最初の会社を1年で辞めたい。でも辞める人は少数派で、自分だけが弱いのではないかと思う。転職したい理由が賃金なのも、動機として不純に思えて口に出せない。

最初の会社を辞めた人は42.7%。最初の会社を辞めた人は42.7%。辞めるのは多数派に近い。辞めた割合と理由、転職したい割合と理由を、学歴・年齢・雇用形態別に書く。

先に一文で。令和5年若年者雇用実態調査で最初の会社を辞めた若手は42.7%(大卒34.1%・高卒49.7%・非正規70.9%)、理由は労働時間28.5%・人間関係26.4%・賃金21.8%で1年未満は人間関係が1位、若手正社員の31.2%が転職を考え、理由は賃金59.9%・労働時間50.0%で、賃金の満足度はマイナスだ。

この記事の要点

  • 最初の会社を辞めた人|42.7%。大卒34.1%、高卒49.7%、専門卒54.7%、非正規70.9%
  • 辞めた理由|労働時間・休日28.5%、人間関係26.4%、賃金21.8%、仕事が合わない21.7%
  • 転職したい若手正社員|31.2%。20〜24歳35.0%、女性35.1%
  • 転職したい理由|賃金59.9%、労働時間・休日50.0%、仕事が合う会社41.9%

最初の会社で今も働いているか(在学していない若年労働者)

区分今も働いている辞めた
全体55.5%42.7%
男性59.4%38.6%
女性52.0%46.3%
大学院卒68.9%29.5%
大学卒64.5%34.1%
高専・短大卒52.2%45.3%
高校卒48.1%49.7%
専門学校卒43.9%54.7%
現在が正社員65.4%33.3%
現在が正社員以外26.0%70.9%
(参考)平成30年調査50.9%47.4%
(参考)平成25年調査51.8%47.2%

出典|厚生労働省 令和5年若年者雇用実態調査 個人調査(15〜34歳、有効回答13,218人)表16。以下同じ。

大卒でも3人に1人は最初の会社を辞めている。辞めた割合は10年前より5ポイント下がったが、少数派ではない。3年以内の離職率は大卒3年以内離職率のデータ記事で書いた。

最初の会社を辞めた理由(3つまでの複数回答)

理由全体男性女性正社員正社員以外
労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった28.5%27.2%29.5%33.3%21.8%
人間関係がよくなかった26.4%26.0%26.7%26.2%26.8%
賃金の条件がよくなかった21.8%23.5%20.4%25.9%15.9%
仕事が自分に合わない21.7%24.8%19.4%22.4%20.7%
ノルマや責任が重すぎた15.2%14.8%15.6%15.8%14.5%
結婚、子育てのため12.1%6.1%16.5%8.0%17.9%
会社に将来性がない11.5%14.3%9.4%14.4%7.5%
健康上の理由9.4%8.5%10.1%9.0%10.1%
自分の技能・能力が活かせられなかった6.9%8.6%5.7%7.6%6.0%
不安定な雇用状態が嫌だった5.8%5.0%6.3%6.0%5.4%
1つの会社に長く勤務する気がなかった5.5%4.9%5.9%4.6%6.7%

勤続1年未満で辞めた人は人間関係が1位、1〜10年未満は労働時間・休日が1位。年齢別では20〜24歳で仕事が合わない27.8%・人間関係30.0%・労働時間31.0%が並び、30〜34歳では労働時間28.6%・人間関係24.6%・賃金22.7%になる。全年代の転職理由は転職理由ランキングのデータ記事で書いた。

若手正社員の転職希望

区分転職したいと思っている思っていないわからない
全体31.2%30.3%37.8%
男性27.7%32.6%39.1%
女性35.1%27.8%36.4%
20〜24歳35.0%27.6%36.6%
25〜29歳33.4%27.2%38.7%
30〜34歳26.6%35.3%37.5%
(参考)平成30年調査27.6%33.2%38.0%
(参考)平成25年調査25.7%32.5%41.2%

転職したい若手は10年で5.5ポイント増え、3人に1人になった。「わからない」が4割いるので、転職したくないと言い切れる若手は3割しかいない。

転職したい理由(複数回答、転職したいと思っている若手正社員)

理由全体男性女性20〜24歳30〜34歳
賃金の条件がよい会社にかわりたい59.9%61.5%58.5%62.4%前後58.6%前後
労働時間・休日・休暇の条件がよい会社にかわりたい50.0%43.9%55.3%51.3%前後54.8%前後
仕事が自分に合った会社にかわりたい41.9%38.1%45.3%49.4%前後39.1%前後
自分の技能・能力が活かせる会社にかわりたい33.8%38.4%29.7%33.3%前後32.7%前後
将来性のある会社にかわりたい33.1%40.4%26.6%33.0%前後35.1%前後
人間関係のよい会社にかわりたい24.8%23.2%26.3%24.0%前後24.8%前後
健康上の理由、家庭の事情、結婚等18.4%12.9%23.3%18.3%前後19.8%前後
1つの会社で長く勤務する気はない17.9%17.6%18.2%21.6%前後15.0%前後
独立して事業を始めたい13.1%16.4%10.3%9.2%前後15.8%前後

