退職届を書いていて、日付を間違えた。名前の漢字がにじんだ。この1枚のために、また最初から書くのか。

即答する。書き直せ。修正液は不可、訂正印は可能だが得がない。退職届は10行足らずの書類だ。訂正の作法を調べる時間より、書き直す方が早い。理由と、間違えやすい場所を順に書く。

この記事の要点

  • 修正液・修正テープは不可。公的な書類の共通ルールだ
  • 二重線+訂正印は形式上可能。だが退職届では選ぶ理由がない
  • 短い書類だから書き直しが最速で確実。用紙代もほぼゼロだ
  • 提出後に気づいた間違いは、人事に伝えて差し替えればいい

修正液が不可な理由。訂正印が微妙な理由

修正液・修正テープが使えないのは、誰がいつ直したか分からないからだ。退職届は会社に対する正式な意思表示の書類で、後から内容を争う可能性がゼロではない。書き換えの痕跡が残る修正方法は、この種の書類全般で認められない。

では二重線に訂正印はどうか。形式としては有効だ。間違えた箇所に二重線を引き、その上に訂正印(認印でいい)を押し、正しい内容を書く。ビジネス文書の訂正作法として存在する。

だが考えてみてほしい。退職届の中身は、表題・文面・日付・氏名・宛名だけだ。全部で10行に満たない。訂正印つきの1枚を出すのと、まっさらな1枚を出すのと、かかる時間はほぼ同じで、確実さと見た目は書き直しが上回る。だから答えは書き直し一択になる。

間違えやすい4箇所。書く前に確認しておく

書き直しのついでに、間違えやすい場所を先に押さえておくと二度目が起きない。

1、日付が2つあること。文末に書く日付は提出日、文面の中に書く日付は退職日だ。この2つを取り違える人が一番多い。

2、退職日の整合。上司と合意した退職日と、届に書く日付がズレていないか。有給消化を組んでいる場合は特に、最終出社日でなく退職日を書く。

3、「退職願」と「退職届」の表題。願いを出す段階なら退職願、決定を届け出るなら退職届だ。会社の就業規則でどちらを求めているかも確認しておく。

4、宛名は社長名。提出する相手は直属の上司でも、宛名は会社の代表者名で書く。役職と氏名を正確に、敬称は「殿」が通例だ。

用紙がもうない。その場で調達する方法

便箋が1枚しかなくて書き損じた、という状況もある。用紙はコンビニで全部揃う。白の便箋かコピー用紙、白封筒、ボールペン。この3点があれば作り直せる。詳しい調達先と選び方は退職届の用紙はコンビニで揃うで書いた通りだ。

手書きが不安なら、パソコンで作成して署名だけ手書きにする形も認められる会社が多い。手書きで完璧な1枚を目指して消耗するくらいなら、印字+署名で確実に仕上げる方が合理的なんよ。

提出後に間違いへ気づいた場合

出してしまった後に日付の間違いに気づくこともある。この場合は、人事か上司に「日付に誤りがあったので差し替えさせてください」と伝えればいい。退職の意思表示そのものは口頭でも成立しているから、書類の差し替えで退職が無効になるような話ではない。

放置だけはしない方がいい。退職日は離職票や社会保険の手続きに連動する情報で、間違った日付のまま処理されると、後の手続きで面倒が増える。気づいた時点で直す。それだけだ。

そもそも切り出しの段取りから不安がある人は、退職を切り出すのは月曜か金曜か退職をメールで伝えるのはありかに順番をまとめてある。書類は最後の工程で、先に決めるのは伝える段取りの方だ。

書き損じを防ぐ手順。清書は最後の3分だけにする

そもそも書き間違いは、いきなり清書するから起きる。手順を2段に分ければ、書き損じはほぼ消える。

手順1、別の紙かスマホのメモに全文を作る。表題・文面・提出日・退職日・氏名・宛名を、この順で一度文字にする。特に2つの日付と社長の氏名は、ここで正確な表記を確定させておく。

手順2、確定した下書きを見ながら書き写す。考えながら書くのと、写すだけなのとでは、ミスの出方がまるで違う。清書は3分で終わる作業になり、緊張で手が震える人でも通る。

ボールペンは油性の黒を使う。消せるボールペンは、熱で消える性質上この種の書類には使えないから、ここだけ注意しておく。

よくある質問

誤字が1文字だけでも書き直すべきですか?

書き直すべきだ。退職届は短い書類で、書き直しのコストが数分しかない。訂正跡のある正式書類を出す理由がない。

印鑑はシャチハタでもいいですか?

認印(朱肉を使う印鑑)が無難だ。シャチハタを不可とする会社があるため、迷うなら認印で押しておけば間違いがない。

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