30代で転職を考えている。今の職種の年収は、同年代の友人と大きく変わらない。でも40代の先輩を見ると、職種で年収が全然違う。自分の職種は、この先どこまで伸びるのかが分からない。

若いうちの差は小さい。40代で2倍開く。25歳から45歳で1.7倍伸びる職種と、1.2倍しか伸びない職種がある。24職種の年代別の表と、伸びる職種と伸びない職種の違いと、30代の職種の選び方を書く。

先に一文で。令和7年賃金構造基本統計調査の年齢別の所定内給与は、25〜29歳では職種の差が小さいが、営業・企画・技術者・システムは45〜49歳で1.5〜1.7倍に伸び、介護・販売・運転・調理は1.2倍前後で止まるため、年収の目安は45〜49歳で営業745万と介護414万のように2倍近く開き、30代の転職は今の額でなく45〜49歳の額で職種を選ぶ。

この記事の要点

  • 25〜29歳の年収差は100万前後。45〜49歳で2倍に開く
  • 伸びる職種|営業・企画事務・システム・技術者(1.5〜1.7倍)
  • 伸びない職種|介護・販売・運転・調理・警備(1.1〜1.3倍)
  • 30代は今の額でなく、その職種の45〜49歳の額で選ぶ

24職種の年齢別・所定内給与(月額、千円)

一般労働者(フルタイム)・産業計・企業規模10人以上・男女計。所定内給与は残業代を除く月額。

職種20〜24歳25〜29歳30〜34歳35〜39歳40〜44歳45〜49歳50〜54歳25〜29→45〜49の伸び
営業(その他の営業職業従事者)262.2313.6352.4388.1433.8460.6485.11.47倍
機械器具・システム営業266.8295.8339.1379.5418.8459.8470.41.55倍
企画事務員268.7320.3385.4424.4448.6470.5504.51.47倍
総合事務員250.5279.6311.9337.5352.6354.5360.91.27倍
庶務・人事事務員246.1274.7308.7326.9339.9336.9363.91.23倍
会計事務従事者239.8261.1295.3327.6333.3353.6356.91.35倍
システムコンサルタント・設計者337.4388.3505.7547.0635.3664.6605.31.71倍
ソフトウェア作成者257.7299.6347.7391.2407.1433.0436.91.45倍
その他の情報処理・通信技術者260.9283.9332.1359.3405.9437.5461.31.54倍
機械技術者246.1286.8324.9378.0408.1436.4458.11.52倍
建築技術者263.4311.8364.2396.9439.1454.9485.41.46倍
デザイナー255.2279.8342.1356.4394.5403.8402.71.44倍
看護師285.5311.2315.5329.1343.0353.9362.51.14倍
薬剤師327.3328.1334.7376.2381.4427.4410.21.30倍
理学療法士・作業療法士等246.1268.9288.2305.8319.5338.0363.71.26倍
介護職員226.9245.3261.4276.8276.2276.9275.41.13倍
保育士243.1263.5278.4280.9291.9302.2299.11.15倍
販売店員234.0249.8263.5272.3284.6289.0286.01.16倍
営業用大型貨物自動車運転者284.3295.5310.9308.3312.0312.9317.91.06倍
電気工事従事者256.9297.2341.9398.3402.1416.6407.21.40倍
自動車組立従事者253.8276.0305.2336.4349.2354.3391.11.28倍
飲食物調理従事者223.4245.6263.7274.5280.7299.3283.31.22倍
警備員231.8240.8254.6253.8266.5256.5261.61.07倍
管理的職業従事者339.7422.8501.9561.7581.4596.6605.91.41倍

出典|厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査 職種第5表(e-Stat、2026年3月公表)。職種名は調査の分類名を短縮した。

年代別の年収の目安(きまって支給×12+年間賞与)

職種25〜29歳30〜34歳35〜39歳40〜44歳45〜49歳
営業(その他の営業職業従事者)513万円597万円647万円720万円745万円
機械器具・システム営業509万円586万円667万円732万円782万円
企画事務員530万円644万円710万円746万円789万円
総合事務員458万円523万円568万円589万円585万円
庶務・人事事務員446万円505万円540万円555万円545万円
会計事務従事者424万円484万円536万円540万円567万円
システムコンサルタント・設計者642万円866万円968万円1,189万円1,226万円
ソフトウェア作成者485万円560万円636万円686万円729万円
その他の情報処理・通信技術者453万円549万円604万円680万円702万円
機械技術者505万円592万円685万円739万円775万円
建築技術者551万円636万円710万円747万円765万円
デザイナー414万円535万円565万円618万円602万円
看護師501万円491万円519万円548万円561万円
薬剤師495万円533万円598万円595万円676万円
理学療法士・作業療法士等398万円432万円457万円482万円520万円
介護職員358万円384万円414万円414万円414万円
保育士400万円422万円431万円455万円476万円
販売店員367万円387万円402万円428万円428万円
営業用大型貨物自動車運転者472万円512万円524万円527万円530万円
電気工事従事者532万円610万円728万円706万円723万円
自動車組立従事者469万円540万円623万円639万円652万円
飲食物調理従事者359万円384万円399万円416万円440万円
警備員418万円434万円431万円455万円432万円
管理的職業従事者663万円789万円890万円953万円976万円

