転職を考えて、TOEICの勉強を始めようかと迷っている。だが、何点取ればいいのかが分からない。

先に順番を言う。点数を決める前に、その点数を使う場面があるかを確認する。要件のない求人にいくら高得点を持ち込んでも、評価には直結しない。判断の手順から書く。

この記事の要点

  • 要件の帯は600・730・860に分かれる。意味がそれぞれ違う
  • 点数は単独の武器にならない。業務経験の補強材料だ
  • 勉強を始める前に、狙う求人10件で要件の有無を数える
  • 要件がないなら、その時間は経歴の作り込みに回した方が早い

求人が求める点数の帯。3つに分かれる

求人票にTOEICの要件が書かれる場合、おおむねこの帯になる。

600点前後|学習意欲の証明として

英語を実務で使う想定ではなく、基礎的な学習能力と継続力の証明として扱われることが多い。新卒採用や、若手のポテンシャル枠で見られる帯だ。

730点前後|業務で英語に触れる職種の目安

海外とのメールのやり取りがある、英語の資料を読む必要がある、といった職種の目安になる。求人票に「TOEIC730点以上」と明記されるのは、この帯が最も多い。

860点以上|英語を実務で使うポジション

海外拠点との折衝、英語での会議、外資系企業のポジション。この帯は、点数そのものより実際に使えるかが問われる。面接が英語で行われる場合もある。

そして重要なのは、大半の求人にはTOEICの要件がないということだ。国内の顧客を相手にする職種なら、点数が評価軸に入らない場面の方が多い。

点数は単独の武器にならない

正直に書く。TOEICの点数だけで転職が有利になることは、ほぼない。

理由は、資格が転職で意味ないと言われる理由で書いた原則と同じだ。中途採用で見られるのは、その能力を使って何をしたかであって、能力の証明書ではない。

  • 「TOEIC800点です」——それで何ができるのかが伝わらない
  • 英語の技術資料を読んで、海外ベンダーとの仕様調整を担当した」——これは実績になる

点数が意味を持つのは、2つの場面だけだ。

  1. 要件を満たすため——「730点以上」が応募条件なら、これがないと土俵に上がれない
  2. 学習の継続の証明として——書類選考で、学び続けている人という印象を補強する

1が本命だ。要件のある求人を狙うなら必須になるが、要件のない求人には効かない。

勉強を始める前にやること

だから、順番はこうなる。

1. 狙う求人を10件見て、TOEICの要件が書かれているかを数える

  • 書かれている求人が多い——必要な点数が分かる。そこから逆算して学習計画を立てる
  • 書かれていない——その勉強時間は、別のことに使った方が転職の結果には直結する

2. 書かれていない場合、時間の使い道を変える

TOEICで600→730点を上げるには、数百時間の学習が必要になる場合がある。その数百時間を、職務経歴書の作り込みと実績の言語化に使ったら、どうなるか。

職務経歴書に書くことがない人への記事で書いた棚卸しは、数十時間で終わる。そして書類の通過率に直結する。転職を目的にするなら、投資対効果はこちらの方が高いことが多い。

3. 要件がある場合は、必要な点数から逆算する

現在のスコアと目標の差、そこまでの学習時間の目安を出す。そして期限を決める。転職の時期が決まっているなら、間に合うかどうかも判断材料になる。

職種別|TOEICが効く場面

要件が書かれやすい職種を並べておく。

  • 外資系企業全般——ポジションによるが、要件として明示されることが多い
  • 貿易・商社・物流——実務で英語を使う場面が多い
  • メーカーの海外営業・技術部門——海外拠点や取引先とのやり取り
  • IT(外資系プロダクト・海外チームとの協働)——ドキュメントが英語の環境
  • ホテル・観光・空港関連——接客での使用

逆に、国内顧客中心の営業・事務・製造・医療介護・建設などでは、要件として書かれる場面は限られる。

自分がどちらの領域を狙うのかで、TOEICの優先度は全く変わる。外資系を考えているならハイクラスじゃない人の外資系転職も併せて読んでほしい。

学習の選択肢と、費用を下げる方法

要件があると分かって、勉強を始めると決めたなら。

独学で足りる人——教材は市販の問題集で十分揃う。継続できる人は、これで問題ない。

続かない自覚がある人——アプリや講座で学習の型と強制力を買う選択肢がある。TOEIC対策に特化したものなら、出題傾向に沿った学習ができる。

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確認の流れ|① 公式サイトで学習内容と料金を見る → ② 無料体験がある場合は試す → ③ 独学と比べて、続けられそうか判断する

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そして費用の話。英語系の講座には、教育訓練給付金の対象になっているものがある。条件を満たせば受講料の一部が戻る。

  • 対象は講座単位で決まる。同じサービスでも対象・対象外が分かれる
  • 手続きは受講開始前が必須。先に申し込むと1円も戻らない

制度の全体像と18項目のチェックリストは教育訓練給付金の完全解説にまとめた。自腹で全額払う前に、必ず確認してほしい。パート・派遣でも使える場合がある(判定は給与明細1枚で分かる)。

AI翻訳がある時代に、英語を学ぶ意味

「翻訳の精度が上がったのに、英語を学ぶ意味はあるのか」という疑問にも答えておく。

要件として設定されている以上、意味はある。採用の要件は、実務上の必要性だけでなく、選考の足切り基準としても機能しているからだ。

その上で、学ぶ優先度は下がったとは思う。だから、AI資格に意味はあるかで書いたのと同じ判断基準を当ててほしい。

「その学びを使う場面を、3つ具体的に言えるか。」

言えるなら投資する価値がある。言えないなら、その時間は別のことに使う。学ぶことは、動かないことの言い訳として優秀すぎる。ここはTOEICでもAIでも変わらない。

点数を作る道具として何を使うかは、スタディサプリENGLISH TOEIC対策の評判に分けて書いた。

あわせて検索される疑問に、先に答えておく

履歴書に何点から書いていいのか

一般的な目安として、600点未満は書かない方が無難とされることが多い。ただしこれは絶対の基準ではなく、求人の要件次第になる。要件が500点なら550点でも書く意味があるし、要件が860点の求人に700点を書けば足りていないことが明示される。書くかどうかは、その求人が求める水準との距離で決める。

スコアの有効期限はあるのか

TOEICのスコア自体に、履歴書に書けなくなる期限が公式に定められているわけではない。ただし実務上、2年以内のスコアが望ましいとされる場面が多い。古すぎるスコアは、現在の実力を示す証拠として弱くなる。転職を具体的に考えている段階なら、受け直しておく方が説得力がある。

点数はあるが話せない場合、面接で困るか

英語での面接がある求人なら、そこで露見する。だから点数と実務での使用は別物として準備する必要がある。ただし多くの国内企業のポジションでは、読み書きが中心で会話の機会が限られる場合も多い。求人票の「英語使用の場面」を面接で具体的に確認しておけば、入社後のギャップは防げるわ。

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よくある質問

転職でTOEICは何点あればいいですか?

要件の帯は600・730・860に分かれる。ただし大半の求人には要件がない。まず自分が狙う求人に要件があるかを確認するのが先だ。

TOEICの点数だけで転職が有利になりますか?

ならない。点数は業務経験の補強材料だ。ただし要件のある求人では、満たしていないと土俵に上がれない条件として働く。

勉強を始める前に確認することはありますか?

狙う求人を10件見て、要件の有無を数える。書かれていないなら、その時間は経歴の作り込みに回した方が結果に直結する。

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