地方から都市部の会社に転職が決まった。引っ越しに30万円かかる。会社は出してくれるのか。聞いたら印象が悪くならないか。
先に言う。転職の引っ越しは、原則自腹。だが交渉できる。転勤と転職で扱いが違う理由、交渉のタイミングと言い方、会社が出さない時の補助、税金の扱いを書く。
先に一文で。転職の引っ越し費用は本人都合のため原則自己負担だが、オファー面談の段階で見積もりを添えて補助や支度金の有無を聞けば出る会社もあり、出なければハローワーク経由の就職で使える移転費や自治体の移住支援金を確認し、会社負担になる場合は実費精算(非課税)か一律手当(課税)かを確認するのが正解だ。
この記事の要点
- 転勤は会社負担、転職は自己負担が原則。義務はない
- 交渉はオファー面談で。見積もりを添えて、制度の有無を聞く
- 会社が出さないなら、ハローワークの移転費と自治体の移住支援金
- 会社負担でも、実費精算は非課税、一律の手当は課税
転勤と転職で、扱いが違う
| 転勤 | 転職 | |
|---|---|---|
| 誰の都合か | 会社 | 本人 |
| 引っ越し費用 | 会社負担が原則(就業規則・転勤規程) | 自己負担が原則 |
| 住宅 | 社宅・住宅補助が出ることが多い | 会社次第 |
| 例外 | — | 支度金・引っ越し補助・社宅の制度がある会社 |
会社に義務はない。ただし地方からの採用、人手不足の職種、寮や社宅のある業界(ホテル・介護・製造・運輸)では、引っ越し補助や入社支度金を用意している会社がある。求人票の福利厚生欄に「転居費用補助」「入社支度金」「社宅あり」の記載があるかを先に見る。
交渉のタイミングと言い方
| タイミング | 可否 |
|---|---|
| 面接の最中 | 避ける。条件の話は選考後 |
| 内定直後 | 早い。まず条件の書面を見る |
| オファー面談(労働条件の詳細を話す場) | 最適。他の条件と一緒に聞ける |
| 入社後 | 遅い。規程にあれば申請できるが、後出しになる |
言い方は、制度の有無を聞く形にする。
「入社にあたり◯◯県から転居が必要です。転居費用の補助や入社支度金の制度はありますか。引っ越しの見積もりは2社で◯万円前後でした。」
制度がなければ、交換の形で提案する。
「制度がない場合、入社日を◯月◯日に前倒しすることはできますので、その分で転居費用の一部をご検討いただけないでしょうか。」
見積もりを2〜3社分用意しておくと、金額に根拠が出る。オファー面談で確認する項目全体はオファー面談で聞くことに書いた。入社日の調整は入社日の調整はいつまでできるかへ。
会社が出さない時の補助
1、ハローワークの移転費。失業保険の受給資格がある人が、ハローワークの紹介で就職し、通勤が困難(往復4時間以上など)で転居する場合、雇用保険から移転費(交通費・移転料・着後手当)が出る。ハローワーク経由の就職であることが条件で、求人サイトからの直接応募では使えない。ハローワークで転職が決まった時の手続きはハローワークと転職サイトの使い分けの最後に書いた。
2、自治体の移住支援金。東京圏から地方へ移住し、対象の求人に就業する場合などに、自治体から支援金が出る制度がある(単身60万円・世帯100万円が上限の例)。条件は自治体ごとに違い、対象求人が指定されている。地方への移住の現実は地方移住とリモート転職へ。
3、引っ越し費用を下げる。閑散期(5〜2月)、平日、時間指定なしで依頼すると、繁忙期の半額近くになることがある。入社日を閑散期に置けるなら、それ自体が節約になる。
会社負担になった時の税金
| 支払い方 | 税金 |
|---|---|
| 実費精算(会社が業者に直接払う、領収書で精算) | 非課税。転居に必要な範囲なら給与にならない |
| 一律の手当(支度金◯万円を現金で) | 給与所得として課税。所得税と社会保険料がかかる |
| 社宅の提供 | 一定の賃料を本人が負担していれば非課税 |
同じ30万円でも、実費精算なら手取り30万円、一律手当なら税引き後に減る。会社と話す時は、実費精算の形にできるかを聞く。転職した年の住民税の二重払いの話は転職の住民税の二重払いに書いた。
3分で診断:辞めるコスト診断——退職から入社までの無収入の期間と、引っ越し費用を合わせて先に数字にする。
社宅に住んでいるなら退職したら社宅はいつまでに出るかだ。
よくある質問
引っ越し費用を交渉したら、印象が悪くなりませんか?
制度の有無を聞く形なら、悪くならない。人事は聞かれ慣れている。「出してください」と要求する形と、「制度はありますか」と聞く形の違いだ。
入社後すぐに辞めたら、引っ越し補助を返す必要がありますか?
会社の規程で、一定期間内の退職は返還の定めがある場合がある。受け取る前に返還条項を確認する。法律上、違約金の予定は禁止されているが、実費の返還を求める規程は有効なことがある。
引っ越し費用は確定申告で控除できますか?
転職のための引っ越し費用は、個人の生活費として所得控除の対象にならない。会社負担の部分が実費精算なら非課税で、申告も不要だ。
入社前の費用交渉シートをLINEで無料配布中
オファー面談で聞く条件の一覧(引っ越し補助・社宅・住宅手当・入社日)、交渉の文面、ハローワークの移転費の条件を公式LINEで無料配布している。原則自腹だが、聞かないと出ない。



