内定が近い。だが、転職先が前の会社に問い合わせると聞いた。何を聞かれるのか。前の会社は何を答えるのか。在職中の会社に電話が行ったら、転職活動がバレる。勝手に調べるのは、違法ではないのか。

先に言う。前職調査は、本人の同意なしには行えない。同意を取った上で、前の会社に在籍と役職と勤務態度を聞く。在職中の会社に、内定前に電話が行くことはない。心配は、経歴の嘘がある人だけだ。前職調査とは、同意なしは違法か、リファレンスチェックとの違い、どこまで聞かれるか、前の会社が答える範囲、在職中の会社への連絡、行う会社、嘘がある時、同意の判断、落ちる場合を書く。

先に一文で。前職調査は応募者の在籍期間・役職・業務・退職理由・勤務態度を前の会社に確認する行為で、個人情報保護法により本人の同意なしには行えず、同意は書面かメールで求められ条件(現職には連絡しない・退職を伝えた後に)を付けられ、前の会社が答えるのは在籍と役職と業務の事実までが多く、在職中の会社に内定前に連絡が行くことはなく、行うのは金融・外資・管理職採用が中心で、経歴に嘘がなければ困ることはなく、嘘があれば在籍期間と役職のずれで分かるのが正解だ。

この記事の要点

  • 同意なしの調査は行えない
  • 聞かれるのは在籍・役職・業務・退職理由・態度
  • 前の会社は事実までしか答えないことが多い
  • 在職中の会社に内定前の連絡はない

前職調査とは

転職先が、応募者の経歴が事実かを、前の会社に問い合わせて確かめる行為だ。履歴書と職務経歴書に書いた在籍期間、役職、担当業務が本当か、退職の理由は何か、勤務態度はどうだったか。

行う会社は限られる。金融、外資、管理職や役員の採用、現金や機密を扱う職種で行われることが多い。一般の中途採用で行う会社は少ない。

同意なしの調査は違法か

前職調査は、応募者の個人情報を第三者(前の会社)から取得する行為だ。個人情報保護法で、本人の同意なしに第三者から個人情報を取得することは制限されている。前の会社の側も、本人の同意なしに元社員の情報を第三者に渡すことは制限される。

だから、まともな会社は、選考の途中か内定の前に、「前職への確認を行うことに同意しますか」と書面かメールで聞いてくる。同意しない権利はある。ただし、同意しないと選考が進まない会社もある。

同意なしに前の会社に電話する会社は、違法になり得る行為をしている。その会社は、入社後のあなたの個人情報も同じ扱いをする。

リファレンスチェックとの違い

前職調査リファレンスチェック
誰に聞くか転職先が前の会社(人事や上司)に直接本人が指定した推薦者(前の上司・同僚)に、転職先か代行会社が聞く
本人の関わり同意するだけ推薦者を自分で選んで依頼する
聞く内容在籍・役職・退職理由・勤務態度働き方・強み・改善点・一緒に働いた印象
主な目的経歴の事実確認人物と働き方の確認

リファレンスチェックは、本人が推薦者を選ぶので、内容を予測できる。線はリファレンスチェックとはに書いた。前職調査は、転職先が前の会社の誰に聞くかを決めるので、予測しにくい。ただし、前の会社が答える範囲は限られる。

どこまで聞かれるか

項目聞かれるか
在籍期間聞かれる。履歴書との一致
役職・職位聞かれる
担当業務聞かれる
退職理由聞かれる。前の会社が答えるかは別
勤務態度・評価聞かれることがある。前の会社が答えないことが多い
再雇用の意向(もう一度雇いたいか)聞かれることがある
病歴・休職聞くこと自体が問題になる。答える会社はほぼない
年収聞かれることは少ない。源泉徴収票で分かる

前の会社が答える範囲

前の会社の側も、元社員の情報を第三者に渡すことに慎重だ。

答える答えない
在籍期間(◯年◯月〜◯年◯月に在籍していた)評価の中身
役職と部署病歴・休職の理由
退職の事実人間関係の詳細
退職理由(自己都合か会社都合か)個人的な感想

大手ほど、「在籍と役職の事実のみ回答する」という運用にしている。前の上司に直接電話が行き、上司が個人的に話すこともあるが、それは前の会社の運用の問題だ。

在職中の会社に連絡が行くか

時期連絡
選考中・内定前行かない。転職活動が現職に伝わることを、転職先も分かっている
内定後、本人が現職に退職を伝える前行かない。同意の時に「現職への連絡は退職を伝えた後に」と条件を付ける
内定後、退職を伝えた後同意の上で、行う会社がある
入社後経歴の確認として行う会社がある

同意を求められた時に、「現職への連絡は行わない」「連絡する場合は、私が退職を伝えた後に」と条件を付ける。書面に明記してもらう。在職中の転職活動がバレる経路の全体は別記事に書いた。前職調査は、同意の条件で防げる経路だ。

どんな会社が行うか

会社行う理由
金融・保険・証券現金と信用を扱う。経歴と信用の確認
外資本国の採用の慣習。リファレンスチェックと合わせて
管理職・役員の採用経歴の重さ。実績の確認
警備・現金輸送・機密を扱う職種信用の確認
一般の中途採用少ない。行っても在籍の確認程度

経歴に嘘がある時に起きること

嘘分かり方
在籍期間を延ばした前の会社の在籍記録と一致しない
役職を上げた役職の確認で分かる
短期の在籍を消した雇用保険の記録と、源泉徴収票で分かる。前職調査でなくても分かる
退職理由を変えた(解雇→自己都合)前の会社が答えれば分かる。離職票にも記載がある
契約社員を正社員と書いた雇用形態の確認で分かる。線は契約社員だったことは転職先にバレるかに書いた

分かった時は、内定取り消しや、入社後の懲戒の根拠になる。嘘がバレる経路の全体は転職の面接で嘘をついたらバレるかに、エージェント経由の場合はエージェントに経歴の嘘はバレるかに書いた。

同意を求められた時の判断

状況判断
経歴に嘘がなく、前の会社と関係が悪くない同意していい。条件(現職には連絡しない)を付ける
前の会社と関係が悪い(ハラスメントで辞めた等)同意した上で、「前の会社の◯◯部の上司とは関係が良くなかった。人事への確認をお願いしたい」と伝える。転職先はその事情を含めて聞く
前の会社が倒産・廃業その事実を伝える。調査は行われない
同意したくない断れる。ただし選考に影響することはある。理由を聞かれたら、事実で答える

同意の書面に何が書いてあるか(誰に・何を・いつ聞くか)を読んでから署名する。

調査で落ちる場合

前職調査で落ちるのは、経歴の嘘が見つかった時と、前の会社から重大な問題(懲戒解雇・横領など)が伝わった時だ。前の上司との相性が悪かった、評価が普通だった、で落ちることは、まれだ。転職先は、前の会社の一人の意見で判断しない。

よくある質問

前の会社に、前職調査があるかもしれないと伝えておくべきか

伝えなくていい。伝えるなら、円満に辞めた前の上司か人事に「転職先から在籍の確認が来るかもしれない」と一言。関係が良ければ、その方がスムーズだ。

前職調査の結果を、本人は見られるか

見られないことが多い。開示を求める権利はあるが、転職先が応じるかは別。落ちた時に理由は聞けない。

探偵や調査会社を使う前職調査はあるか

かつてはあったが、個人情報保護法の施行後は、本人の同意なしの調査は行われにくくなった。行う会社は、その時点で法令の意識が低い会社だ。

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