30代、あるいは40代。転職を考えているが、武器になるものがない。何か資格を取ってからのほうがいいのか。取るなら何がいいのか。
先に言う。資格は職種で決まる。年代で決まらない。応募条件になっている資格は効き、それ以外は補助にしかならない。効く資格、意味がない資格、取る順番を書く。
先に一文で。30代・40代の転職で効く資格は応募条件になっているもの(簿記2級・宅建・介護福祉士・電気工事士・基本情報など)に限られ、MOSやTOEICは単体では効かず、応募条件の資格だけ先に取ってそれ以外は入社後に取るのが正解で、30代後半以降は1年勉強するより1年早く入るほうが有利だ。
この記事の要点
- 効くのは応募条件の資格。書類の通過を左右する
- 意味がないのは、単体で通過を左右しない資格。実務があれば要らない
- 取るなら、応募条件の資格だけ入社前。残りは入社後
- 費用は教育訓練給付金で一部戻る
効く資格。応募条件になっているもの
| 職種 | 効く資格 | 理由 |
|---|---|---|
| 経理・会計 | 日商簿記2級 | 未経験可の経理求人の応募条件になっていることが多い |
| 不動産 | 宅地建物取引士 | 事務所に5人に1人の設置義務。40代でも採用されやすい |
| 介護 | 介護福祉士(実務3年後)、初任者研修 | 資格で月給が上がる。介護福祉士は管理職の条件 |
| 設備・ビル管理 | 第二種電気工事士、ボイラー技士、危険物取扱者 | 現場の配置に資格が要る。40代の未経験でも通る |
| IT | 基本情報技術者 | 未経験の学習の証明になる。ITパスポートは効かない |
| 運輸 | 大型・中型・けん引免許 | 免許が年収に直結する |
| 医療事務 | 医療事務の認定資格 | 未経験の応募で補助になる。必須ではない |
| 人事・労務 | 社会保険労務士 | 難関だが、40代の専門職転職に効く |
共通点は、求人票の応募条件か歓迎条件に書いてあることだ。狙う職種の求人票を10件見て、条件に出てくる資格だけを取る。簿記2級で経理に入る経路は簿記2級で経理未経験から転職できるかに書いた。
意味がない資格。単体では通過を左右しない
| 資格 | 30代以降の評価 |
|---|---|
| MOS | 評価されない。Excelの実務経験で足りる |
| TOEIC 600点未満 | 効かない。外資や貿易なら730以上から |
| 秘書検定、ビジネスマナー系 | 新卒向け。中途では見られない |
| ITパスポート | 評価されない。基本情報以上から |
| 民間のキャリア系・コーチング系 | 本人の学びにはなるが、応募の通過には効かない |
| 簿記3級 | 経理の応募条件は2級から |
「取っておいて損はない」は、時間の損がある。30代以降の資格は、取る前に求人票で確認する。
取るなら、入社前か後か
| 資格の位置づけ | 取る時期 |
|---|---|
| 応募条件になっている(簿記2級・宅建など) | 入社前。ないと書類が通らない |
| 歓迎条件・入社後に取る前提(初任者研修・介護福祉士など) | 入社後。会社負担で取れることが多い |
| 実務3年など経験が受験条件(介護福祉士・ケアマネ) | 入社後にしか取れない |
| 年収を上げる資格(電気工事士・けん引) | 入社後に、会社の支援で |
30代後半以降は、1年勉強して年齢を重ねるより、1年早く入って中で取るほうが総額で有利だ。39歳で資格を持って応募するより、38歳で入社して39歳で資格を取ったほうが、経験年数も1年多い。40代の学び直しの時期は40代のリスキリングは遅いかへ。
費用は教育訓練給付金で戻る
簿記、宅建、介護福祉士、基本情報、電気工事士などの講座は、教育訓練給付金の対象になっているものが多い。受講費用の20%(上限10万円)が戻り、専門実践教育訓練なら最大で7〜8割になる講座もある。2回目の使い方は教育訓練給付金の2回目に書いた。
資格より先に見るもの。棚卸し
資格を探す前に、担当した業務を頻度・規模・継続で書き出す。30代以降で「武器がない」と感じている人の大半は、資格がないのではなく、業務を言葉にしていないだけだ。棚卸しの型は転職したいけどスキルがない30代に置いた。棚卸しで職種が絞れてから、その職種の応募条件の資格を見る。順番が逆だと、使わない資格が増える。
3分で診断:リスキル診断——今の業務から伸ばせる方向を先に絞る。資格を選ぶ前に使ってほしい。
よくある質問
独学で取れる資格はどれですか?
簿記2級、宅建、基本情報、第二種電気工事士(実技は練習が要る)、危険物乙4は独学で取る人が多い。介護福祉士は実務経験が条件なので、まず現場に入る。社労士は独学だと年単位になる。
40代で資格を取っても、年齢で落ちませんか?
資格が応募条件の職種では、資格を持つ40代は資格のない30代より通る。宅建・電気工事士・介護福祉士は、40代の採用が普通にある職種だ。年齢が壁になるのは、資格が条件でない職種のほうだ。
女性の30代・40代で、事務に効く資格はありますか?
簿記2級が最も効く。経理補助・営業事務の応募条件に出てくる。次に給与計算・社会保険の実務(資格より実務経験)。MOSは効かない。40代女性の事務の求人の見分けは45歳女性の事務職転職へ。
職種別の資格対応表をLINEで無料配布中
狙う職種ごとに効く資格と意味がない資格の一覧、入社前後の取得計画のシート、教育訓練給付金の対象講座の調べ方を公式LINEで無料配布している。資格は職種で決まる。取る前に、求人票を見てほしい。


