求人票の「TOEIC◯点以上歓迎」の文字を見て、自分の点数と見比べる。あるいは、転職を考え始めて「とりあえずTOEICでも受けるか」と参考書を眺めている。その前に、この記事を読んでほしい。
先に結論を言う。TOEICが転職の武器になるかは、点数より先に、狙う求人が英語を必要としているかで決まる。点数の目安も書くが、もっと大事な「使い方」の話を中心に整理する。
なお、私は英語を武器に転職した人間ではない。Web業界でのキャリアと採用の構図を見てきた立場と、調べて分かった事実として書く。
点数の目安。市場での扱われ方はこうなっている
まず知りたいであろう数字から。一般的な扱われ方の目安はこうだ。
- 600点前後:履歴書に書いて意味が出始めるライン。基礎力の証明として扱われる
- 700点前後:英語を使う職種・企業の応募条件や歓迎条件に乗り始める水準
- 800点以上:書類で目を引く水準。外資系や海外関連ポジションの土俵に乗る目安として扱われることが多い
- 595点以下:書かない方がいい場面もある。求人の要求水準より低い点数は、届いていない証明として働きかねない
ただし、この目安には大前提がある。評価するのは市場ではなく、個々の求人だ。同じ700点が、商社の海外営業では入場券になり、国内営業の求人では1行の飾りにもならない。点数の価値は、相手が英語を必要としているかで100倍変わる。
意味を持つ求人・持たない求人。見分け方は簡単だ
TOEICに時間を投資する前に、狙う求人を10件見ろ。見る場所は2つだけだ。
- 応募条件・歓迎条件に英語やTOEICの記載があるか
- 業務内容に、海外・英語が絡む記述があるか
記載があるなら、TOEICはその転職の武器になる。記載がないなら、その転職においてTOEICの優先度は低い。資格の価値は求人票に書いてあるという原則は、転職に資格は意味ないは半分本当で書いた通りで、TOEICも例外ではない。
英語不要の求人に高得点を出しても、得られるのは「勉強を続けられる人」という間接的な印象までだ。それ自体は悪くないが、同じ時間を職務経歴書の作り込みに使う方が、転職の結果には直結する。
あわせて読みたい:転職に資格は意味ないは半分本当。取るべき人と時間の無駄になる人
点数より効く使い方。3つの原則
TOEICを武器にすると決めた人向けに、点数の稼ぎ方より大事な使い方を書く。
原則1:点数は入口、実務経験が本体
採用側は、TOEICの点数と英語で仕事ができることが別物だと知っている。だから評価の本体は、英語を実務で使った経験の方にある。
- 英文メールのやり取りを担当していた
- 海外拠点・取引先との会議に参加していた
- 英語の資料・マニュアルを読んで業務に使っていた
この種の経験が1行でも職務経歴書に書けるなら、点数より雄弁だ。逆に言えば、今の会社に英語の業務が少しでもあるなら、転職の前に、社内でその業務を拾いに行くのが一番安い実績作りになる。
原則2:掛け算で使う。英語単体で戦わない
英語ができる人は大勢いる。武器になるのは、本業スキル×英語の掛け算だ。営業×英語、経理×英語、エンジニア×英語。単体では平凡なスキル同士でも、組み合わせると急に希少になる。この構図は市場価値の高め方。年収を決めるのはスキルより希少性だで書いた通りだ。
つまりTOEICは、キャリアの主役ではなく、今の専門性の値段を上げる係数として使うのが正しい。
原則3:期限と目標点を、求人から逆算する
漠然と勉強を始めると、TOEICは終わりのない旅になる。狙う求人の要求水準(600か730か800か)を先に確認し、そこまでの学習を期限付きのプロジェクトにする。
スキマ時間でTOEIC対策ができる定番アプリだ。働きながらの学習は、机に向かう時間の確保が一番の敵になる。通勤と昼休みで回せる仕組みを先に作ると、継続の問題はかなり解決する。まず無料体験で、自分の生活に組み込めるかを確かめればいい。
目標が決まらない人へ。順番が逆かもしれない
ここまで読んで、「そもそも英語を使う仕事に行きたいのか、自分でも分からない」となった人へ。それなら、TOEICの前にやることがある。
診断は無料、所要は10〜20分。登録後は企業からのオファー通知が届くようになるが、電話営業が主体のサービスではなく、通知は設定でいつでも絞れる(通知の止め方も用意してある)。
今の経歴の市場価値と、あなたに届くオファーの傾向を先に見る。その上で、英語を足すと選択肢がどう広がるかを考える。現在地を知らずに武器だけ磨くのは、行き先を決めずに切符を買うようなものだ。測定から始める手順は市場価値の測り方 完全ガイドにまとめてある。
まとめ
- 目安は600点で意味が出始め、700点で応募条件に乗り、800点で武器になる。ただし価値は求人が決める
- 狙う求人10件の応募条件に英語の記載がないなら、TOEICの優先度は低い
- 評価の本体は点数ではなく実務経験。社内の英語業務を拾うのが一番安い実績作りだ
- 英語は単体ではなく、本業スキルとの掛け算で使え
- 目標点と期限は求人から逆算する。漠然と始めると終わらない旅になる
何点から武器になるか、という問いの本当の答えは、「あなたが誰に売るかを決めた瞬間から」だ。点数は、その後についてくる数字なんよ。
▼ 動き出すなら、道具選びから
転職エージェントに騙されるな。30代が本当に使うべきは3つだけ
記事を読んで終わりにせず、自分に合うサービスの当たりを付けるところまで進んでほしい。ここまでが今日の一歩だ。
よくある質問
TOEICは何点から転職で評価されますか?
目安として、履歴書に書いて意味が出始めるのが600点前後、英語を使う求人の応募条件に乗り始めるのが700点前後、差別化の武器になり得るのが800点以上とされることが多い。ただし評価は求人が英語を必要とするかで決まる。
英語を使わない仕事でもTOEICは意味がありますか?
直接の加点はほぼ期待できない。英語不要の求人でのTOEICは、学習を継続できる人という間接的な印象材料止まりだ。狙う求人の応募条件と歓迎条件に英語の記載がないなら、他の準備に時間を使う方が転職には効率的だ。
TOEICの点数と英語が話せることは別ですか?
別だ。採用側もそれを知っているから、高得点でも面接で話せないと評価は崩れ、逆に点数が平凡でも実務で使った経験があれば評価される。点数は入口の証明、実務経験が本体。この順序を間違えないことだ。
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