初めてのボーナス支給日。同僚は満額の話をしているのに、自分の明細は寸志程度だった。中途は舐められているのか。
舐められていない。賞与は査定期間の在籍で計算される後払いで、1年目の少なさは仕組みの結果だ。満額になる時期の読み方まで書く。
先に一文で。入社1年目のボーナスが満額でないのは、査定期間の在籍月数で按分計算されるためで、査定期間にフル在籍した回から満額の土俵に乗る。
この記事の要点
- 賞与は査定期間(支給の半年前あたり)の在籍と評価で決まる
- 途中入社は在籍月数の按分か寸志。冷遇ではなく計算式だ
- 満額の土俵は、査定期間にフル在籍した最初の賞与から
- 転職時は、1年目の賞与の扱いをオファー段階で確認する
仕組み。ボーナスは半年前の後払いだ
多くの会社の賞与はこう決まっている。
- 夏の賞与|前年10月〜3月ごろの査定期間の在籍・評価をもとに計算
- 冬の賞与|4月〜9月ごろの査定期間をもとに計算
つまりボーナスは、支給日の半年前の働きへの後払いだ。査定期間の途中で入社した人は、その期間の一部しか在籍していないので、計算上こうなる。
- 按分支給|在籍月数÷査定期間で割った額
- 寸志|査定不能として、数万円〜の一時金
- 支給なし|査定期間の在籍がゼロの場合
どれになるかは賞与規程で決まっている。あなたの評価が低いのでも、中途が軽んじられているのでもない。査定期間の詳しい区切りは冬のボーナスの査定期間はいつかで書いた。
満額になる時期の読み方
自分の満額初回を読む式は簡単だ。
- 会社の査定期間を確認する(賞与規程か先輩・人事に聞く)
- 自分の入社日が、どの査定期間からフルに在籍になるかを見る
- その査定期間に対応する賞与が、評価ベースの満額の土俵に乗る最初の回だ
例えば4月入社で、夏賞与の査定が10月〜3月、冬賞与の査定が4月〜9月の会社なら、入社年の冬賞与から満額の土俵に乗る。1月入社なら、翌年の夏賞与からになる。中途入社の実感としては、入社2〜3回目の賞与でようやく満額というのが標準の景色だ。
なお満額の土俵に乗っても、額は評価で上下する。土俵に乗ることと、高い評価を取ることは別の勝負になる。
転職前の人へ。オファー段階で確認する3点
これから転職する人は、この仕組みをオファー面談での確認項目に変えてほしい。
- 査定期間と支給月。自分の入社日でどの賞与から満額の土俵かが計算できる
- 1年目の扱い。按分か寸志か。会社によっては初年度年収の保証や、入社一時金での調整もある
- 提示年収の内訳。賞与何ヶ月分が織り込まれているか。1年目は賞与が欠ける分、提示年収に実際は届かないことが普通に起きる。これを知らずに家計を組むと狂う
前職のボーナスをもらってから辞める時期の組み方は転職が決まった時のボーナスの逃さない辞め方で書いた。前職の冬賞与と新会社の満額時期をつなげて考えると、転職の1年目の収入は精密に読める。
初回賞与が想定より少ない時に見る場所
按分のはずなのに計算が合わない、と感じたら見る場所は2つだ。
- 賞与規程の支給条件。支給日在籍要件(支給日に在籍していること)、査定期間の定義、按分の計算式
- 雇用契約書・オファーレターの記載。「賞与は業績・評価により支給」とだけあるなら、額の保証はない建て付けだ
規程と照らして明らかに合わなければ、人事に計算根拠を聞いていい。額面から税と保険料も引かれるので、想定との差が手取りの話ならボーナスの手取り計算で確認してからにする。
よくある誤解
「1年目に寸志だった会社は、ずっと賞与が渋い」。初回の寸志は査定の仕組みの話で、会社の賞与水準とは別の情報だ。会社の水準を見るなら、同僚の満額支給の月数(基本給の何ヶ月分か)と、業績連動の振れ幅を聞く方が正確になる。
「賞与の少なさに文句を言うと、評価に響く」。計算根拠の確認は文句ではなく、規程に基づく正当な質問だ。むしろ数字の根拠を冷静に確認できる人は、経理や人事から見て扱いやすい社員に映る。感情でなく規程で話せば、何も失わない。
よくある質問
試用期間中は賞与の査定に入りますか?
会社の規程次第だが、試用期間も在籍としてカウントする会社が多い。試用期間=査定除外と思い込まず、規程の在籍の定義を確認する。
1年目の賞与が少ない分、年収を上げる交渉はできますか?
オファー段階ならできる。1年目の賞与欠けを理由に、基本給の上乗せ・入社一時金・初年度年収保証を打診するのは合理的な交渉だ。入社後に遡って求めるのは難しいので、タイミングはオファー面談の一択になる。
年収の資料をLINEで無料配布中
転職1年目の収入シミュレーション表(賞与の按分計算欄つき)を公式LINEで無料配布している。初回の少なさは仕組みだ。読めていれば、明細の前で凹まない。

