内定を辞退したいのに、電話で引き止められて話が終わらない。「一度会って話を」と言われて、断り切れずにいる。
即答する。辞退はあなたの自由で、引き止めに応じる義務はない。内定承諾書を出した後でも、法的には撤回できる。必要なのは説得力のある理由ではなく、同じ一文を繰り返す胆力だけだ。
この記事の要点
- 内定辞退は法的に自由。承諾後の撤回も可能だ
- 引き止めへの返しは「意思は変わりません」の一点張りが正解
- 対面や電話での再考面談に応じる義務はない
- 脅しめいた発言が出たら、記録を取って対応の段階を変える
原則。辞退の権利はあなたが持っている
まず土台の確認だ。内定は労働契約の成立だが、労働者側からの解約は原則自由で、民法上は2週間前の申し入れで退職できる立て付けが入社前の辞退にも援用される。承諾書に法的な拘束力で縛る力はない。つまり交渉の力関係で言えば、折れる必要があるのは企業側だ。
この前提を知らないと、「承諾したのに辞退は契約違反だ」という先方の言葉に飲まれる。違反ではない。辞退の基本の伝え方は内定辞退の電話・メールの伝え方で書いた通りで、この記事はそこから先の「しつこい」への対処だ。
しつこい引き止めの切り方。一点張りの型
引き止めがしつこくなるのは、あなたの断り方に交渉の余地が見えるからだ。理由を説明するほど、その理由を潰す提案が返ってくる。年収が理由なら増額提示、配属が理由なら配属変更。理由の説明は、引き止めの燃料になる。
だから返しは一点張りにする。
「ご提案ありがとうございます。ただ、辞退の意思は変わりません。」
条件を変えられても、これだけを繰り返す。相手が沈黙しても埋めない。気まずさに耐えられず理由を話し始めた瞬間、面談は延長戦に入る。現職の引き止めと全く同じ理屈で、詳しくは引き止めがうざい時の対処にまとめてある。
再考面談への出席は断っていい。「お会いしても結論は変わりませんので、辞退とさせてください」で足りる。電話に出続ける必要もない。メールで辞退の意思を送った記録があれば、義理は果たしている。
度を越えたら。オワハラの段階の対処
引き止めが、拘束や恫喝に変わる場合がある。長時間の面談で帰さない、「損害賠償を請求する」と口にする、他社の辞退を強要する。ここまで来たら、それは引き止めではなくハラスメントだ。
対処は3つ。やり取りを保存する(メールは残す、面談や電話は日時と発言をメモする)。書面で最終通告する(「○月○日をもって辞退の意思をお伝えした通りです。以後のご連絡は控えていただきますようお願いします」)。それでも続けば大学のキャリアセンターや労働局、エージェント経由の応募ならエージェントに報告する。辞退でこういう対応をする会社に入らなくてよかった、が正直なところなんよ。
場面別の断り文面は断り文面35選に、内定辞退の4文面を含めて揃えてある。
最後に、引き止められて心が揺れている場合も書いておく。提示条件が上がって迷い始めたなら、それは「しつこい引き止め」ではなく検討材料が増えた状態だ。その時は焦って即答せず、期限を切って考えればいい。ただし1つだけ確認してほしい。辞退を決めた元の理由は、上がった条件で本当に消えるのか。社風や仕事内容への違和感が理由だったなら、年収の上乗せでは消えない。迷いの正体を分けてから決めることだ。
よくある質問
内定承諾書を出した後の辞退で損害賠償になりますか?
原則ならない。入社前の辞退で賠償が認められるのは極めて例外的なケースだ。賠償を口にして引き止めるのは、脅しの段階に入ったサインとして扱っていい。
引き止め電話に出ないのは失礼ですか?
メールで辞退の意思を伝えた記録があれば、電話に出続ける義務はない。連絡手段をメールに限定する旨を一度伝えれば足りる。
辞退の文面テンプレをLINEで無料配布中
内定辞退の場面別テンプレを、公式LINEで無料配布している。辞退は交渉ではなく通知だ。通知に必要なのは、正しい一文だけになる。


