面接で「退職理由を教えてください」と聞かれる。本当の理由は給与と残業と上司だが、そのまま言えば悪口になる。きれいに言えば嘘になる。どう答えれば不利にならないのかが分からない。

事実と、動いたことと、次の条件。退職理由は事実+自分で動いたこと+次で満たす条件。3つ揃えば不利にならない。答えの型と、理由別の例文7つと、深掘りへの返しと、転職回数が多い人の答え方を書く。

先に一文で。退職理由は「事実を短く+自分で動いたこと+次の会社で満たしたい条件」の型で答え、給与・残業・人間関係・評価・将来性・体調・家庭の7つの理由ごとに例文があり、悪口・全部他責・嘘・曖昧の4つは避け、深掘りには事実をもう1段具体的にして返し、転職回数が多い人は共通する軸で一本にまとめる。

この記事の要点

  • 型|事実(1〜2文)+自分で動いたこと+次で満たす条件(志望動機につなぐ)
  • 面接官が見るのは、また辞めないか・他責でないか・隠していないか
  • NG|前職の悪口、全部環境のせい、嘘、一身上の都合
  • 転職回数が多い人は、1社ごとでなく共通の軸で一本に

面接官が退職理由で確かめている3つ

確かめていること答えで示すこと
同じ理由でまた辞めないか次の会社で満たされる条件を、確認済みで言う
他人や環境のせいにする人でないか自分で動いたことを入れる
事実を隠していないか事実を短く、具体的に言う

退職理由の1位は労働時間、転職したい理由の1位は賃金で、面接官も分かっている(最初の会社を辞めた人は42.7%のデータ記事)。理由そのものより、言い方で判断される

理由別の例文

1、給与

「前職は年功序列の給与体系で、成果と評価が連動しない制度でした。評価制度の見直しを部門に提案し、一部は採用されましたが、給与への反映は変わりませんでした。成果が給与と評価に反映される御社の制度で、数字で貢献したいと考えています」

2、残業

「月60時間の残業が2年続き、業務の棚卸しと分担の見直しを上司に出しましたが、人員の補充がなく改善しませんでした。残業30時間以内という御社の環境で、限られた時間で成果を出す働き方をしたいです」

3、人間関係

「直属の上司と業務の進め方の方針が合わず、担当の変更を人事に相談しましたが、部署の規模上難しいという回答でした。方針の違いを事実として受け止め、チームで進め方を共有する文化のある御社で働きたいと考えました」(事実は1つに絞る。詳しくは面接で人間関係の退職理由を言い換える記事

4、評価・昇進

「昇進の基準が明文化されておらず、何をすれば次の役職に上がるかを上司に確認しましたが、明確な答えがありませんでした。等級と評価基準が公開されている御社で、基準に沿って成果を積みたいです」

5、会社の将来性

「主力事業の売上が3年で3割減り、新規事業も停止になりました。事業の再建に関わる提案もしましたが、方針として縮小が決まったため、成長している領域で経験を活かしたいと考えました」(数字で言う。感想で言わない)

6、体調

「業務量の増加で体調を崩し、3ヶ月休職して療養しました。現在は医師から通常勤務が可能と判断されています。再発を防ぐために、残業時間と業務量が管理されている環境を選んでいます」(回復済みであることと、再発防止の働き方を言う。休職を転職で伝えるかの記事

7、家庭の事情

「親の介護で実家の近くに転居する必要があり、通勤圏の会社を探しています。介護の体制は整えており、今後の勤務条件は御社の規定の範囲で問題ありません」(今後の勤務条件を明確に。親の介護で仕事を辞める前にの記事

言ってはいけない4つ

NGなぜ言い換え
前職・上司の悪口次も同じことを言う人と見られる状況の説明に変える。人でなく制度・方針で言う
全部環境のせい他責自分で動いたことを1つ入れる
リファレンスチェックや雑談で崩れる事実を短く。言わなくていいことは言わなくていい
「一身上の都合」で終える隠していると見られる型に沿って1つ言う

深掘りへの返し

質問返し方
本当の理由は?同じ答えを繰り返さず、事実をもう1段具体的に(月60時間→繁忙期80時間、健診で指摘)
残る選択肢はなかったのか動いたことと変わらなかった事実→「残る選択肢も検討した上で、次の環境のほうが成果を出せると判断した」
同じことが起きたら?次の会社で確認済みの条件を挙げ、「その条件を面接でも確認させていただいた上で応募している」
前の会社に不満はなかったのか「学んだこと」を1つ言ってから、辞めた判断の理由を言う

転職回数が多い人の答え方

1社ごとに理由を並べない。共通する軸で一本にまとめる。「1社目は労働環境、2社目は事業の縮小で、3社目からは自分で選ぶ軸を「成果が評価される制度」に絞って選んでいます。御社はその軸に合うと判断して応募しました」。回数でなく軸の一貫性を見せる。1社目を1年以内に辞めた人は、辞めた理由より、その後にどう動いて何を得たかを厚く話す。職務経歴書での書き方は職務経歴書の退職理由の書き方の記事で書いた。

私は4回転職している。1社目のブラック企業の退職理由は、「残業代の未払いと休日出勤が続く環境で、労働条件が守られる会社に移りたかった」と事実で短く言い、その後のWebスクールと未経験転職の話に時間を使った。面接官が聞きたいのは、辞めた理由の詳細でなく、辞めた後に何をしたかだった。

よくある誤解

「本当の理由を言うと落ちる」。落ちるのは言い方が悪口か他責の時。事実を短く、動いたことと次の条件を足せば、給与も残業も理由として通る。

「きれいな理由を作れば安全」。嘘は雑談とリファレンスで崩れる。事実の中から、言う部分を選ぶ。

反社チェックとバックグラウンドチェック

反社チェックはデータベース・報道・官報・SNSとの照合で一般の会社員はほぼ該当せず、バックグラウンドチェックは経歴の一致・破産や訴訟の公開記録・SNS・報道歴・資格を調べる。落ちるのは経歴の虚偽・SNSの誹謗・犯罪報道の3つで、転職回数や休職や借金は理由にならず、内定取消は虚偽など合理的な理由がある時だけ。調べられる項目と対策は転職の反社チェックとバックグラウンドチェックの記事で書いた。

よくある質問

退職理由と志望動機は同じ内容でいいですか?

つなげる。退職理由の3つ目(次で満たしたい条件)が、そのまま志望動機の入口になる。別々に作ると矛盾が出る。

在職中の面接で「まだ辞めていない理由」を聞かれました

「引き継ぎと業務の区切りを付けてから辞める判断をしている」と、責任を持って辞める姿勢で答える。次が決まってから辞めるのは普通で、隠す必要はない。

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