退職の話が進むと「離職票は要りますか」と聞かれる。何に使うのかわからないまま「いらないです」と答えてしまう人が毎年いる。
答えは決まっている。もらっておく。理由を書く。
先に一文で。離職票とは失業給付の手続きでハローワークに出す書類で、退職から10〜14日で届くのが目安、転職先が決まっていても入社取消や短期離職に備えて受け取っておくのが安全だ。
この記事の要点
- 失業給付の申請に必要な書類。-1と-2の2枚組
- 目安は退職から10日〜2週間。1か月超えは異常だ
- 離職理由の欄が、給付の開始時期と日数を左右する
- 転職先が決まっていても、もらっておく
何のための書類か
正式名称は雇用保険被保険者離職票。記載されているのは3つだ。
- 退職した事実と退職日
- 離職理由(自己都合か会社都合か)
- 直前6か月の賃金額
これをハローワークに提出して、失業給付(基本手当)の手続きをする。-1(マイナンバーや口座を書く用紙)と-2(離職理由と賃金の明細)の2枚組で届く。
退職証明書とは別物だ
混同されやすいが、まったく違う。
| 離職票 | 退職証明書 | |
|---|---|---|
| 発行元 | ハローワーク(会社経由) | 会社 |
| 用途 | 失業給付の申請 | 転職先への提出、国保の手続きなど |
| 記載 | 離職理由・賃金額 | 在籍期間・職務内容など(希望した項目) |
違いの詳細は退職証明書と離職票の違いの記事で書いた。
届くまでの流れと日数
- 退職日の翌日から10日以内に、会社がハローワークへ離職証明書を提出
- ハローワークが離職票を発行
- 会社が本人へ郵送
目安は退職から10日〜2週間。遅くても3週間程度で届く。1か月を過ぎたら、会社側で止まっていると考えていい(離職票はいつ届くのかの記事)。
離職理由の欄を必ず見る
ここが一番効く。-2の離職理由の欄が、給付の開始時期と日数を決める。
- 会社都合|7日の待期後すぐ給付が始まる。給付日数も長い
- 自己都合|待期7日+原則2か月の給付制限がある
実態は会社都合(退職勧奨、賃金未払い、過度な残業)なのに自己都合で処理されている、ということが実際に起きる。離職票には本人が異議を申し立てる欄があるので、内容に納得できなければ署名前に確認する。
届かない時の手順
- 会社の総務・人事に連絡|まずは事実確認。手続き漏れであることが多い
- 期限を切って再依頼|「◯日までに」と書面かメールで残す
- ハローワークに相談|会社へ督促してもらえる。これが一番効く
- 仮手続きをする|離職票がなくても、退職から12日以上経てば仮の受給手続きができる
会社と連絡が取れない、対応してもらえないケースの動き方は離職票をもらえない時の記事で書いた。待ち続けるのが一番損で、給付の開始が丸ごと後ろにずれる。
転職先が決まっていてももらう
理由は3つだ。
- 入社日が延期・取消になった場合に必要になる
- 次の会社を短期間で辞めた時、前職の加入期間が給付日数に関わることがある
- 離職理由の記載を、後から確認したくなる場面がある
本人が請求すれば会社に交付義務がある。59歳以上は希望に関わらず交付が義務だ。
よくある誤解
「離職票は自分でハローワークに取りに行く」。原則は会社経由で郵送される。直接発行してもらう形ではない。
「自己都合だと失業給付はもらえない」。もらえる。給付制限期間があるだけで、受給資格は満たしていれば発生する。
特定理由離職者に当たる可能性
自己都合として処理されていても、体調や家庭の事情、通勤困難などが理由なら、給付制限のない扱いになることがある。認められる範囲と、会社側にデメリットがあるのかは特定理由離職者と会社のデメリットの記事で書いた。
よくある質問
離職票を失くしたら再発行できますか?
できる。ハローワークで再交付の手続きができるほか、会社経由でも申請できる。本人確認書類を持ってハローワークへ行くのが早い。
退職時にまだ次が決まっていないと、いつ申請すればいいですか?
離職票が届き次第すぐでいい。給付制限がある自己都合の場合でも、手続きの開始が早いほど受給の開始も早くなる。待期期間は手続きをした日から数えるので、届いたその週に行くのが得だ。
転職の資料をLINEで無料配布中
退職後の手続きチェックリスト(離職票・健康保険・年金・住民税の順番つき)を公式LINEで無料配布している。抜けやすい順に並べてある。