年収の目安は私の計算。全職種の平均年収の順位は職種別の平均年収ランキングのデータ記事で書いた。

ここまでのまとめ

25〜29歳の年収差は100万前後。45〜49歳で2倍に開く

伸びる職種|営業・企画事務・システム・技術者(1.5〜1.7倍)

伸びない職種|介護・販売・運転・調理・警備(1.1〜1.3倍)

読み取れること

1、25〜29歳の差は小さい。営業513万、ソフトウェア485万、総合事務458万、看護師501万、介護358万、販売367万。20代で職種を比べても、差は見えにくい。

2、45〜49歳で2倍開く。営業745万、企画事務789万、システムコンサルタント1,226万に対し、介護414万、販売428万、大型トラック530万。伸びるのは、経験で単価が上がる職種と、管理職に上がる道がある職種だ。

3、看護師と薬剤師は若いうちは高く、伸びは小さい。看護師の25〜29歳311.2千円は営業より高いが、45〜49歳353.9千円で1.14倍。資格職は入口が高く、カーブが緩い。

4、ソフトウェア作成者は30代で伸び、40代でシステムコンサルタントとの差が開く。ソフトウェア作成者の45〜49歳433.0千円に対し、システムコンサルタント・設計者は664.6千円。同じITでも、上流に移った人と移らなかった人で40代の年収が変わる。

5、運転・調理・警備は年齢でほぼ伸びない。大型トラック1.06倍、調理1.22倍、警備1.07倍。若いうちの月給は悪くないが、40代で事務や営業に抜かれる。

30代で職種を移す時の見方

見る順番内容
1今の職種の45〜49歳の年収を表で見る。今の額でなく、この額が自分の40代だ
2移りたい職種の45〜49歳の年収と比べる。差が100万以上なら、移る価値がある
3その職種の有効求人倍率と未経験求人の有無を見る(職業別の有効求人倍率のデータ記事
4資格や経験の要件が2年以内に満たせるか。営業は不要、情報処理は独学か講座、大型運転は免許、電気工事は第二種

30〜34歳の転職で年収が上がった人の割合は4割前後で、職種を変えた転職ほど、上がる幅と下がる幅の両方が大きい(転職で年収が上がる割合のデータ記事)。全国の年代別の平均は年代別の平均給与のデータ記事で書いた。

私が20代で職種を移した実際

私は1社目が美容業界のブラック企業で、1年以内に辞めた。フリーターの期間に50万円払って渋谷のWebスクールに通い、Web業界に未経験で入った。デザイナー(25〜29歳279.8千円)として始めて、大手系のUIデザイナーを経て、2年後にディレクターに上がった。20代の時の年収差は小さかったが、30代で企画に近い職種に移ったことで、40代の伸び方が変わった。表で見れば、デザイナーの45〜49歳403.8千円と企画事務員の470.5千円の差だ。

よくある誤解

「今の年収が同じなら、どの職種も同じ」。25〜29歳の差は小さく、45〜49歳で2倍開く。今の額でなく、40代の額で見る。

「資格職は一生安泰」。看護師・薬剤師は入口が高いぶんカーブが緩く、40代で営業や企画に抜かれる。安定と伸びは別だ。

初任給の平均と手取り(公的データ)

令和7年の初任給は大卒262,300円・高卒207,300円・院卒299,000円で、手取りは1年目に住民税がないため大卒約21.1万・高卒約16.8万、2年目6月から住民税で月1万前後減る。初任給30万台の求人は固定残業代と年俸制の中身を基本給で見る。学歴別の表は初任給の平均と手取りのデータ記事で書いた。

最初の会社を辞めた若手の割合と理由(公的データ)

令和5年若年者雇用実態調査で、最初の会社を辞めた若手は42.7%(大卒34.1%・高卒49.7%・非正規70.9%)。理由は労働時間・休日28.5%、人間関係26.4%、賃金21.8%で、1年未満で辞めた人は人間関係が1位。若手正社員の31.2%が転職を考え、理由の1位は賃金59.9%だ。学歴・年齢・雇用形態別の表は最初の会社を辞めた人は42.7%のデータ記事で書いた。

よくある質問

40代で伸びない職種にいる場合、今から移れますか?

40代の未経験転職は求人が絞られるが、営業と運転・工事の資格職は年齢の幅が広い。介護から介護支援専門員(ケアマネージャー)、販売から店長や営業、のように今の経験を使う移り方なら、40代でも動ける。

女性の場合も同じ伸び方ですか?

職種別の男女別は職種第1表にあり、女性は同じ職種でも40代の伸びが男性より緩い職種が多い。年齢別の男女差は、この記事の元の表(男女計)では分からないので、原典の性別の表で確認する。

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