試用期間で退職した。次の応募で、あの数週間を履歴書に書くのか。書けば聞かれるし、書かなければ経歴詐称になりそうで怖い。
線引きから言う。保険に入っていた在籍は、書くのが原則だ。そのうえで、書いても選考で戦える形にする方法を書く。
先に一文で。試用期間の退職も雇用保険加入済みの在籍なら履歴書に書くのが原則で、対策は隠すことでなく一言の説明テンプレを用意することになる。
この記事の要点
- 保険加入済みの在籍は書く。入社手続きの書類で痕跡が出るからだ
- 書き方は通常どおり入社・退職を1行ずつ。特別な注記は不要
- 面接用の一言は、事実+判断+次の基準の型で作る
- 雇用保険は前職と通算できる。離職票は必ずもらう
なぜ書くのが原則なのか
試用期間でも、入社日から労働契約は成立し、雇用保険・社会保険の記録が始まっている。次の会社に入る時、あなたはこれを提出する。
- 雇用保険被保険者証|前職の加入記録とつながっている
- 源泉徴収票|その年の収入として前職分が載る
- 年金の記録|加入期間が事実として残る
書かなかった在籍がここから見えると、経歴の不一致という扱いになる。発覚時の重さは経歴の嘘はバレるのかで書いた通りで、最悪は内定取り消しや解雇事由になり得る。数週間の在籍を書く気まずさと、この危険を天秤にかけると、答えは書く側に傾く。
なお、雇用保険に入る前に辞めた数日の在籍など、記録の残らない例外的な短さの場合は事情が変わるが、境界の判断は自己流でやらず、加入記録の有無(被保険者証・マイナポータルで確認できる)を基準にするのが安全だ。
書き方。特別な注記は要らない
履歴書には通常どおり書けばいい。
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20XX年4月 株式会社◯◯ 入社
20XX年6月 株式会社◯◯ 退職(一身上の都合)
```
「試用期間中に退職」といった注記は不要だ。理由の説明は書類でなく、聞かれた時の口頭でやる。職務経歴書側では、この会社の記述は数行に留めて、他社の実績に紙面を使う。短い在籍は、短く扱うのが正しい見せ方になる。
面接用の一言テンプレ
聞かれたら、この型で30秒以内に収める。
事実+判断+次の基準。「入社後、労働条件が事前の説明と大きく異なることが分かり、早期に判断して退職しました。この経験から、いまは応募の段階で◯◯(労働条件通知書の確認・残業実態の質問等)を必ず確認しています」
ポイントは、会社批判で終わらせず確認の基準が増えた話に着地させることだ。採用側の関心は前の会社の悪さでなく、うちでも繰り返さないかにある。辞める判断そのものの整理は試用期間で合わないと感じた時で書いた。
失業保険。短い在籍でも通算される
お金の話も片づけておく。
- 加入期間は通算できる|自己都合退職は原則、離職前2年間に通算12ヶ月以上の被保険者期間が要る。試用期間の数ヶ月だけでは足りなくても、前職までの加入期間と合算して満たせば受給できる
- 離職票は必ずもらう|在籍が短くても発行義務はある。辞める時に請求しておく
- 待期・給付制限|自己都合の場合は給付制限期間がある。次を決めてから辞める判断材料にもなる
条件の当てはめは個別性が高いので、離職票を持ってハローワークで確認するのが確実だ。
よくある誤解
「試用期間はお試しだから、辞めれば経歴に残らない」。残る。契約は入社日から本物で、保険の記録も初日から動いている。お試しという言葉の印象と、法律上の扱いは別物だ。
「短期離職を書いたら、書類で全部落とされる」。短期離職1回を一律で落とす会社ばかりではない。書類は淡々と書き、面接の一言で判断力の話に変換できれば、通る会社は普通にある。全部に通る必要はなく、説明を聞いてくれる会社に入ればいい。
よくある質問
アルバイトとして働いた期間も書く必要がありますか?
正社員の職歴とは扱いが異なり、雇用保険に入っていないアルバイトは省略しても問題になりにくい。ただし雇用保険に加入していたアルバイト(週20時間以上等)は記録が残るので、聞かれたら答えられるようにしておく。
会社が離職票を出してくれません
発行は会社の義務で、拒否されたらハローワークに相談すれば行政から催促してもらえる。在籍が短いことは拒否の理由にならない。
転職の資料をLINEで無料配布中
短期離職の説明テンプレ(事実・判断・次の基準の穴埋め式)を公式LINEで無料配布している。書くのは気が重い1行だ。でもその1行は、確認力が上がった証明に変えられる。


