派遣で1年働いた。仕事は増えた。時給は同じだ。上げてほしいが、派遣は交渉できないと思っている。言い方が分からない。

先に言う。時給交渉は、金額と根拠を1文で言う。派遣でも交渉はでき、相場は1回10〜50円、タイミングは更新の1ヶ月前。言い方、例文、失敗する言い方、断られた時の選択を書く。

先に一文で。派遣の時給交渉は契約更新の1ヶ月前に派遣会社の担当へ、上げたい金額と根拠(担当業務の増加・募集時給との差・勤続)と相談の余地を1文で伝えるもので、相場は1回10〜50円なので回数を重ね、断られたら同じ派遣会社の別案件か他社の同職種の時給と比べて動くのが正解だ。

この記事の要点

  • 派遣でも交渉できる。相手は派遣会社の担当で、派遣先ではない
  • 相場は1回10〜50円。100円以上は募集時給との差か人手不足の時だけ
  • タイミングは更新の1ヶ月前と、就業前の契約直前
  • 言い方は、金額・根拠・相談の余地を1文で。事情と比較と脅しは失敗する

交渉の相手と仕組み

派遣の時給は、派遣先が派遣会社に払う単価から、派遣会社の取り分(3割前後)を引いた額だ。時給を上げるには、派遣会社が派遣先に単価の引き上げを頼むか、派遣会社の取り分を減らすかのどちらかで、交渉の相手は派遣会社の担当になる。派遣先に直接言わない。

上がる相場

状況上げ幅の目安
通常の更新時の交渉10〜50円
担当業務が明確に増えた30〜50円
同じ職場の新しい募集の時給が自分より高い差額まで(50〜100円以上)
最低賃金の引き上げ・人手不足で相場が動いた50〜100円
就業してすぐ、実績なし0円

派遣業界の解説が揃って書くのは、成功した人の8割が50円以下で、100円以上は条件が揃った時だけ、ということだ。上げ幅より、上がる回数で見る。年2回の更新で毎回30円上がれば、2年で120円だ。

タイミング

時期通りやすさ
契約更新の1ヶ月前最も通りやすい。派遣会社が派遣先と更新の条件を詰める前
就業前の契約の直前通りやすい。単価を決める段階
更新の直前・更新後次の更新まで動かない
就業直後通らない。実績がない

更新の1ヶ月前に、派遣会社の担当との定期の面談か、メールで伝える。

言い方。3点を1文で

要素中身
金額「50円」「1,500円」と具体的に。「上げてほしい」だけでは動かない
根拠担当業務が増えた(具体的に何が)、同じ職場の募集時給との差、勤続と評価
相談の余地「ご相談できる余地はありますか」。決めつけず、担当が派遣先に持っていきやすい形に
次回の更新にあたり、時給についてご相談させてください。この半年で◯◯と◯◯の業務を追加で担当しており、同じ部署の新規募集の時給が1,500円と伺いました。現在の1,400円から1,500円程度までご相談できる余地はありますでしょうか。

メールなら、件名は「契約更新時の時給についてのご相談」。この1文に、金額・根拠・余地が入っている。

失敗する言い方

言い方なぜ通らないか
「生活が苦しいので上げてほしい」自分の事情は、派遣先が単価を上げる理由にならない
「他の人より働いているのに」比較は、派遣先の評価と食い違うと逆効果
「上げてくれないなら辞めます」最初から脅すと、担当が動かない。切り札は最後に、静かに使う
「いくらでもいいので少しでも」金額がないと、10円で終わる

断られた時の選択

  1. 理由を聞く。派遣先の予算か、派遣会社の取り分か、評価か。理由で次が変わる
  2. 同じ派遣会社の別案件。同じ職種で時給が高い案件があれば、担当に移れるかを聞く
  3. 他の派遣会社の同職種の時給を見る。複数の派遣会社に登録して、相場を知る。他社の時給を根拠に再交渉できる
  4. 正社員の道。派遣で時給を積むより、正社員で基本給と昇給を取るほうが早いこともある。派遣から正社員になれた人の道

契約の途中で辞めたくなった時の扱いは派遣を契約期間中に辞めたいに書いた。正社員の年収交渉との共通点は年収交渉はいくら上げられるか、交渉の時期の一般論は給与交渉のタイミングへ。

3分で診断市場価値診断——今の職種と経験で、派遣の時給相場と正社員の年収相場を先に見る。

よくある質問

同一労働同一賃金で、派遣の時給は自動的に上がりますか?

派遣会社が労使協定方式を取っている場合、職種と地域と経験年数で決まる基準の時給以上にする義務がある。経験年数が上がると基準も上がるので、更新時に「労使協定の基準で、私の経験年数だといくらになりますか」と聞くと、根拠になる。

交渉したことで、更新を切られませんか?

通常はない。相談の形で伝えれば、断られても更新は続く。脅しの形で伝えると、派遣先との関係を担当が心配して、更新に影響することはある。

時給交渉を、派遣先の上司に直接言ってもいいですか?

言わない。派遣先は単価を派遣会社と決めており、あなたの時給を直接決めていない。派遣先に言うと、派遣会社との関係が崩れる。

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