退職願を見返して気づいた。日付が違う。緊張しながら書いた紙の、よりによって日付だ。訂正印でいいのか、書き直しか、もう出してしまった後ならどうするのか。
まず1つ確認してほしい。間違えたのは、どの日付か。文末の提出日か、本文中の退職希望日か。ここでミスの重さが全く違う。3分岐で即答する。
この記事の要点
- 提出日欄の誤りは軽い。訂正印か書き直しのどちらでもいい
- 退職希望日の誤りは重い。必ず書き直して正しい日付で出す
- 提出後に気づいたら、口頭確認+書き直し再提出で記録を揃える
- 退職日は有給・保険・入社日の起点。ここだけは訂正跡を残さない
分岐1。提出日(文末の日付)を間違えた
退職願の文末に書く日付は、この書類をいつ出したかの記録だ。ここが1日ずれていても、退職の効力にも手続きにも実害はほぼない。
まだ出していないなら、直し方は2択になる。
- 二重線+訂正印で直す。使う印は署名の横に押したものと同じにする。届・願は社内文書なので、この作法が普通に通用する
- 書き直す。訂正跡のない1枚にしたければこちら。上司に渡す紙としての見栄えは、こちらが上だ
どちらでも間違いではない。訂正の細かい作法(線の引き方・印の位置・修正液が不可の理由)は退職届の訂正の書き方にまとめてある。願も届も、訂正の作法は同じだ。
分岐2。退職希望日(本文中の日付)を間違えた
こちらは話が変わる。本文の「◯年◯月◯日をもって退職いたしたく」の日付は、退職の効力の核だ。この日付を起点に、有給消化の逆算、社会保険の切り替え、失業保険の起算、転職先の入社日、すべてが動く。
だから、訂正印で済ませず書き直す。理由は2つある。
- 争いの種を消すため。退職日に訂正跡がある書面は、後から「どちらの日付で合意したのか」という揉め事の材料になりうる。円満な退職でも、書類だけは揉めない形で残す
- 書類の重みのため。あなたの退職日を確定させる1枚だ。ここだけは、きれいな断定で書かれているべきになる
書き直しは10分で終わる。用紙は白便箋、封筒は白無地二重(封筒の書き方で書いた)。10分を惜しんで数ヶ月の手続きに火種を残す理由がない。
分岐3。提出した後に気づいた
出してしまった後なら、紙の訂正でなく記録の修正として動く。手順は3つだ。
- 上司に口頭で伝える。「お渡しした退職願の日付に誤りがありました。退職希望日は正しくは◯月◯日です」。その日のうちに言う
- 書き直した退職願を再提出する。「書き直したものをお持ちしました。差し替えをお願いします」。古い方は回収できれば回収する
- メールで一筆残す。「本日お伝えした通り、退職希望日は◯月◯日です。書き直した退職願をお渡ししました」。口頭+書面+メールの三点で、正しい日付が記録の多数派になる
放置が一番まずい。間違った日付のまま人事の手続きが走ると、有給の消化日数が変わり、社会保険の資格喪失日がずれ、最悪は転職先の入社日と衝突する。気づいた日が、直せる一番早い日だ。
なお、あなたのミスでなく会社側から日付を変えて書き直せと迫られている場合は、まったく別の問題になる。応じる義務の線引きは書き直しさせられた時の対処で書いた。
日付ミスを防ぐ書き方。3点だけ
退職願の日付は3箇所ある。書く前にこの3点を紙に別置きしてから清書すると、ミスがほぼ消える。
- 退職希望日|上司と合意した日か、就業規則の予告期間を満たす日。月末か月末前日かで社会保険の扱いが変わる論点も、ここで確定させておく
- 提出日|実際に手渡す日。前日に書くなら、翌日の日付を書く
- 和暦・西暦の統一|書類内で混ぜない。会社の様式があるなら様式に合わせる
3つをメモに書き出して、清書はそれを写すだけにする。考えながら清書するから、緊張した手が日付を滑らせるんよ。
よくある誤解
「退職願の日付ミスで、退職自体が無効になる」。ならない。退職の意思表示は書面の完璧さでなく、意思が伝わったことで効力を持つ。日付ミスは修正すべき事務の誤りであって、退職を止める欠陥ではない。慌てず直せばいい。
「願だから、日付が違っても会社が承諾するまで意味はない」。半分正しいが油断はできない。願は承諾待ちの申し込みでも、記載された日付は交渉と手続きの基準として動き始める。間違った基準で話が進む前に、正しい日付へ揃えることの価値は変わらない。
よくある質問
退職届と退職願で、日付ミスの扱いは違いますか?
直し方の作法は同じだ。違いは重みで、届は一方的な意思表示として日付がそのまま効力に直結するため、退職日の誤りの実害がより大きい。届の場合は、分岐2・3の対応をより急ぐと考えておけばいい。
上司に口頭で伝えた退職日と、書いた日付が違っていました。どちらが優先されますか?
決まった優先順位があるわけではなく、食い違いは揉め事の入口になる。だからこそ、気づいた時点で口頭+書き直し+メールの三点で記録を正しい日付に揃え直す。最終的には、双方が認識している日付を書面で一致させることがすべてだ。
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