契約社員で、次の更新をしない。定年が来る。上司に「退職届を出して」と言われたが、期間が来て終わるだけなのに、退職届は要るのか。
先に言う。契約満了と定年は、期日が来れば終わる。退職届は原則要らない。要るのは契約の途中で辞める時だ。契約満了、途中解約、雇い止め、定年、再雇用を断る時、それぞれの線と書き方を書く。
先に一文で。契約社員の契約満了と定年は期日で雇用が終わるので退職届は原則要らず、会社の書式で求められたら「契約期間満了により」「定年により」と書き、契約の途中で辞める時だけ退職届が要り(やむを得ない事由か契約初日から1年経過後)、会社が更新しない雇い止めでは自分から退職届を出さず、再雇用を断る時は退職届でなく受けない旨を書面で伝えるのが正解だ。
この記事の要点
- 契約満了と定年は退職届が原則要らない
- 途中で辞める時は退職届が要る
- 雇い止めで自分から退職届を出さない
- 求められたら理由は「満了」「定年」と書く
場面ごとの線
| 場面 | 退職届 | 理由の書き方(求められた時) |
|---|---|---|
| 契約満了で自分が更新しない | 原則要らない | 契約期間満了により |
| 契約満了で会社が更新しない(雇い止め) | 自分から出さない | ― |
| 契約の途中で辞める | 要る | 一身上の都合により(自己都合) |
| 定年 | 原則要らない | 定年により |
| 定年後の再雇用を断る | 退職届でなく、受けない旨の書面 | 再雇用を受けません |
契約満了で自分が更新しない時
有期の雇用契約は、期間が来れば終わる。辞める意思表示をする場面ではないので、退職届は要らない。会社から「次も更新しますか」と聞かれたら、「更新しません」と伝える。口頭でもいいが、メールで残す。
会社の手続きの都合で退職届の書式を出してくれと言われることはある。その時は理由の欄に「契約期間満了により」と書く。「一身上の都合」と書くと、自分から辞めたことになり、離職票の扱いで損をすることがある。理由の書き分けは退職届の理由の書き方に書いた。
会社が更新しない時(雇い止め)
会社が更新を断るのは雇い止めで、辞めるのは会社の判断だ。自分から退職届を出す場面ではない。出すと「本人の意思で辞めた」と読まれ、離職票の離職理由が自己都合になるおそれがある。
3回以上更新している、または通算1年を超えて働いている契約社員の雇い止めは、会社が30日前までに予告することになっている。予告がなかった、理由の説明がない、という時は、雇い止めの理由を書いた証明書を会社に求められる。
契約の途中で辞める時
有期契約は、期間中は互いに縛られている。途中で辞めるにはやむを得ない事由が要る(民法628条)。体調、家族の事情、契約と違う仕事をさせられている、などが当たる。
ただし、契約の初日から1年を過ぎていれば、申し出ていつでも辞められる(労働基準法附則137条。一部の専門職と60歳以上を除く)。1年未満でも、会社と話して合意で辞める形が実際は多い。この時は退職届か、会社が用意する合意書を出す。渡し方は退職届の渡し方に書いた。
定年
定年は、就業規則に定めた年齢に達した日で雇用が終わる。本人の意思表示は要らず、退職届も原則要らない。会社が書類として求めることはあり、その時は「定年により」と書く。
定年後に再雇用の制度がある会社では、再雇用を受けるかを聞かれる。断る時は、退職届ではなく「再雇用を受けません」と書面で伝える。受けなかったことが、離職票の離職理由に関わることがあるので、断る前にハローワークで失業保険の扱いを確かめておく。
退職願・辞表との違い
契約社員でも正社員でも、書類の使い分けは同じだ。退職届は辞めることの通告、退職願は辞めたいという申し込み、辞表は役員や公務員が使う言葉になる。違いは退職願と退職届の違いに書いた。会社の都合で辞めさせられる場面の言葉は諭旨退職とはに書いた。
よくある質問
派遣社員は派遣先と派遣元のどちらに退職届を出すか
雇用契約は派遣元(派遣会社)と結んでいるので、出すなら派遣元だ。派遣先には派遣元から連絡が行く。契約満了なら退職届は原則要らない。
パートで週3日、契約は1年更新。辞める時は
契約社員と同じだ。満了で更新しないなら退職届は要らず、途中で辞めるなら退職届か合意書を出す。
定年の日に有給が残っている
定年の日で雇用が終わるので、それまでに使う。会社との合意で退職日を有給の分だけ後ろにずらすことはできない(定年は就業規則で決まる)が、定年前の勤務日を有給に替えることはできる。
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