帯を見る。診断より一段現実に近い、企業側の実際の反応が集まる。数週間の放置でデータが貯まる。

2、エージェントに経歴を見せて、紹介レンジを聞く。「私の経歴で紹介できる求人の年収帯を教えてください」という1問で、プロの相場観が返る。

診断→スカウト→エージェント→実際の選考、と確度の階段を上がる話は市場価値の測り方4つで書いた通りだ。診断はこの階段の1段目であって、結論ではない。650万の表示に舞い上がるのも、低い表示に落ち込むのも、1段目で人生を判定する早とちりになる。

診断結果は、読み方を知っている人には現在地のメモになる。金額でなく、差分・内訳・言葉。この3つを持ち帰れば、10分の診断の元は十分に取れているんよ。

よくある質問

診断のたびに結果が変わります。どれを信じればいいですか?

入力の粒度で推計は変わるため、経歴を一番丁寧に言語化して入力した回の結果を基準にする。サービスごとの差もあるため、複数の診断のレンジ(幅)で捉えると、1つの数字に振り回されずに済む。

結果が想定より低くて落ち込んでいます。

診断の低さは、実力の判定でなく、入力から読み取れる材料の少なさであることが多い。経験を数字と役割で書き直して測り直すのが先で、それでも低いなら、伸ばす場所が特定できたという収穫になる。低い結果ほど、実は情報量が多い。

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