会社が、出社回帰を決めた。週5出社に戻ると言う。リモートで働く前提で生活を組んでいた。拒否できるのか。転職すべきなのか。
先に言う。出社回帰は、拒否より、契約と次の会社で対処する。拒否できる線、転職するかの判断3つ、リモートが残る会社の見分け方、年収を下げずにリモートを取る交渉、動き方を書く。
先に一文で。出社回帰の命令は雇用契約や労働条件通知書に在宅の明記があれば不利益変更として争える余地があるが、勤務場所は会社が指定とあれば応じる義務があるので、契約を読んだ上で、通勤と生活の実害・リモートが生活の前提か・残る価値の3つで転職するかを判断し、まず成果の実績を根拠に週2出社の折衷案を交渉し、動くならコロナ前からリモートで拠点が分散した会社を選ぶのが正解だ。
この記事の要点
- 拒否できるかは契約次第。在宅の明記があれば不利益変更の余地
- 判断は3つ。実害、生活の前提、残る価値
- 交渉は、成果の実績を根拠に週2出社の折衷案から
- 次の会社は、コロナ前からリモートで、拠点が分散している所
出社回帰の現状
2026年、出社回帰のあった人の約半数が週5出社に戻った。一方で、週3日以下の出社を望む人は7割、20〜40代の6割超が「出社回帰なら転職を考える」と答えている。会社と働く人の望みが、最もずれている時期だ。
拒否できる線
| 契約の状態 | 拒否の余地 |
|---|---|
| 雇用契約・労働条件通知書に在宅勤務が明記 | 一方的な変更は労働条件の不利益変更にあたる可能性。会社に合理性と説明が求められる |
| 在宅が前提の働き方で採用された(求人票・面接での約束) | 同上。ただし書面がないと弱い |
| 就業規則・契約で勤務場所は会社が指定。在宅は制度として一時的 | 会社の裁量が広い。出社命令に応じる義務がある |
| 就業規則の変更で在宅制度を廃止 | 合理性が問われるが、認められやすい |
まず、契約書と就業規則の勤務場所の条文を読む。明記があれば人事に書面で確認を求め、なければ拒否より交渉と転職で対処する。転勤の命令を断る線と近い構図で、転勤を断る正当な理由に書いた。
転職するかの判断。3つ
| 判断 | 中身 |
|---|---|
| 1、通勤と生活の実害 | 通勤時間、保育園の送迎、介護、リモート前提で引っ越した距離 |
| 2、リモートが生活の前提か | 地方移住、家族の事情、持ち家の場所 |
| 3、今の会社に残る価値 | 年収、仕事の内容、人間関係、昇進 |
| 結論 | 条件 |
|---|---|
| 転職する | 実害が大きく、生活がリモート前提で、残る価値が出社の負担を超えない |
| 交渉してから決める | 実害が中くらい。週2出社なら回る |
| 残る | 実害が小さい。残る価値が大きい |
年収を下げずにリモートを取る交渉
- 成果の実績を根拠にする。リモートで出した成果を数字で並べる。「リモートの期間に◯◯を達成しました」
- 折衷案を出す。週2出社、月◯日の出社、特定の曜日の出社
- 業務の性質で示す。会議と調整は出社、作業はリモート、の分け方
- 期限をつける。「半年、この形で成果を見てください」
- 書面に残す。合意したら、人事に書面かメールで
転職すると、同じ経験でもフルリモート必須の求人は年収が下がりやすい。今の会社で交渉して取れるなら、年収を下げずにリモートが残る。年収の仕組みはフルリモートで年収が下がる理由へ。
リモートが残る会社の見分け方
| 残る | 戻す可能性 |
|---|---|
| コロナ前か創業からリモート | コロナ期に始めた大手 |
| 拠点が全国に分散 | 本社に全員が通える範囲 |
| 採用がリモート前提。地方の社員がいる | 採用は本社の近く |
| 成果で評価する仕組み | 出社で管理する文化 |
| 面接で出社回帰の予定を理由と時期を含めて答える | 曖昧な答え |
探し方の全体はフルリモートの正社員の探し方、リモートが続くホワイトな会社の型はリモートワークのホワイト企業に書いた。
転職する場合の動き方
- 出社回帰の開始日までに、次を決めるか、交渉で猶予を取る
- リモート特化の求人サイトと、リモート前提の会社に絞る
- 面接で、出社頻度の実績・対象者・制度の開始年・出社回帰の予定・手当の5つを聞く
- 労働条件通知書の勤務場所の欄に、在宅の記載を入れてもらう
- 年収は、フルリモート必須だと下がりやすい。週1〜2出社を許容すると選択肢と年収が広がる
私の話
私は、会社員の最後の数年をフルリモートで働いた。取れたのは、出社の時代に3年で信頼を作り、成果が見えていたからだ。出社回帰の波が来た時に守られるのは、リモートの権利でなく、リモートで出した成果の記録だと思っている。リモートの働き方の見せ方はリモートのサボりはバレるかに書いた。
3分で診断:辞めるコスト診断——出社回帰で辞める場合の年収と通勤の変化を、残る場合と並べて先に数字にする。
よくある質問
出社回帰を拒否したら、解雇されますか?
契約で在宅が明記されていれば、拒否を理由にした解雇は無効になる可能性が高い。明記がなく、正当な出社命令を繰り返し拒否すると、業務命令違反として処分の対象になり得る。拒否する前に、契約を読み、労働局か弁護士に相談する。
出社回帰で引っ越しが必要です。費用は会社が出しますか?
会社の命令で勤務場所が変わるなら、転勤に準じた費用の負担を交渉できる。リモート前提で遠方に住んでいた場合、会社が認めていたかが論点になる。認めていた記録(申請・承認のメール)を残しておく。
週2出社の折衷案を断られました
成果を半年見てもらう提案と、業務の分け方の提案を試した上で断られたなら、会社の方針は出社だ。実害と残る価値で、転職を判断する。
出典(一次資料)
- 労働契約法第8条〜第10条(労働条件の変更・就業規則による変更の合理性)
- 厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」
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契約書の確認項目、判断3つの記入表、週2出社の交渉の文面を公式LINEで無料配布している。出社回帰は、拒否より、契約と次の会社で対処する。


