うつ病で半年休職し、復職せずに退職した。今は回復して、転職活動を始めたい。だが、病歴を伝えるべきか。伝えたら落とされるのではないか。伝えずに入って、また崩れたらどうなるのか。

先に言う。うつ病を転職先に伝える法律上の義務はない。だが、聞かれて嘘を言うのは別だ。今も治療中で業務に影響するなら伝える。治って通院していないなら、言わなくていい。告知義務の線、オープンとクローズ、クローズの条件、オープンの伝え方、バレる経路、不利と有利、タイミング、会社の選び方、相談先を書く。

先に一文で。うつ病の経歴を転職先に自分から伝える義務はなく、寛解して通院と服薬がなく業務に制限がないならクローズで一般雇用に応募してよく、聞かれたら嘘を言わずに事実で短く答え、今も治療中で残業や夜勤に制限があるなら内定後か入社前に人事へ診断名でなく業務への影響と配慮の中身を伝えるオープンの形か障害者雇用を選び、転職のタイミングは寛解から半年〜1年、再発しないよう残業と評価と休みの実態で会社を選ぶのが正解だ。

この記事の要点

  • 自分から伝える義務はない。嘘は別
  • 制限がないならクローズでいい
  • 制限があるならオープンで配慮を頼む
  • 寛解から半年〜1年で動く

告知義務の線

場面線
自分から伝える義務はない。病歴は本人の情報で、会社が採用の判断に使うことは原則制限されている
面接で聞かれた嘘を言うと虚偽になり得る。答えるなら事実で短く。答えたくない質問には「業務に支障はありません」で止めることもできる
健康診断の問診票聞かれた項目に嘘を書かない。治って通院がなければ既往歴に書かなくても嘘にならない。線は健康診断の既往歴にうつ病や持病を書くかに書いた
業務に影響する制限がある伝えずに入って影響が出た時、自分の立場が弱くなる。伝える方が自分を守る

持病を会社に言うべきかの法律の線は持病があって転職。言うべきかの法的な線引きに書いた。

オープンとクローズ

クローズ(伝えない)オープン(一般雇用で伝える)オープン(障害者雇用)
条件寛解、通院と服薬なし、業務に制限なし通院か服薬が続く、業務に制限がある精神障害者保健福祉手帳がある
配慮受けられない残業の制限、通院の時間、業務量の調整を頼める制度として配慮がある
求人の幅広い広いが、伝えた後に選考が変わることがある狭い。年収は低め
再発した時配慮を頼めず、休職か退職になりやすい配慮の範囲で調整できる制度の中で対応

今の状態で決める。制限がないならクローズ、制限があるならオープン。障害者雇用の中身は別記事に書いた。

クローズで働く時の条件

条件中身
寛解している主治医が「就労に支障なし」と言える状態
通院と服薬がない頓服を持っている程度なら、クローズで問題になりにくい
業務に制限がない残業、夜勤、出張、責任の重さに制限がない
半年〜1年、安定している復職か、アルバイトか、日常生活で安定して動けている

この4つが揃っていれば、クローズで一般雇用に応募していい。揃っていないのにクローズで入ると、再発した時に一番苦しくなる。

オープンにする時の伝え方と時期

項目中身
時期内定後、承諾の前か、入社前の人事との面談で。選考の途中で伝えると、選考が変わることがある
相手人事。配属先の上司には人事から伝えてもらう
言うこと診断名より、業務への影響と配慮の中身。「月1回の通院で半日の休みが要る」「当面、月の残業を20時間以内にしたい」
言わないこと病気の経緯の詳細、前の会社での出来事
残す物伝えた日時と内容をメモ。主治医の就労可の意見書があれば添える
通院中の持病があり、就業に支障はありませんが、月1回の通院で半日の休みが必要です。また、当面は残業を月20時間程度に抑えたいと考えています。配属の際にご配慮いただけますでしょうか。

伝えた後に内定を取り消されたら、理由を書面で求める。病歴だけを理由にした取り消しは正当な理由にならない。

休職の記録がバレる経路

経路伝わるか
傷病手当金の受給記録伝わらない。健保組合から転職先には渡らない
健康保険・年金の切り替え伝わらない
前の会社の人事伝わらない。前職調査で本人の同意なく病歴を聞くことはできない
源泉徴収票年収が休職の分だけ低い。聞かれたら答える
履歴書の職歴休職中は在籍しているので、空白にはならない。退職後の期間は空白になる
面接の質問「体調で休んだことは」と聞かれることがある。事実で短く

源泉徴収票の額を聞かれたら、「体調を崩して休職した期間があり、今は回復して働いています」。嘘は言わない。適応障害の場合の伝え方は適応障害は転職でバレるかに書いた。

不利になる場面と、有利になる場面

不利有利
選考の途中でオープンにした(選考が変わる)内定後にオープンにして、配慮を得て入社した(続く)
クローズで入って再発した(配慮を頼めない)寛解してクローズで入り、安定して働いた(病歴が問題にならない)
前の会社の悪口として病歴を話した休職の経験から、働き方の線を自分で決めていることを話した
空白期間の説明で、病名だけ言って終わった空白期間に回復のためにやったこと(生活のリズム・軽い仕事)を言った

病歴そのものより、今どう働けるかが見られる。空白の説明の型は職歴の空白期間の説明の仕方に書いた。

転職のタイミング

状態判断
休職中転職活動は避ける。回復が先。休職中の動き方はうつで退職を考えた時の順番に書いた
寛解から3か月未満早い。再発しやすい時期
寛解から半年〜1年動いていい。生活のリズムが戻り、日中に活動できている
復職して半年以上働けている動いていい。在職中の転職として進める

主治医に「転職活動をしていいか」を聞く。医師の判断が、タイミングの根拠になる。

繰り返さないための会社の選び方

見る所何が分かるか
残業の実態(面接で月の平均を聞く・口コミ)前の会社と同じ量なら、同じことが起きる
評価の仕組み(数字だけか・過程も見るか)数字だけの評価で崩れた人は、過程を見る会社を
休みの取りやすさ(有給の消化率)通院と休養が取れるか
上司との面談の頻度早く相談できる仕組みがあるか
産業医・カウンセラーの有無崩れかけた時の受け皿
前の会社で崩れた原因人か、量か、内容か。同じ要素がある会社を避ける

前の会社で崩れた原因を1つ特定して、それがない会社を選ぶ。年収や知名度より、その1点を優先する。

相談先

状況相談先
オープンかクローズか迷う主治医。就労移行支援事業所(利用には条件がある)
障害者雇用を考えるハローワークの専門援助部門、就労移行支援
伝えた後に不利な扱い都道府県労働局の総合労働相談コーナー
転職活動中に体調が揺れる主治医。活動を一時止める判断も

よくある質問

クローズで入って、入社後に伝えてもいいか

いい。入社後に通院や配慮が要る状態になったら、その時点で人事に伝える。入社後に伝えたことで、解雇や不利益な扱いをすることは禁止されている。

障害者手帳を持っているが、一般雇用でクローズで受けたい

できる。手帳の有無を会社に伝える義務はない。ただし、手帳を使った配慮(障害者雇用の枠・助成)は受けられない。

うつ病の経歴を、志望動機や自己PRに書くべきか

書かない。志望動機と自己PRは、仕事の話で書く。病歴は、聞かれた時と、配慮を頼む時だけ。

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