27歳。気づけば20代も後半で、転職するなら早い方がいいと聞くたびに、もう遅いのかもしれないと焦る。
先に結論を言う。20代後半は、転職市場で一番強い持ち札を持っている時期だ。遅いどころか、企業側から見て最も買いやすい。なぜそう言えるのか、市場の仕組みから書く。
この記事の要点
- 27〜29歳は、実務経験と伸びしろを両方持つ、市場で需要が最も厚い層だ
- 「遅い」は社内の物差し。市場の物差しでは全く逆になる
- 未経験職種への転換は、20代後半が実質の最終カードになる
- 不満がなくても、市場価値の確認だけは今やっておくべきだ
なぜ20代後半が強いのか。企業の買い方から逆算する
企業が中途採用で人を買うとき、見ているのは2つの数字だ。教育コストと回収期間。
- 20代前半は、回収期間は長いが教育コストが高い。実務をゼロから教える前提になる
- 30代半ば以降は、教育コストは低いが、ポジションと年収が上がる分、外したときの損失が大きい。だから即戦力性を厳しく見る
- 20代後半は、3〜5年の実務経験で基礎の教育が済んでおり、なおかつ社風への順応も年収の柔軟性も残っている。教育コストが低く、回収期間が長い。企業から見て、一番失敗しにくい買い物だ
だから求人の要件で最も多い帯の1つが「社会人経験3年以上・20代」になる。あなたが「もう遅い」と感じているその経歴は、市場では「ちょうどいい」と読まれている。
「遅い」という感覚の正体は、社内の物差しだ。新卒同期との出世競争、上司の「石の上にも三年」。その物差しは会社の外では通用しない。20代の「辞めたいは甘え」問題で書いた通り、社内の常識と市場の常識は別物として扱うのが正しい。
未経験転職のリミット。実質の最終カードを持っている
20代後半のもう1つの強みは、未経験の職種・業界への転換カードをまだ切れることだ。
未経験可の求人は、年齢とともにはっきり減る。30歳を超えると、ポテンシャル採用の枠は目に見えて狭くなり、30歳の未経験転職で書いた通り、経験との接続を組み立てる難易度が上がる。
つまり27〜29歳は、こういう時期になる。
- 経験を活かす転職——市場で最も高く評価される
- 未経験への転換——まだ現実的に可能。ただし実質の最終カード
私自身、20代でフリーターからWeb業界へ未経験転職した。年齢が上がるほど、同じ挑戦の値段が上がっていくのは、身をもって知っている。転換するなら、20代のうちが一番安く済む。
動くべき人、残るべき人の分岐
20代後半の全員が転職すべきとは言わない。分岐を書く。
動くべきサイン。
- 今の会社の3年上の先輩の姿が、なりたい姿ではない
- 業界自体が縮んでいる(給与原資が細る場所では、個人の努力の値段も下がる)
- 未経験の職種に行きたい気持ちが2年以上消えていない
- 残業・パワハラなど環境そのものが消耗の原因になっている
残っていいサイン。
- 実務の裁量が年々増えていて、市場で売れる経験が積み上がっている
- 3年上の先輩の働き方と報酬に、納得感がある
そして、どちらの場合でも共通してやるべきことが1つある。市場価値の確認だ。残る判断も、選択肢を見た上でやるのが判断で、見ずに残るのはただの現状維持になる。
進め方の実務。2つの経路を並行させる
20代後半の転職活動は、この2経路の並行が定石だ。
経路1、20代特化のエージェントで相場を知る。20代のキャリア形成に特化した窓口は、この年代の求人の相場観と、経歴の売り方のパターンを持っている。
*クリックすると公式サイトが開く。20代・30代向けの転職支援で、無料で面談できる。*
登録後の流れ|① Web入力で登録(数分) → ② 担当から連絡が入り、面談の日程を決める → ③ 経歴の棚卸しと求人紹介を受けられる。情報収集だけでも構わない
登録するなら、面談の日程まで進める前提で登録してほしい。登録だけして放置すると、何も動かない。担当と話して初めて、書類も求人も前に進む。
