会社を辞めた。収入がない。国民年金の納付書が届いた。月1万7千円は払えない。免除を申請したら、前年の所得があるから通らないと言われた。
先に言う。退職特例は、前年の所得を見ない。使わないと損をする免除だ。通常の免除とは審査が違い、退職した人だけが使える。仕組み、必要書類、自己都合でも使える理由、デメリット、追納を書く。
先に一文で。退職後に国民年金が払えないなら、通常の免除でなく退職(失業)による特例免除を申請すれば申請者本人の前年所得をゼロとみなして審査されるので前年に給与があっても通り、自己都合でも使え、離職票か受給資格者証のコピーを添えて市区町村の年金窓口に出し、再就職後に10年以内の追納で年金額を戻すのが正解だ。
この記事の要点
- 通常の免除は前年所得で審査。退職特例は本人の前年所得をゼロとみなす
- 自己都合でも使える。退職の理由は問わない
- 必要書類は離職票か受給資格者証のコピーと、年金番号が分かるもの
- 全額免除は年金額に2分の1で反映。10年以内に追納で戻せる
通常の免除と退職特例の違い
| 通常の申請免除 | 退職(失業)による特例免除 | |
|---|---|---|
| 審査する所得 | 本人・配偶者・世帯主の前年所得 | 本人の前年所得をゼロとみなす。配偶者・世帯主の所得は見る |
| 使える人 | 誰でも | 退職(失業)した人 |
| 添付書類 | 不要(所得は市区町村で確認) | 離職票・雇用保険受給資格者証などのコピー |
| 対象期間 | 7月〜翌年6月の年度単位 | 退職日の翌日が属する月の前月〜翌々年6月 |
日本年金機構の案内では、失業などによる特例免除は、申請者本人の前年所得を除外して審査すると明記されている。前年に給与があった人が免除を受けるための制度だ。
自己都合でも使える
退職の理由は問わない。雇用保険の失業給付には自己都合の給付制限があるが、年金の退職特例は別の制度で、退職の事実が書類で確認できれば対象になる。自己都合の失業給付の開始時期は会社都合と自己都合の失業保険の違いへ。
必要書類と提出先
| 必要なもの | 中身 |
|---|---|
| 国民年金保険料免除・納付猶予申請書 | 市区町村の窓口・年金事務所・日本年金機構のサイトで入手。特例免除の該当欄に記入 |
| 退職の事実が分かる書類のコピー | 離職票、雇用保険受給資格者証、雇用保険被保険者資格喪失確認通知書のいずれか |
| 年金番号が分かるもの | 基礎年金番号通知書・年金手帳、またはマイナンバーカード |
| 提出先 | 住所地の市区町村の国民年金窓口、または年金事務所。郵送も可 |
離職票が手元にない場合は、雇用保険受給資格者証(ハローワークで失業給付の手続きをすると交付)でもいい。離職票の使い道の全体は離職票とは。使い道に書いた。
通らない場合。配偶者と世帯主
退職特例でゼロになるのは本人の所得だけだ。配偶者や世帯主の前年所得が基準を超えると、全額免除は通らず、一部免除か納付猶予になる。
| 状況 | 結果の目安 |
|---|---|
| 一人暮らしで本人が世帯主 | 全額免除が通りやすい |
| 配偶者に一定以上の所得がある | 一部免除(4分の3・半額・4分の1)か、通らない |
| 親と同居で親が世帯主 | 親の所得で審査。50歳未満なら納付猶予(本人と配偶者の所得のみで審査)を選べる |
納付猶予は、年金額に反映されない代わりに、世帯主の所得を見ない。受給資格の期間には算入される。免除の段階と所得基準は国民年金の免除はフリーランスでも使えるかに置いた。
デメリット。年金額と追納
| 免除の種類 | 年金額への反映(払った場合を1として) |
|---|---|
| 全額免除 | 2分の1 |
| 4分の3免除 | 8分の5 |
| 半額免除 | 8分の6 |
| 4分の1免除 | 8分の7 |
| 納付猶予 | 0(期間だけ算入) |
| 未納 | 0(期間も算入されない) |
全額免除を1年受けると、将来の年金が年1万円前後減る。未納と違い、受給資格の期間に入り、障害年金と遺族年金の対象にもなる。払えない時に未納にするのが最も損で、免除の申請だけはしておく。
追納は、免除が承認された月から10年以内にできる。3年度目以降は加算額がつくので、再就職して余裕が出たら早めに追納する。追納すれば、年金額は払った場合と同じに戻る。
健康保険とセットで手続きする
退職後の健康保険(国民健康保険か任意継続)と、国民年金の手続きは、退職日の翌日から14日以内が目安だ。国保には失業した人の軽減(会社都合の場合)があり、年金には退職特例免除がある。健康保険の選び方は退職後の健康保険の選び方へ。
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よくある質問
退職特例免除は、いつまでに申請すればいいですか?
過去2年1ヶ月分まで遡って申請できる。ただし、遡った期間に未納のままの月があると、その間に障害を負った場合の障害年金の要件に影響する。退職したら早めに申請する。
転職先が決まっていて、空白が1〜2ヶ月だけです。申請すべきですか?
する。1〜2ヶ月でも月1万7千円前後の保険料がかかる。免除が通れば払わずに済み、後で追納もできる。
退職特例免除の申請中に、再就職しました
再就職して厚生年金に入った月から、国民年金の免除は終わる。手続きは会社が行う。免除が承認された期間は、そのまま有効だ。
出典(一次資料)
- 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」「失業等による特例免除」
- 日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」
- 厚生労働省「国民年金 免除・納付猶予 必要書類リスト」
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