退職の手続きを調べていると、退職証明書と離職票という似た名前の書類が出てくる。どっちが要るのか。両方なのか。
即答する。失業手当をもらうなら離職票。それ以外の証明は退職証明書で足りることが多い。そして速さがまるで違う。仕分けを書く。
この記事の要点
- 退職証明書は会社発行。請求すれば数日で出る
- 離職票はハローワーク発行。届くまで10日〜2週間かかる
- 失業手当の申請は離職票が必須だ
- 保険の切り替えや転職先への証明は、速い退職証明書が使える
2つの書類を並べて見る
| 項目 | 退職証明書 | 離職票 |
|---|---|---|
| 発行元 | 会社 | ハローワーク(会社経由で受け取る) |
| 速さ | 請求から数日 | 退職から10日〜2週間 |
| 根拠 | 労働基準法22条(請求されたら交付義務) | 雇用保険法 |
| 主な用途 | 転職先への証明、保険・年金の切り替え | 失業手当の申請 |
| 請求方法 | 会社に直接請求する | 退職時に希望を伝える(原則交付) |
覚え方はシンプルだ。会社が自分で書けるのが退職証明書、役所を通るのが離職票。通る場所が多い書類ほど遅い。
退職証明書。速くて融通が利く方
退職証明書は、退職の事実を会社が証明する書類だ。強いのは2点になる。
1、速い。労働基準法22条により、労働者が請求したら会社は遅滞なく交付する義務を負う。数日で手に入るのが通常で、退職日当日に受け取ることもできる。
2、記載内容を選べる。使用期間・業務の種類・地位・賃金・退職の事由のうち、あなたが請求した項目だけが記載される。退職理由を書かせない形で発行させることもできるということだ。転職先に出す場合など、余計な情報を載せたくない場面で使える性質になる。
使う場面は、転職先から退職日の証明を求められた時、国民健康保険や国民年金の切り替えで退職の事実を示す時、そして離職票が届くまでの間のつなぎだ。
離職票。失業手当への唯一の入口
離職票は、雇用保険の失業手当(基本手当)を申請するための書類で、この用途では代わりが利かない。離職前の賃金や離職理由が記載され、手当の金額と給付日数の計算に使われる。
弱点は速さだ。会社がハローワークへ手続きし、発行されたものが会社経由で郵送されるため、退職から10日〜2週間かかる。届かない時の確認手順は離職票はいつ届くか、会社が出し渋る場合の対処は離職票をもらえない時でそれぞれ書いた。
注意が1つある。転職先が決まっている人でも、離職票は受け取っておくべきだ。入社が取り消しになる、入社までに間が空く、早期に離職する。可能性は低くても、起きた時に離職票の再発行から始めるのは面倒が大きい。退職時に「離職票をください」と一言伝えるだけでいい。
実務の正解。退職時に両方頼んでおく
仕分けを知った上での実務の正解は単純で、退職時に両方を頼んでおくことだ。
- 「退職証明書を、退職日までにいただけますか。記載は退職日と使用期間だけで結構です」
- 「離職票の交付もお願いします」
この2文で終わる。費用はどちらもかからない。退職証明書が先に手元に来るから、急ぎの手続き(保険の切り替え、転職先への提出)はそちらで進め、離職票は失業手当と保険料の軽減用に待つ。速い書類で先に動き、遅い書類は用途を限定して待つ。これが退職書類の段取りの全体で、他の手続きとの順番は退職後の手続きガイドにまとめてある。
場面別の早見。どの書類を出せばいいか
窓口や提出先ごとの答えも並べておく。迷ったらここだけ見ればいい。
- 失業手当の申請|離職票。代わりは利かない
- 国民健康保険への切り替え|退職証明書か離職票のどちらでも受け付ける自治体が多い。急ぐなら先に届く退職証明書で行く
- 国民年金の切り替え|同上。退職日が分かる書類として使える
- 転職先からの提出依頼|退職証明書。記載項目を退職日だけに絞れるのが利点だ
- 家族の扶養に入る手続き|配偶者の勤務先によって指定が違う。離職票の写しを求められることが多いため、指定を先に確認する
こうして並べると、離職票が必須なのは失業手当だけで、残りは速い方の書類で代替が利くと分かる。待ち時間で手続きを止めない段取りは、この一覧から組めばいい。
よくある質問
退職証明書の発行を会社に断られました。違法ですか?
退職後2年以内の請求なら、交付は労働基準法上の義務で、拒否は違法だ。労働基準監督署に相談する旨を伝えると、大半は動く。
離職票と源泉徴収票も違う書類ですか?
違う。源泉徴収票は税金の書類で、年末調整や確定申告に使う。離職票(失業手当)、退職証明書(退職の証明)、源泉徴収票(税)と、用途がそれぞれ別だ。3枚とも受け取っておく。
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