内定通知書に「年収480万円」とある。月給はいくらか。ボーナスは入っているのか。入っているなら、1年目からもらえるのか。現職は年収450万円だが、月給は今より下がるのではないか。
先に言う。提示年収は、月給×12にボーナスの想定額を足した数字だ。ボーナスは業績と査定で動き、1年目は満額出ない。内訳を聞かずに承諾するな。提示年収の作り方、ボーナスが確定でない理由、1年目に出ない理由、内訳の聞き方、現職との比べ方、求人票の読み方、実際と違った時を書く。
先に一文で。転職の提示年収は月給×12に賞与の想定支給月数を足した理論年収で示されることが多く、賞与は業績と査定で動いて1年目は査定期間の按分や寸志で満額出ないので、承諾の前に月給・賞与の算定の仕方と想定月数・直近3年の実績・1年目の見込みを人事に聞き、現職とは月給どうしと1年目の実際の見込み額と手取りで比べ、内定通知書と労働条件通知書の数字が合うかを見るのが正解だ。
この記事の要点
- 提示年収=月給×12+賞与の想定
- 賞与は確定でない。1年目は満額出ない
- 内訳と1年目の見込みを聞く
- 月給どうしと手取りで比べる
提示年収の作り方
| 部分 | 中身 | 確定か |
|---|---|---|
| 月給×12 | 基本給+固定の手当(役職手当・固定残業代など) | 確定 |
| 賞与の想定 | 年◯回、合計◯か月分の想定 | 確定でない。業績と査定で動く |
| 変動の手当 | 残業代(固定でない分)、インセンティブ | 含まれないことが多い。含まれていたら要注意 |
これを「理論年収」と呼ぶ。月給30万円で賞与が年4か月分なら、30×12+30×4=480万円。提示の480万円のうち120万円は、まだ確定していない。
ボーナスが確定でない理由
| 要因 | 起きること |
|---|---|
| 業績連動 | 会社の業績が悪い年は支給月数が減る。0になる会社もある |
| 査定 | 評価が低いと、同じ等級でも減る |
| 支給月数の幅 | 求人票の「賞与年2回(4か月分)」は、直近の実績か、規定の上限かで意味が違う |
| 固定残業代の混入 | 提示年収に固定残業代が入っていると、残業しなくても年収は同じだが、月給の見え方が変わる |
1年目に出ない理由
| 理由 | 中身 |
|---|---|
| 査定期間 | 例えば4〜9月の働きを12月に支給。7月入社なら、査定期間の半分しか在籍していない |
| 按分 | 在籍期間に応じて減額。半分の在籍なら半分 |
| 査定対象外 | 入社から◯か月未満は対象外、として寸志(数万円)だけ |
| 試用期間 | 試用期間中は賞与の対象外とする会社がある |
入社から半年〜1年は、提示年収の賞与部分が丸ごと入らない可能性がある。1年目の年収は、提示年収より賞与分だけ低くなると考えて、生活費を組む。1年目の査定期間の仕組みはボーナスが満額もらえない入社1年目に書いた。
内訳の聞き方
オファー面談か、内定通知への返信で聞く。
ご提示いただいた年収について、内訳を確認させてください。
1.月給の額と、そのうち固定の手当(固定残業代を含む)の内訳
2.賞与の算定の仕方(基本給の◯か月分・業績連動の有無)と、ご提示の年収で想定されている支給月数
3.直近3年の実績の支給月数
4.初年度の賞与は、入社時期から見てどの程度の見込みか
お手数ですが、ご教示いただけますと幸いです。
聞くことで印象が落ちることはない。条件を確かめる人は普通だ。オファー面談で聞くことの全体はオファー面談で聞くことリストに書いた。
現職との比べ方
| 順 | 比べ方 |
|---|---|
| 1 | 月給どうし。基本給と固定の手当を、それぞれ |
| 2 | 賞与を、提示の想定月数でなく、直近3年の実績月数で置き直す |
| 3 | 1年目の按分を引いて、1年目に実際に受け取る見込み額を出す |
| 4 | 社会保険料と税金を引いた手取りで比べる |
| 5 | 固定残業代の有無と時間。現職に残業代が別で付いているなら、その分も |
額面の年収だけで比べると、月給が下がって賞与の想定が上がった提示を「上がった」と読む。月給が下がれば、毎月の生活費と、賞与がゼロの年の年収が下がる。
求人票の読み方
| 表記 | 意味 |
|---|---|
| 年収400〜600万円 | 幅の下が、あなたの提示になりやすい。上は経験者の上限 |
| 想定年収◯万円(賞与含む) | 理論年収。賞与の想定月数を聞く |
| 月給◯万円〜、賞与年2回 | 賞与の月数が書いてなければ、実績を聞く |
| 年俸◯万円 | 賞与がなく12分割か、14〜16分割で一部を賞与のように払う。分割数を聞く |
| 賞与は業績による | 0の年があり得る |
面接で年収の条件を聞かれた時の答え方は面接で年収の条件を聞かれた時の答え方に書いた。
提示年収と実際が違った時
| 状況 | やること |
|---|---|
| 内定通知書と労働条件通知書の額が違う | 承諾前に確認。通知書の方が正式。線は内定通知書の労働条件が違うに書いた |
| 入社後に賞与が想定より少ない | 想定の月数と実績の差は、業績と査定の範囲なら契約違反ではない。1年目の按分は事前に聞いていれば驚かない |
| 月給が提示と違う | 契約違反になり得る。労働条件通知書を持って人事へ |
提示年収の賞与部分を上げてほしいなら、承諾前の交渉で月給の方を上げる方が確実だ。メールでの交渉の型は転職の年収交渉メール例文に書いた。
よくある質問
現職のボーナスをもらってから辞めた方がいいか
現職の賞与の支給日と、転職先の入社日の調整の話だ。支給日の後に退職を伝えても、支給済みの賞与は返さなくていい。入社日を1〜2か月ずらせるかを転職先に聞く。
提示年収に残業代は含まれているか
固定残業代(みなし残業)が月給に含まれていることがある。「月給30万円(固定残業代◯時間分◯万円を含む)」の形。含まれていれば、その時間までの残業では月給は増えない。内訳で確かめる。
賞与なしの会社は、年収が低いのか
月給に賞与分が乗っていれば、年収は同じで毎月の手取りが多い。賞与が業績で消えるリスクがないという見方もある。月給どうしで比べる。
転職の資料をLINEで無料配布中
提示年収の内訳を聞くメールの型と、現職と転職先を月給・賞与実績・1年目見込み・手取りで並べて比べる表を公式LINEで無料配布している。年収の数字は、内訳を分けてから比べる。



