薬剤師だ。調剤薬局を出て、企業で働きたい。だが、企業の求人は少ないと聞く。年収は上がるのか、下がるのか。調剤の経験は企業で通るのか。

先に言う。薬剤師の企業への転職は、調剤薬局より年収が上がる先と下がる先がはっきり分かれる。製薬の開発と学術は上がり、管理薬剤師と品質管理は下がる。求人が少ないので、職種を決めて半年かけて動け。職種、年収、難しい理由と入口、経験の訳し方、志望動機、面接、年齢、転職サービス、地域、後悔する人を書く。

先に一文で。薬剤師の企業への転職は製薬の開発と学術とMRと薬事とCRAで年収が上がりCRCと安全性情報と医療系ITで同じか少し下がり卸の管理薬剤師と品質管理とドラッグストアの本部で下がると知り、求人が少なく東京と大阪に集中し調剤の経験が訳されにくいので、調剤からの入口であるCRAとCRCと卸の管理薬剤師と安全性情報と医療系ITから職種を決め、服薬指導を説明に疑義照会を医師との調整に薬歴を記録に訳し、企業向けの転職サービスを使って半年かけて動くのが正解だ。

この記事の要点

  • 年収は職種で上がる先と下がる先に分かれる
  • 求人が少ない。職種を決めて半年
  • 調剤からの入口はCRA・CRC・卸・安全性情報・医療系IT
  • 調剤の経験を企業の言葉に訳す

企業で薬剤師が働く職種

会社職種仕事調剤からの入口
製薬会社開発(CRA・データ管理)治験の計画と実施の管理CRAは未経験の採用がある(受託会社が中心)
製薬会社学術・DI医薬品の情報の提供、問い合わせの対応、資料の作成狭い。経験者が中心
製薬会社MR医薬品の営業。医師への情報の提供薬剤師のMRは採用がある。営業の適性
製薬会社薬事承認の申請、当局との対応狭い。経験者が中心
製薬会社品質管理・品質保証製造の品質の管理、GMP工場の勤務。入口はある
製薬会社・受託安全性情報副作用の収集と評価と報告薬の知識が直接使える。入口がある
治験の受託会社CRC治験に参加する患者と医師の間の調整未経験の採用がある
医薬品卸管理薬剤師卸の薬剤師の法定の配置、品質と情報の管理資格が要件。入口がある
ドラッグストア本部(商品・教育・店舗の管理)商品の選定、薬剤師の教育、店舗の支援店舗から本部への異動が中心
医療機器・化粧品・食品開発・品質・薬事製品の開発と品質と申請会社による
医療系IT薬の情報のデータベース、監修薬の情報の整備、システムの監修薬の知識が直接使える。入口がある
出版・Web医療ライター・監修記事の執筆と監修副業から始める人も

看護師が資格を売って企業に移る道と、型は同じだ。線は看護師から一般企業への転職に書いた。薬剤師は、薬の知識が直接使える職種が多い分、看護師より企業の幅が広い。

年収の現実

職種年収調剤薬局(450〜550万円)と比べて
製薬の開発・学術・薬事500〜700万円以上上がる
MR500〜700万円以上(手当を含む)上がる
CRA450〜600万円。経験で上上がる
CRC400〜500万円同じか少し下がる
安全性情報450〜550万円同じ
医療系IT450〜550万円同じ
卸の管理薬剤師400〜500万円下がる
品質管理400〜500万円下がる
ドラッグストアの本部店舗による店舗の管理薬剤師より下がることがある
医療ライター300〜400万円下がる

調剤薬局の年収は、地方と人手不足の地域で高い。地方の薬局から東京の企業に移ると、年収が下がり家賃が上がる、が起きる。5年後の年収(企業は年功と昇進で上がる)で比べる。

企業への転職が難しいと言われる理由と入口

理由実際と入口
求人が少ない1社に数人。調剤の求人の数十分の1。企業向けの転職サービスで求人を追う
新卒と経験者が中心開発・学術・薬事は狭い。CRA・CRC・卸・安全性情報・医療系ITに入口がある
調剤の経験が訳されにくい服薬指導、疑義照会、薬歴、在庫を企業の言葉に訳す
東京と大阪に集中転居を前提にするか、卸の管理薬剤師と医療系ITのリモートを探す

調剤の経験の訳し方

調剤の経験企業の言葉使える職種
服薬指導患者と医療者への分かりやすい説明CRC、学術、MR、医療ライター
疑義照会医師との調整、根拠を示して提案する力CRA、CRC、学術、安全性情報
薬歴正確な記録、期限の管理CRA、安全性情報、品質
在庫と発注管理と数字卸、ドラッグストアの本部
かかりつけ薬剤師顧客との長い関係MR、CRC
副作用の確認と報告安全性情報の収集安全性情報
後輩の指導教育ドラッグストアの本部、学術

