通勤手当に上限があると言われた。定期代が上限を超える。超えた分は自腹なのか。そもそも通勤手当は義務ではないのか。相場はいくらなのか。

先に言う。通勤手当に法律の義務はない。上限は会社が決める。超えた分は自腹で、それ自体は違法ではない。相場、非課税の枠、車通勤の計算、転職前に確認することを書く。

先に一文で。通勤手当は法律の義務でなく就業規則で会社が決めるもので、上限は月1万〜3万円から実費全額まで幅があり超えた分は自腹になり、非課税の限度は公共交通機関で月15万円、平均支給額は月1万円台なので、転職前に上限と支給の条件を求人票と面接で確認し、上限が低い会社は住む場所の選択肢が狭まると理解して比べるのが正解だ。

この記事の要点

  • 支給は義務ではない。上限は会社が就業規則で決め、超えた分は自腹
  • 平均は月1万円台。上限は1万〜3万円、5万円、実費全額まで幅がある
  • 非課税は公共交通機関で月15万円。車は距離で段階
  • 転職前に、上限・経路の条件・車通勤の計算方法を確認する

義務か、上限は違法か

論点答え
支給の義務ない。法律に定めはなく、就業規則で決める
上限会社が決められる。超えた分は自腹
違法になる場合就業規則に定めた通りに支給しない(賃金の未払い)
支給なしの会社適法。ただし、その分を年収で比べる

厚生労働省の資料では、通勤手当を支給する企業の割合は9割前後で推移しているが、上限と条件は会社ごとに違う。

相場と平均

区分目安
平均支給額月1万円台(就労条件総合調査。企業規模で数千円の差)
上限が低い会社月1万〜2万円
中間月3万〜5万円
大手・上限が高い会社実費全額、または非課税限度の月15万円
支給なし中小企業の一部、時給制の職場の一部

上限が非課税限度の15万円という会社は、実質、実費全額に近い。上限2万円の会社では、都心の定期代で自腹が出る。

非課税の枠

通勤方法非課税の限度(月)
電車・バス15万円まで(最も経済的で合理的な経路)
車・バイク(片道の距離で段階)2km未満は全額課税、2〜10km未満4,200円、10〜15km未満7,100円、15〜25km未満12,900円、25〜35km未満18,700円、35〜45km未満24,400円、45〜55km未満28,000円、55km以上31,600円
電車+車合計15万円まで

非課税の限度を超えた分は給与として課税される。社会保険料は、通勤手当も含めた総額で決まる。課税と社会保険の扱いは通勤手当は課税されるか。15万円と社会保険に書いた。

車通勤の計算

会社ごとに式が違う。よくある型は2つ。

  1. 距離×単価。片道の距離×往復×出勤日数×1kmあたりの単価(10〜15円が多い)
  2. ガソリン代の実費。距離÷燃費×ガソリン単価。燃費と単価は会社が決める

上限は、距離の段階で決める会社と、金額で決める会社がある。求人票に「車通勤可」とあっても、手当の額と式は書いていないことが多い。面接で聞く。

引っ越しで上限を超えた時

引っ越しの理由対応
会社の指示(転勤・異動)上限の引き上げか特例を交渉できる。多くの会社は実費で対応
自分の都合超えた分は自腹。引っ越す前に定期代と上限を比べる

上限が低い会社は、家賃の安い遠方に住む選択肢が実質なくなる。家賃と定期代の合計で住む場所を決める時、通勤手当の上限は家賃の差より大きく効くことがある。通勤時間の限界は通勤時間が長い。限界の線へ。

転職前に確認すること

  1. 上限の額。求人票の「交通費支給」は上限を示さない。「全額」「月◯万円まで」を確認する
  2. 経路の条件。最も安い経路に限るか、新幹線や特急を認めるか
  3. 車通勤の可否と計算方法。駐車場代の扱いも
  4. 在宅勤務の日の扱い。定期代でなく実費精算に切り替える会社が増えている
  5. 支給の形。毎月の給与か、定期券の現物支給か、6ヶ月分まとめてか

聞き方は「通勤手当の上限と、経路の条件を教えてください」の1文でいい。基本給と手当の内訳の見方は基本給が低くて手当が多い会社、住宅手当の相場は住宅手当とはに書いた。

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よくある質問

在宅勤務が増えて、定期代が出なくなりました

定期代から実費精算に切り替える会社が増えている。出社日数×往復の運賃で計算され、出社が週2日なら定期より安くなることが多い。就業規則の変更なので、通知があるはずだ。

通勤手当を実際より多く申請したらバレますか?

バレる。経路と定期代は会社が確認でき、発覚すると返還と懲戒の対象になる。不正受給は解雇事由になり得る。

通勤手当がない会社は、その分年収が低いと考えるべきですか?

そうだ。定期代が月2万円なら年24万円。同じ年収なら、通勤手当がある会社のほうが実質24万円高い。会社を比べる時は、通勤手当の分を年収に足し引きする。

出典(一次資料)

  • 国税庁「通勤手当の非課税限度額」(タックスアンサーNo.2582・No.2585)
  • 厚生労働省「就労条件総合調査」(通勤手当の支給状況と平均額)

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