SaaS・IT・広告・人材・コンサルの経験が3年以上あるなら、20代のうちからハイクラスの帯を狙う選択肢もある。書類と面接の通過率を作り込むタイプの支援だ。
*クリックすると公式サイトが開く。ハイクラス特化の転職支援で、無料で面談できる。*
登録後の流れ|① 簡易フォームで無料登録(数分) → ② 電話かWebで面談する → ③ 職務経歴書の添削から年収交渉まで任せられる
経路2、スカウト型で受け皿を作る。経歴を登録して、届くスカウトの質と量で自分の市場価値を測る。在職中でも受け身で回るから、今すぐ辞める気がない人はここからでいい。
*クリックすると公式サイトが開く。経歴を登録すると、企業やエージェントからスカウトが届く。*
登録後の流れ|① 経歴と希望条件を入力する → ② 条件に合う求人からスカウトが届く → ③ 気になったものだけ返信すればいい
エージェントの使い分けの全体像は20代の転職エージェントおすすめで経歴別に整理してある。並行の目的は比較だ。1つの窓口の言い値で、自分の値段を決めるな。
行き先の具体で迷っている人へ。未経験の転換カードの使い道としてコンサルへの転職とSaaS営業への転職、環境で人を育てる場所としてリクルートの中途転職を、それぞれ1本で書いた。
焦りの感情の側から整理したい人は、28歳前後の焦りの正体を先に読んでほしい。
何が向いているか分からない段階の候補の出し方は向いてる仕事がわからない20代へだ。
最初の1週間でやる4つの順番は20代の転職は何から始めるかだ。
未経験で職種を変える順番と面接の理由の作り方は20代で未経験の職種に変える順番だ。
首都圏で未経験の求人が多い業界と年収の相場は東京で20代が未経験から転職する現実だ。
年齢ごとの回数と未経験の線は27歳の転職。転職回数と未経験の線だ。
年齢ごとの回数と未経験の線は28歳の転職。転職回数と未経験の線だ。
スキルがないと感じる時の実績の書き出しは29歳でスキルなしの転職だ。
ここまでのまとめ
・27〜29歳は、実務経験と伸びしろを両方持つ、市場で需要が最も厚い層だ
・「遅い」は社内の物差し。市場の物差しでは全く逆になる
・未経験職種への転換は、20代後半が実質の最終カードになる
あわせて検索される疑問に、先に答えておく
20代後半で転職回数2回は多いか
2回なら、理由が語れれば問題にならない。企業が警戒するのは回数そのものより、辞め方のパターン(毎回同じ不満で辞めている)だ。それぞれの転職で何を得たかが接続して語れるなら、回数はむしろ行動力として読まれる場面もある。私は転職4回でキャリアを作った側だから、回数で詰む説を信じる必要はないと言っておく。
結婚・出産の予定があると不利になるか
面接でライフイベントの予定を聞くこと自体が、本来不適切とされる領域だ。その上で実務の話をすると、20代後半で産育休の制度が強い会社に移っておく動きは、むしろ合理的な先回りになる。制度は在籍期間の条件が付くことが多いから、使う予定の1〜2年前に移っておくのが実務の正解だ。女性の場合は女性向けエージェントの使い分けも併せて読んでほしい。
29歳と30歳でそんなに違うのか
求人検索の仕組み上、違いは出る。「20代」で絞り込む企業の検索から、30歳は外れる。中身が1歳分しか変わらなくても、見つけられる確率が変わるのが実務だ。だから20代のうちに登録だけでも済ませて、経歴を市場に置いておくことに意味がある。
転職で年収が上がる人の割合(公的データ)
厚労省の雇用動向調査(令和7年)では、転職で賃金が増えた人は40.8%、減った人は31.0%で、30代前半までは半数前後が増加、50代で逆転する。年代別の表は転職で年収が上がる人の割合の記事で整理した。
職種別・年代別の年収(公的データ)
令和7年賃金構造基本統計調査の年齢別の所定内給与は、25〜29歳では職種の差が小さいが、営業・企画・技術者・システムは45〜49歳で1.5〜1.7倍に伸び、介護・販売・運転・調理は1.2倍前後で止まる。年収の目安は45〜49歳で営業745万と介護414万のように2倍近く開く。24職種の年代別の表は職種別・年代別の平均年収のデータ記事で書いた。