年齢別は男女の値の平均で示した(原典は男女別に集計)。辞めた理由の1位は労働時間、転職したい理由の1位は賃金。実際に辞める時は時間と人間関係が引き金になり、考える段階では賃金が動機になる。賃金で転職するなら、職種と年代で伸びが違う(職種別・年代別の平均年収のデータ記事転職で年収が上がる割合のデータ記事)。

ここまでのまとめ

最初の会社を辞めた人|42.7%。大卒34.1%、高卒49.7%、専門卒54.7%、非正規70.9%

辞めた理由|労働時間・休日28.5%、人間関係26.4%、賃金21.8%、仕事が合わない21.7%

転職したい若手正社員|31.2%。20〜24歳35.0%、女性35.1%

卒業後1年間と、正社員以外の若手

項目数字
卒業後1年間に正社員として勤務した76.2%(大学86.7%、高校64.8%、専門78.9%)
正社員以外として勤務した19.2%
正社員以外だった理由元々正社員を希望していなかった19.6%、正社員求人に応募したが採用されなかった18.2%、希望する条件に合わなかった12.9%。大卒は採用されなかった37.0%
正社員以外の若手の今後の希望正社員として働きたい35.7%(男性44.0%・女性32.0%)、正社員以外で働きたい32.5%
職業生活の満足度(正社員)雇用の安定性+66.4ポイント、人間関係+57.3、仕事の内容+55.2、賃金−5.9

大卒で最初が非正規だった人の37%は、正社員に応募して落ちた人だ。非正規から正社員になる道は派遣から正社員になれた人の記事で書いた。

数字を自分の判断に使う

  1. 辞めたいのは弱さでなく多数派の入口。42.7%が最初の会社を辞め、31.2%が転職を考えている。判断は「辞めるべきか」でなく「どこへ移るか」に置く
  2. 1年未満で辞める理由が人間関係なら、次は人で選ぶ。労働時間で辞めるなら、次は年間休日と残業時間の数字で選ぶ(年間休日120日のデータ記事業界別の残業時間のデータ記事
  3. 賃金で転職するなら、伸びる職種を選ぶ。25〜29歳の差は小さく、45〜49歳で2倍開く

私は1社目が美容業界のブラック企業で、残業代なし・休日出勤・パワハラで1年以内に辞めた。表で言えば、労働時間と人間関係の両方が理由だった。当時は自分だけが続かないのだと思っていたが、同じ理由で辞めた人が4割いる。辞めた後にフリーターを挟んでWeb業界に移り、そこから4回の転職で年収と働き方を変えた。1社目を辞めることと、その後が決まらないことは別の話だ。1年で辞めた後の動き方は新卒半年で辞めたい時の記事20代後半の転職は遅いかの記事で書いた。

よくある誤解

「最初の会社を1年で辞めるのは少数派」。42.7%が辞め、1年未満で辞めた人の理由の1位は人間関係。少数派ではない。

「賃金を理由に転職するのは不純」。転職したい理由の1位が賃金で59.9%。正社員の満足度で唯一マイナスなのも賃金だ。

面接での退職理由の答え方

退職理由は「事実を短く+自分で動いたこと+次の会社で満たしたい条件」の型で答え、給与・残業・人間関係・評価・将来性・体調・家庭の理由ごとに例文がある。悪口・全部他責・嘘・曖昧の4つは避け、深掘りには事実をもう1段具体的にして返し、転職回数が多い人は共通する軸で一本にまとめる。例文7つは面接で退職理由をどう答えるかの記事で書いた。

よくある質問

この調査の対象は?

15〜34歳の労働者で、事業所調査(5人以上の事業所)で抽出された若年労働者13,218人の回答。パート・アルバイトも含み、在学中の人は「在学していない若年労働者」の集計から除いている。

転職したいと思っている人のうち、実際に転職する人は?

この調査では追跡していない。雇用動向調査の転職入職率(20代前半で10%台)と合わせると、転職したい3割のうち1年以内に動くのは3分の1程度と読める(転職活動の期間と方法のデータ記事)。

転職の資料をLINEで無料配布中

辞めたい理由を表の項目で分けて、次の会社を選ぶ数字(年間休日・残業時間・職種の40代年収)に置き換える記入表を公式LINEで無料配布している。辞めるべきかでなく、どこへ移るかで考えよう。

LINEで無料の資料を受け取る