スマホが震えて、画面に会社の番号が出た瞬間、心臓が跳ねる。
退職代行に依頼して、もう会社と直接やり取りしなくていいはずだった。なのに着信が来る。上司の携帯からも来る。留守電に「一度話そう」と入っている。せっかく外部に任せたのに、恐怖が家の中まで追いかけてきた気分になる。
先に、一番大事なことを言う。
その電話に、出る義務はない。
この記事の要点
- 退職の意思表示は既に会社へ届いている。あなたが直接応対する義務はない
- 着信への正しい対応は、出ない・折り返さない・代行に報告する、の3つだ
- 「家に行く」「親に言う」「訴える」は、ほぼ脅しの文言で終わる
- 出てしまっても失敗ではない。台詞を1つ持っておけばいい
なぜ出なくていいのか。理屈から
退職代行を使った時点で、退職の意思表示は会社に到達している。法律上、意思表示は相手に届けば効力を持つ。あなたの肉声での再確認は要件ではない。
会社が電話をかけてくる目的は、だいたい次のどれかだ。
- 本人の意思か確認したい(建前として一番多い)
- 引き止めたい
- 引き継ぎや貸与品の話をしたい
- 感情をぶつけたい
どれも、あなたが電話に出なければ進まない話ではない。本人確認も業務連絡も、代行を経由してできる。つまり電話は、会社の都合であって、あなたの義務ではないんよ。
正しい対応。3手で終わる
1. 出ない。着信拒否にしてもいいが、番号と時刻の記録は残しておく。
2. 折り返さない。留守電の「話そう」に応じる義務もない。
3. 代行の担当に報告する。「会社から本人に直接電話が来ている」と伝えれば、代行から会社へ「本人への連絡は控えるように」と改めて伝えてもらえる。この報告が一番大事だ。あなたが黙って耐えるのではなく、窓口に処理させる。
これで大半は止まる。数日でおさまるのが普通だ。
「家に来る」「親に言う」「訴える」の実際
留守電やメッセージに、脅しめいた文言が入ることがある。1つずつ現実の重さを書く。
「家に行く」。まれに本当に来る会社はある。ただし、ドアを開ける義務も応対する義務もない。インターホン越しに「代行を通してください」で終わっていいし、居留守でもいい。しつこい訪問は代行に報告して対応を任せる。
「親に連絡する」。多くの代行は、家族への連絡も控えるよう会社に伝える。実家に電話が行く可能性がゼロとは言わないが、親には先に一言伝えておくと、この脅しは無力化される。「会社を辞める手続き中で、会社から電話が行くかもしれないが、対応しなくていい」と。
「訴える」「損害賠償だ」。正当な退職への損害賠償請求は、実務上ほぼ成立しない。退職は法律で守られた権利で、権利の行使は賠償の対象にならないからだ。この文言が出たら、記録してそのまま代行に共有する。悪質なら労働基準監督署という相談先もある。
脅し文句は、効くと思っている相手にだけ効く。仕組みを知っているあなたには、もう効かない。
出てしまった時のために、台詞を1つ
うっかり出てしまうこともある。それは失敗ではない。台詞を1つだけ持っておけばいい。
「退職の件は代行にお任せしていますので、そちらを通してください。失礼します」
これを言って切る。議論しない。質問に答えない。会話を続ける義務は、最初から無い。
なお、これから代行を選ぶ段階の人へ。交渉権のある業者を選んでおくと、この種の事後対応まで含めて任せられる。退職代行Jobsは労働組合と連携していて、会社とのやり取りを交渉として処理できる型だ。LINEの相談は無料で、電話が怖いという状況ごと相談していい。
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最後に。着信のたびに跳ねる心臓は、あなたが臆病だからではない。あの職場で学習させられた反応だ。電話が止まって数週間もすれば、少しずつ元に戻っていく。戻るまで、出なくていい。
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よくある質問
退職代行を使った後、会社からの電話に出る義務はありますか?
ない。退職の意思表示は代行経由で既に会社へ届いており、あなたが直接応対する法的義務はない。着信は無視して、代行の担当に報告すればいい。
電話を無視したら家に来たり、親に連絡されたりしませんか?
多くの代行業者は本人や家族への直接連絡を控えるよう会社へ伝える。まれに来る会社はあるが、ドアを開ける義務も話す義務もない。親には先に一言伝えておくと安心だ。
電話で「訴える」と言われました。本当に訴えられますか?
正当な退職に対する損害賠償請求は、実務上ほぼ成立しない。脅しの文言はそのまま代行へ共有する。悪質なら労働基準監督署という相談先もある。
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