初任給の平均と手取り(公的データ)
令和7年の初任給は大卒262,300円・高卒207,300円・院卒299,000円で、手取りは1年目に住民税がないため大卒約21.1万・高卒約16.8万、2年目6月から住民税で月1万前後減る。初任給30万台の求人は固定残業代と年俸制の中身を基本給で見る。学歴別の表は初任給の平均と手取りのデータ記事で書いた。
最初の会社を辞めた若手の割合と理由(公的データ)
令和5年若年者雇用実態調査で、最初の会社を辞めた若手は42.7%(大卒34.1%・高卒49.7%・非正規70.9%)。理由は労働時間・休日28.5%、人間関係26.4%、賃金21.8%で、1年未満で辞めた人は人間関係が1位。若手正社員の31.2%が転職を考え、理由の1位は賃金59.9%だ。学歴・年齢・雇用形態別の表は最初の会社を辞めた人は42.7%のデータ記事で書いた。
面接での退職理由の答え方
退職理由は「事実を短く+自分で動いたこと+次の会社で満たしたい条件」の型で答え、給与・残業・人間関係・評価・将来性・体調・家庭の理由ごとに例文がある。悪口・全部他責・嘘・曖昧の4つは避け、深掘りには事実をもう1段具体的にして返し、転職回数が多い人は共通する軸で一本にまとめる。例文7つは面接で退職理由をどう答えるかの記事で書いた。
転職した人と、したい人の数(公的データ)
2025年の転職者は330万人(4年ぶりの減少)に対し、転職等希望者は1,023万人(+23万人)で、動くのは希望者の3割。正規は3,708万人で11年連続の増加、非正規の割合は36.5%と低下し、失業率2.5%でも失業者の28%は1年以上決まっていない。増えた産業は医療福祉と情報通信。数字の全体は転職した人は330万人・したい人は1,023万人のデータ記事で書いた。
3分で診断:20代の進路タイプ診断——いまが動くべき局面か、積むべき局面か、方向を変える局面か。8問で仕分けられる。無料・登録不要。
27〜29歳で、何が向いているかから決めるなら
遅いかどうかより、どの職種で通るかが先だ。20代のうちは、性格の型から職種を出して、その中で選ぶほうが遠回りにならない。
- 向いている人|20〜29歳で、1都3県か大阪府に住み、年収400万円未満、転職回数が2回までの人。職種を決めきれていない人
- 向かない人|職種が決まっていて、求人を数多く見たい人。スカウト型や求人サイトが合う
*クリックするとL転職の公式サイトが開く。LINEの友だち追加だけで始まり、MBTIの職種診断を受けて、結果をもとに専任のサポーターとLINEで相談できる。費用は無料で、電話番号の入力は要らない。*
登録後の流れ|① LINEで友だち追加(30秒) → ② MBTIの職種診断に答える(数分) → ③ 診断の結果と、合う職種の求人をLINEで受け取る
よくある質問
27歳・28歳の転職は遅いですか?
遅くない。実務経験と伸びしろを両方持つ、市場で最も需要が厚い層だ。遅いという感覚は社内の物差しにすぎない。
20代後半から未経験の職種に変われますか?
変われる。ただし30歳を超えると未経験可の求人は目に見えて減る。転換するなら20代後半が実質の最終カードだ。
今の会社に不満はないのですが、動くべきですか?
急ぐ必要はないが、市場価値の確認だけはしておくべきだ。スカウト型に登録して届く求人を見る。選択肢を見た上で残るのが判断だ。
30歳の節目が近い人は、30歳の転職は遅いのかで市場の実際も確認してほしい。20代後半と30歳では、見られ方が地続きだ。
奨学金の返済が転職の足かせに感じる人は奨学金の返済がきつい人の転職も読んでほしい。返済と年収の関係で判断の順序が変わる。
20代の転職戦略シートをLINEで無料配布中
経歴の棚卸しと市場価値の測り方をまとめた資料を、公式LINEで無料配布している。遅いかどうかは、市場に聞けば数日で分かる。