「調剤をしていました」だけでは、企業に伝わらない。この表で訳す。

志望動機の型と例文

型は3つの文。1.調剤の経験のうち、その職種で使える物を訳して。2.なぜ企業で、その職種か。3.その会社で何をするか。「薬局の人間関係」「土日に休みたい」は書かない。

CRAの例。「調剤薬局で◯年、◯科の処方を中心に服薬指導と疑義照会を担当し、医師に根拠を示して処方の変更を提案する場面を◯件経験しました。患者に薬が届いた後の仕事から、薬が届く前の治験の段階に関わりたいと考え、CRAを志望しました。医師との調整と記録の正確さを、治験の品質を守る仕事に使いたいと考えています」。

安全性情報の例。「調剤薬局で◯年、副作用の確認と報告を日常の業務として担当してきました。個々の患者の副作用を、製品の安全性として集めて評価する側に立ちたいと考え、安全性情報を志望しました。薬の知識と、正確な記録を、副作用の評価と当局への報告に使いたいと考えています」。

面接で聞かれること

質問答え方
なぜ調剤を辞めて企業か薬局の悪口を言わない。「薬が届く前の段階に関わりたい」を事実で
企業の働き方に合うか「数字と期限で動く組織だと理解している。薬局でも在庫と期限を管理した」
出張と転勤(CRA・MR)できる範囲を正直に
英語(開発・薬事)論文と英文の資料を読めるか。TOEICの点数
薬剤師の資格を活かせない場面もあるが「資格は前提で、企業の仕事を覚える。薬の知識は判断の土台になる」
PCのスキルExcelとWordが使えるか。薬歴のシステムの経験を言う

年齢の線

年齢通る職種
20代開発、学術、MR、CRA、CRC、薬事。全部に入口がある
30代前半CRA、CRC、安全性情報、医療系IT、卸、MR
30代後半安全性情報、卸の管理薬剤師、品質、医療系IT、ドラッグストアの本部
40代卸の管理薬剤師、品質保証の管理職、ドラッグストアの本部、医療ライター

企業の未経験の入口は、30代前半までが中心だ。30代後半以降は、資格が要件になる職種(管理薬剤師)と、薬の知識が直接使える職種(安全性情報・品質)に絞られる。

企業向けの転職サービスの使い方

やること中身
企業の求人を扱うサービスを選ぶ薬剤師の転職サービスは調剤とドラッグストアの求人が中心。企業の求人を扱う所を選ぶ。評判はファルマスタッフの評判に書いた
職種を伝える「企業ならどこでも」と言うと、卸と品質の求人だけ出てくる。職種を決めて伝える
CRAとCRCは専門のサービス治験の受託会社の求人は、専門の転職サービスが持っている
製薬会社の直接応募製薬会社の採用ページに、中途の求人が不定期に出る
半年かける求人が少ないので、待つ期間がある

薬剤師の転職で失敗する型は薬剤師の転職で失敗するパターンに書いた。企業への転職でも、年収より体制と実態で見る。

地域と転勤

企業の薬剤師の求人は、東京と大阪に集中する。製薬会社の本社は東京と大阪、工場は地方、卸は全国。地方に住んでいて企業に移るなら、転居を前提にするか、卸の管理薬剤師(全国)と医療系IT(リモートあり)と製薬の工場の品質(地方)を探す。MRとCRAは転勤と出張がある。

企業に移って後悔する人と戻る人

後悔の型中身
年収が下がった下がる職種を、年収の計算なしで選んだ
薬剤師としての手応えがない患者と接する仕事を離れて、事務と管理の仕事になった
企業の数字と期限に合わなかった薬局と企業の働き方の違いを知らずに移った
東京の家賃で手取りが減った地方の薬局から東京の企業へ、年収と家賃を計算しなかった

戻る人もいる。薬剤師の資格は消えず、調剤薬局は人手不足なので、戻れる。企業の経験は、薬局の管理職と本部で使える。調剤薬局を辞めたい理由の整理は調剤薬局を辞めたいに書いた。理由が今の薬局の人間関係なら、薬局を変える方が早い。

技師が資格と機器の経験を売って企業に移る職種は臨床検査技師・放射線技師の企業への転職に書いた。

よくある質問

薬剤師から製薬会社のMRになれるか

なれる。薬剤師のMRは採用がある。営業の適性と、転勤と、医師との関係を作る力が要る。年収は上がるが、数字の圧がある。

病院薬剤師から企業への転職は調剤薬局より有利か

有利な職種がある。病院の治験の経験があればCRAとCRCで有利。抗がん剤や注射の調製の経験は、製薬の学術と安全性情報で加点になる。

薬剤師の企業転職で資格は要るか

薬剤師の資格が前提だ。加えて、TOEIC(開発・薬事)、認定薬剤師の一部(学術)、統計の知識(データ管理)があれば有利。必須はない。

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