今月末で退職して、翌月1日から新しい会社に入る。空白はない。だが健康保険や年金の手続きは何か要るのか。住民税はどうなるのか。月末の前日に退職するよう言われたが、何が違うのか。

先に言う。翌日入社なら、自分でやる手続きはほぼない。新しい会社が加入の手続きをする。やることは書類の受け渡しと、住民税の選択だけだ。月末退職と月末前日退職の差、もらえないお金の話も書く。

先に一文で。退職の翌日に入社する場合、健康保険と厚生年金は空白がないので自分の手続きは不要で新しい会社が加入させ、住民税は特別徴収の継続・一括徴収・普通徴収から退職時に選び、月末退職と月末前日退職の差は社会保険料1ヶ月分の徴収先の違いで、再就職手当は受給資格の決定前に就職するため対象外だ。

この記事の要点

  • 健康保険・厚生年金は空白がなければ自分の手続き不要。新しい会社がやる
  • 住民税は退職時に、特別徴収の継続か一括徴収か普通徴収かを選ぶ
  • 月末退職と月末前日退職で、社会保険料1ヶ月分の徴収先が変わる
  • 再就職手当は対象外。空白なしの利点は手当でなく、収入と保障が途切れないこと

翌日入社の手続き。やること一覧

項目空白なし(翌日入社)空白あり(1日でも)
健康保険新しい会社が加入手続き。前の保険証を返す国保に14日以内に加入(または任意継続・家族の扶養)
厚生年金新しい会社が加入手続き国民年金に14日以内に加入
雇用保険雇用保険被保険者証を新しい会社に渡す同じ。失業保険を受けるなら離職票も
住民税退職時に特別徴収の継続を選べば、新しい会社で天引きが続く普通徴収に切り替わり、納付書で自分で払う
所得税源泉徴収票を新しい会社に渡し、年末調整で精算同じ。年内に入社しなければ確定申告

空白なしの場合に自分で動くのは、書類の受け渡しと住民税の選択だけだ。空白が1日でもあると、国保と国民年金の手続きが市区町村で必要になる。1日の空白の扱いは転職の空白期間と社会保険に書いた。退職後の手続き全体は退職後の手続きガイドへ。

住民税。3つから選ぶ

住民税は前年の所得に対して、6月から翌年5月までの12回で天引き(特別徴収)されている。転職で会社が変わる時、残りの回数分をどう払うかを退職時に選ぶ。

選択中身向く人
特別徴収の継続前の会社から新しい会社に引き継ぎ、天引きが続く。「給与所得者異動届出書」を前の会社が新しい会社へ送る翌日入社で、新しい会社が対応してくれる場合。手間が最も少ない
一括徴収残りの住民税を最後の給与か退職金からまとめて引く1〜5月の退職は原則これ(法律で一括徴収が義務)
普通徴収納付書で自分で払う(年4回)新しい会社が異動届に対応しない場合

退職時に人事から聞かれるので、翌日入社なら特別徴収の継続を希望と伝える。新しい会社が受け入れれば、天引きが途切れない。仕組みの詳細は転職の住民税、特別徴収と普通徴収へ。

月末退職と月末前日退職。保険料1ヶ月分の差

社会保険料は、月末時点で在籍している会社でその月の分が徴収される。

退職日その月の保険料起きること
月末(31日)退職、翌月1日入社前の会社で徴収資格の空白なし。前の会社で最後の月の保険料が引かれる
月末前日(30日)退職、翌日(31日)入社新しい会社で徴収資格の空白なし。前の会社はその月の保険料を負担しない
月末前日(30日)退職、翌月1日入社どちらの会社でも徴収されず、国保・国民年金が1ヶ月分1日の空白で、その月は国保と国民年金に自分で加入

本人の負担総額は、1行目と2行目で大きく変わらない。違うのは会社側の負担で、前の会社が月末前日退職を勧めるのは、会社負担分を1ヶ月減らすためだ。3行目だけは避ける。1日の空白で、国保・国民年金を自分で1ヶ月分払うことになり、手続きも増える。

退職日を決める時は、翌日入社になる日付を新しい会社と合わせる。月末退職なら翌月1日入社、月末前日退職なら月末入社。

もらえるお金、もらえないお金

お金翌日入社の場合
再就職手当もらえない。失業保険の受給資格決定前の就職は対象外
失業保険もらえない。失業していない
前の会社の最後の給与・賞与就業規則どおり。賞与は支給日在籍要件を確認
有給の消化退職日までに消化。翌日入社でも有給消化中は前の会社に在籍している
退職金就業規則に定めがあれば。支給は退職から1〜2ヶ月後が多い

空白なしの転職の利点は、手当ではなく収入と社会保険が途切れないことだ。失業保険を受けてから就職すれば再就職手当が出るが、その間の無収入と国保・国民年金の負担を考えると、翌日入社のほうが手元に残る人が大半だ。

書類の受け渡し。前の会社からもらうもの

  • 雇用保険被保険者証(新しい会社の雇用保険の手続きに)
  • 源泉徴収票(年末調整に。退職後1ヶ月以内に発行される。もらえない時は源泉徴収票はいつ必要かへ)
  • 年金手帳か基礎年金番号通知書(会社が預かっている場合)
  • 離職票(翌日入社なら不要。ただし念のため発行を頼んでおくと、入社後すぐ辞めた場合に使える)
  • 健康保険資格喪失証明書(翌日入社なら不要)

よくある質問

翌日入社ですが、新しい会社の社会保険の手続きが遅れています。保険証がない間に病院に行ったら?

資格は入社日から発生している。保険証が届く前に受診した場合は、いったん全額を払い、保険証が届いてから健康保険に療養費を請求するか、病院に保険証を持って再精算する。マイナ保険証なら資格情報が反映され次第使える。

月末退職を希望したら、会社に月末前日にしてほしいと言われました

会社の保険料負担を減らす意図だ。翌日入社になるなら本人の負担は大きく変わらないので応じてもいいが、新しい会社の入社日が翌月1日で動かせないなら、1日の空白が生まれて国保・国民年金の手続きが要る。その場合は月末退職を譲らない。

翌日入社で、前の会社の有給が残っています。どうすればいいですか?

退職日までに消化する。翌日入社の日程が決まっているなら、退職日を後ろに動かせないので、最終出勤日を前に動かして有給を挟む。残った分は退職時の買い取りを会社に相談する(義務ではない)。

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