内定の後で「バックグラウンドチェックへの同意」を求められた。反社チェックという言葉も出てきた。何を調べられるのか、過去の転職回数や休職や借金まで見られるのか、拒否したらどうなるのかが分からない。
調べられるのは公開情報と経歴の一致だ。調べられるのは公開情報と経歴の一致。隠さず、SNSと経歴を揃えておく。反社チェックとバックグラウンドチェックの中身、落ちる3つの理由、同意と拒否、内定取消の条件と対策を書く。
先に一文で。反社チェックはデータベース・報道・官報・SNSとの照合で一般の会社員はほぼ該当せず、バックグラウンドチェックは経歴の一致・破産や訴訟の公開記録・SNS・報道歴・資格を調べ、落ちるのは経歴の虚偽・SNSの誹謗・犯罪報道の3つで、転職回数や休職や借金は理由にならず、同意は拒否できるが選考が止まり、内定取消は虚偽など合理的な理由がある時だけだ。
この記事の要点
- 反社チェック|データベース・報道・官報・SNSの照合。一般の会社員はほぼ該当しない
- バックグラウンドチェック|経歴の一致、破産・訴訟の記録、SNS、報道歴、資格
- 落ちる3つ|経歴の虚偽、SNSの誹謗・機密漏洩、犯罪報道
- 調べられない|犯罪歴の直接照会、信用情報、病歴・思想。同意は必要、取消は合理的理由のみ
反社チェックとバックグラウンドチェックの違い
| 反社チェック | バックグラウンドチェック | |
|---|---|---|
| 目的 | 反社会的勢力との関係の確認 | 経歴と信用の確認 |
| 調べる | 反社データベース、報道記事、官報、SNS | 学歴・職歴の一致、破産・訴訟の記録、SNS、報道歴、資格、役員登記 |
| 行う業種 | 金融・不動産・建設・上場企業・公的委託 | 外資・金融・管理職や役員の採用 |
| 一般の会社員 | ほぼ該当しない。同姓同名は本人確認で解消 | 経歴の一致が主 |
| 同意 | 応募時の誓約書 | 同意書が要る |
バックグラウンドチェックで調べる項目と、調べられない項目
| 調べる | 調べられない(会社に権限がない・法で制限) |
|---|---|
| 職歴|在籍期間・役職・雇用形態が職務経歴書と一致するか(在籍確認) | 警察の犯罪歴の直接照会 |
| 学歴|卒業証明書 | 信用情報機関の借入・延滞(採用目的では使えない) |
| 破産・民事再生・訴訟の公開記録(官報・裁判記録) | 病歴・障害(職業安定法で収集制限) |
| SNSの公開投稿 | 思想・信条・宗教・支持政党 |
| 報道歴(犯罪・不祥事の実名報道) | 家族の職業・出身地 |
| 資格の真偽、企業の役員登記 | ― |
転職回数・休職歴・借金の有無・離婚は、落ちる理由にならない。聞かれても答える義務がない項目もある(休職を転職で伝えるかの記事)。
落ちる3つの理由
- 経歴の虚偽|在籍期間の水増し(空白を埋めるために退職日をずらす)、役職の誇張、学歴詐称、契約社員を正社員と書く。在籍確認と源泉徴収票・退職証明書で見つかる
- SNSの投稿|前職や顧客の誹謗、差別的な発言、機密や個人情報、違法行為をほのめかす投稿
- 報道歴|犯罪や不祥事の実名報道
空白期間は埋めずに理由を書く(空白期間の説明の仕方の記事)。退職理由の書き方は職務経歴書の退職理由の書き方の記事で書いた。
リファレンスチェックとの違い
リファレンスチェックは、前職の上司や同僚に、本人の同意の上で仕事ぶりを照会するもの。バックグラウンドチェックは公開情報と書類の照合で、人に聞くのはリファレンスのほうだ。両方行う会社もある。リファレンスの推薦者は自分で選べるので、事前に依頼しておく(リファレンスチェックの記事)。
対策
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| 経歴を書類と一致させる | 在籍期間・役職・雇用形態を、源泉徴収票・退職証明書・雇用保険の記録と合わせる |
| SNSを整理する | 実名で検索して出る投稿、前職・顧客に関する投稿を非公開に。削除は不要 |
| 資格の証明書を用意する | 合格証・登録証のコピー |
| 同意書を読む | 調査の範囲を確認。信用情報・病歴・思想は対象外。範囲外の項目があれば聞く |
隠したいものがないなら同意する。拒否はできるが、選考が止まる。
内定取消になる条件
内定は労働契約の成立で、取消には客観的に合理的で社会通念上相当な理由が要る。虚偽申告(経歴・学歴・資格)、重大な非行(犯罪)、健康状態の重大な虚偽が該当し、転職回数や休職歴、借金を理由にした取消は不当で争える。取消を通知されたら、理由を書面で求め、労働局の相談窓口か弁護士に相談する。
私は4回の転職で、外資系ではないのでバックグラウンドチェックは受けていないが、職務経歴書の在籍期間は源泉徴収票と合わせて書く癖を最初の転職で付けた。1社目を1年以内に辞めた事実も、隠さずに書いた。書類と事実が揃っていれば、調査は通る。
よくある誤解
「転職回数が多いと調査で落ちる」。落ちるのは虚偽・誹謗・犯罪報道。回数そのものは理由にならない。
「借金や信用情報まで見られる」。信用情報機関の記録は採用目的では使えない。見られるのは破産・訴訟の公開記録だけだ。
よくある質問
同意を拒否したら不採用になりますか?
拒否を理由に不採用にすること自体は違法ではなく、実際には選考が止まる。調査の範囲が法で制限された項目(病歴・思想など)を含むなら、その項目を外すよう求められる。
前職を短期で辞めたことを職務経歴書から省いていいですか?
省くと在籍確認と雇用保険の記録でずれが出て、虚偽扱いになる。短期でも書き、理由を1行添える。
転職の資料をLINEで無料配布中
職務経歴書の在籍期間・役職を源泉徴収票と照合するチェック表と、SNSの整理項目、同意書の確認項目を並べた記入表を公式LINEで無料配布している。隠さず、揃えて出そう。


