外に出るだけで疲れる。人の目が怖い。求人を見ても、自分が働いている姿が想像できない。そして何もしないまま、また1日が終わる。

私のDMには社会復帰を考えている人からの相談が繰り返し届く。まとめるとこうだ。

「しばらく働いていません。そろそろ動かないといけないと分かっているのですが、面接も職場も想像するだけで怖くて動けません。ブランクも長くなって、今さら誰にも必要とされない気がします。何から始めればいいのかも分かりません」

届く相談の典型例として答える。最初に大事なことを言う。いきなり正社員を狙わなくていい。段差は小さく刻んでいい。

  • 怖さの正体は、いまの自分と正社員の間の段差が大きすぎることだ
  • 復帰は一段飛ばしより、刻んだ方が結果的に早い
  • 人と関わるのが怖いなら、そこを避ける働き方が実在する
  • 1人で全部やろうとしない。伴走する仕組みがある

怖さの正体は、段差の大きさだ

まず、あなたの怖さを言葉にする。怖いのはあなたが弱いからではなく、いま立っている場所と目標の間の段差が大きすぎるからだ。

考えてみてほしい。生活リズムが昼夜逆転していて、外出も少なく、人と話す機会もほとんどない状態から、いきなり「週5日フルタイムで通勤して、初対面の人たちと働く」を目指している。これは高すぎる段差で、想像しただけで固まるのが普通なんよ。

そしてこの段差を前にした時、人は動けない自分をさらに責める。「怖くて動けない自分が情けない」という二次被害の方が、実は消耗が大きい。

だから正しい打ち手は、勇気を出すことではない。段差を刻むことだ。階段を1段ずつにすれば、同じ高さでも上れる。

段差の刻み方。順番を渡す

具体的な順番を置く。いま自分がどこにいるかを見て、次の1段だけをやってほしい。

第1段。生活のリズムを戻す。起きる時間を固定する。これだけでいい。就職活動より先に、朝起きられる体を作る。面接は朝や日中にあるから、この土台がないと後の全部が崩れる。

第2段。外に出る回数を増やす。コンビニでも図書館でもいい。人がいる場所に短時間いることに、体を慣らす。

第3段。短時間・低頻度の就労から入る。週2〜3日のアルバイトや短期の仕事でいい。ここでの目的は稼ぐことではなく、「働けた」という事実を1つ作ることだ。この事実が、面接で話せる材料にもなる。

第4段。正社員の就職活動を始める。ここまで来れば、あなたはもう「何もしていない人」ではない。

急ぐ人ほど第3段を飛ばすが、そこが一番効く。いきなり正社員に入って数週間で潰れると、「やっぱり自分は駄目だ」という確信だけが残る。それが一番避けたい結末だ。

体調にサインが出ているなら、順番はもっと前になる

ここは正直に書く。眠れない、食べられない、外に出ようとすると動悸がする、涙が出る、何ヶ月も気分が落ちたままだ。このサインが出ているなら、就職活動の前に医療の話になる。

心療内科や精神科への相談、自治体の相談窓口、地域若者サポートステーション。これらは大袈裟な行動ではなく、順番として先にあるものだ。体調が整っていない状態で就労を始めると、続かずに自己否定だけが積み上がる。

このセクションで紹介する商品はない。いまのあなたに必要なのは求人ではなく、状態を整えることと、相談先に繋がることだ。ここは急がなくていい。

人と関わるのが怖いなら、そこを避ける働き方がある

対人の負荷が怖さの中心にある人へ。全ての仕事が、初対面の人と大量に関わるわけではない。

  • 在宅勤務が前提の仕事。通勤という段差がまるごと消える
  • IT・Web系。チャット中心のやり取りで進む現場が多く、対面の頻度が低い
  • 1人で完結する作業が中心の仕事。軽作業、データ入力、検品など

そして、こうした方向へ訓練から就職まで伴走する公的な仕組みもある。manabyは就労移行支援の事業所で、在宅での訓練にも対応し、ITスキルを身につけながら就職を目指せる。体調や特性に配慮しながら進める前提の仕組みだから、いきなり一般の就職活動に入るのが難しい人の受け皿になる。相談は無料で、見学から始められる。

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正社員を狙う段階まで来たら

第4段まで来た人へ。ブランクがある状態で一般の求人サイトを1人で見るのは、いちばん折れやすいやり方だ。経験者向けの求人に応募して落ち続け、「やはり自分は必要とされていない」という誤った結論に着地する。

未経験・ブランクありを前提とした枠は、別の入口にまとまっている。ハタラクティブは未経験可の求人が中心で、書類と面接のサポートも付く。ブランクをどう説明するかを一緒に考えてくれる相手がいるだけで、選考の通り方が変わる。登録は無料だ。

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私自身、1社目のブラック企業を1年以内に辞めた後、しばらくフリーターだった。あの頃、自分がまた普通に働けるとは思っていなかった。カフェのバイトから始めて、勉強を足して、未経験でWeb業界に入った。一段ずつしか上がれなかったが、上がった先に人生は普通に続いていた。あなたにも、同じことが起きると思っている。

職歴がないことへの不安は25歳職歴なしは人生終わりじゃない、空白期間の説明は既卒からの就職は手遅れじゃないに書いた。

使える公的な支援を、名前で覚えておく

1人で抱えなくていい理由として、実在する窓口を名前で挙げておく。

  • 地域若者サポートステーション(サポステ)。働くことに悩みを抱える若年層向けの、厚生労働省の委託事業。職業相談、コミュニケーション講座、職場体験まで無料で使える
  • ハローワークの若年者向け窓口。求人紹介だけでなく、応募書類の相談にも対応している
  • 就労移行支援。障害や体調に配慮が必要な人が対象。訓練から就職・定着まで伴走する
  • 自治体の生活相談窓口。生活費や住まいの不安がある場合、就労より先にここになる

どれも費用がかからない。まず1つ、電話でもいい。繋がった相手が合わなければ、別の窓口に行けばいいだけだ。

家族との関係をどう扱うか

社会復帰の相談で必ず出てくるのが、家族との関係だ。急かされるのがつらい、という声も、逆に何も言われないのがつらい、という声も届く。

現実的な扱い方を書く。

  • 進捗を毎回報告しようとしない。報告のプレッシャーが、動く気力を先に削る
  • 1つだけ共有する。「今週は◯◯をする」という単位で伝えると、期待の範囲が固定される
  • 説得しようとしない。理解してもらうことと、動き出すことは別の作業だ。動き出した事実が、後から説明になる

家族の理解を得てから動く、という順番にしないでほしい。それは永遠に来ないことがある。

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よくある質問

ニートから社会復帰するには何から始めればいいですか?

いきなり正社員の面接を受けるより、生活リズムを戻す・短時間の外出を増やす・週数日の就労から始める、と段差を刻む方が続きやすい。順番を守る方が結果的に早い。

ブランクが長いと就職できませんか?

できる。ブランクの長さより、説明できるかどうかと、いま働ける状態かどうかが見られる。人手不足の業界では未経験歓迎の枠が実在する。

人と関わるのが怖い場合はどうすればいいですか?

在宅勤務やIT系など、対面の頻度が低い働き方から入る道がある。就労移行支援のように、訓練から就職まで伴走する公的な仕組みも使える。

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