不採用のメールを何度も読み返して、ふと思う。

なぜ落ちたのか、聞いてはいけないんだろうか。

理由が分かれば直せる。分からないまま次に進むのは、目隠しで走るのと同じだ。その気持ちは正しい。

先に答えを言う。聞くのは自由だ。失礼でもない。ただし、本当のことはほぼ返ってこない。

その仕組みを分解した上で、それでも情報を取る方法まで書く。

この記事の要点

  • 聞くこと自体に問題はない。不利益もまず発生しない
  • 返るのは定型文だ。開示は企業側にリスクしかないから
  • エージェント経由なら、フィードバックが取れる場合がある
  • 理由が分からない前提で、仮説を立てて動く方が早い

この相談は、真面目な人ほど届く

私のDMに繰り返し届く形を、まとめるとこうだ。

「面接で落ちた理由を人事に問い合わせるのは、非常識でしょうか。理由が分からないと同じ失敗を繰り返しそうで怖いです。でも、しつこいと思われて業界内で悪い印象がつくのも避けたいです」

この相談を送ってくる人は、だいたい真面目だ。改善したいから理由を知りたい。同時に、迷惑をかけたくないから躊躇する。

だからまず、その2つの不安を潰す。

聞くのは問題ない。不利益もほぼ発生しない

問い合わせは、失礼な行為ではない。

採用は企業と候補者の相互選択であって、候補者から質問が来ること自体は想定内だ。丁寧な文面で1通送るだけなら、非常識にはならない。

業界内で悪評が立つ、という心配も現実的ではない。中途採用の担当者が、1通の問い合わせを他社に共有する動機がない。手間だし、その情報に価値がない。

ただし1つだけ線がある。返答が定型文だった時に、食い下がって二度三度と送るのはやめた方がいい。それは質問ではなく交渉になり、そこで初めて印象の問題が発生する。1往復で終える。これだけ守れば安全だ。

なぜ本当の理由が返らないのか。仕組みの話

ここが本題だ。企業が理由を開示しないのは、意地悪ではなく合理性の帰結になる。

理由1。開示にリスクしかない。

具体的な理由を伝えると、こういう事態が起こり得る。

  • 差別的な判断だと受け取られる(年齢・性別・家庭状況に関わる要素が絡む場合)
  • 反論や再考の要求が来る
  • 内容がSNSに書かれる

そして開示によって企業が得るものは、何もない。採用しなかった人に丁寧に説明しても、事業上の見返りがゼロだ。リスクだけがあってリターンがない行為は、組織では標準化されない。

理由2。そもそも言語化されていないことがある。

面接の評価は、複数の面接官の点数と所感の集約で決まる。「A候補の方が要件に近い」という相対比較で終わっている場合、あなた個人に対する明確な不足の指摘が存在しない。説明しようがない。

理由3。人事が本当の理由を知らない場合がある。

現場部門が判断し、人事は通知だけを担当している構図は普通にある。通知係に理由を聞いても、彼らも知らない。

だから返答は「総合的に判断した結果」になる。あれは逃げの言葉ではなく、正確に言える範囲の上限だ。

それでも情報を取る、現実的な2つの経路

理由が返らないと分かった上で、それでも精度を上げる方法がある。

経路1。エージェント経由の応募を混ぜる。

これが一番確実だ。エージェント経由の応募なら、担当者が企業から不採用の理由を聞ける立場にいる。「経験年数が要件に届かなかった」「別の候補者で決まった」「志望動機の具体性が弱いという評価だった」。この粒度の情報が返ることがある。

直接応募では絶対に取れない情報が、経由するだけで取れる。これはエージェントを使う理由の中で、意外と語られない実利だ。

*クリックすると公式サイトが開く。登録は経歴の入力のみで、面談の日程はあとから調整できる。*

登録後の流れ|① Web入力で登録(数分。職務経歴書は未完成でいい) → ② 担当から連絡が入り、面談の日程を決める → ③ 面談はオンラインか電話。応募後のフィードバックもここで受け取る

パソナキャリアで選考のフィードバックを取れる経路を作る

ただし100%ではない。担当者と企業の関係の深さで、返る情報の量が変わる。面談の時に「不採用の場合、理由のフィードバックはもらえますか」と先に聞いておくといい。その質問への答え方で、担当の力量も測れる。

経路2。自分で仮説を立てて検証する。

理由が返らないなら、仮説で埋めるしかない。そして仮説は、当てずっぽうではなく分解で作れる。

  • 書類は通ったか。通ったなら経歴自体は要件を満たしている。問題は面接の中身にある
  • 一次で落ちたか、最終で落ちたか。一次落ちは受け答えの基礎、最終落ちは別の要因(条件・意欲の見え方・カルチャー)が働く。最終での落ち方は最終面接で落ちる人の共通点に書いた
  • 同じ質問で詰まっていないか。複数社で同じ質問に手応えがなかったなら、そこが穴だ

この3つの切り分けは、理由を教えてもらうより早い。連続で落ちている場合の切り分け手順は5社連続で落ちた時の原因の切り分け方にまとめた。

問い合わせる場合の文面

それでも聞きたい人のために、そのまま使える文面を置く。

件名:選考結果に関するお礼とご質問(氏名)

>

◯◯株式会社 採用ご担当者様

>

お世話になっております。先日面接の機会をいただきました◯◯です。
このたびは選考の機会をいただき、誠にありがとうございました。

>

差し支えない範囲で結構ですので、今後の参考のため、評価いただけなかった点についてご教示いただけますと幸いです。
ご多忙のところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。

要点は3つ。お礼を先に置く。「差し支えない範囲で」と逃げ道を作る。「今後の参考のため」と目的を明示する。

この文面でも、返るのは定型文である可能性が高い。それでいい。送ったこと自体が、あなたの中の「やれることはやった」という区切りになる。それが本当の効用かもしれない、と私は思っている。ここは断定を避けておく。

理由を知らないまま前に進むということ

最後に、気持ちの話を短く。

理由が分からないまま次に進むのは、確かに気持ち悪い。だが転職活動は、分からないまま進むのが標準だ。

私も4回の転職で、落ちた理由を教えてもらえたことは数えるほどしかない。分からないまま応募を続けて、そのうち通った。通った時も、なぜ通ったのか正確には分からなかった。

分からなさに耐える力は、能力ではなく慣れだ。そして慣れる一番の方法は、1社に賭けないことになる。並行して複数社が動いていれば、1社の不明はノイズとして処理できる。

落ち続けて気持ちが削れている人は面接に落ちまくって病む前にを、手応えとのギャップに混乱している人は手応えがあったのに落ちた理由を読んでほしい。

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よくある質問

不採用の理由を企業に聞いてもいいですか?

聞くこと自体に問題はない。失礼にもならず、不利益もまず発生しない。ただし返るのは定型文であることがほとんどだと理解した上で聞くべきだ。1往復で終えること。

なぜ企業は本当の理由を教えてくれないのですか?

開示にリスクだけがあってリターンがないからだ。加えて、相対比較で決まった場合は明確な不足が存在せず、人事自身が理由を知らない構図もある。

落ちた理由を知る方法はありますか?

エージェント経由の応募なら、担当者から企業のフィードバックを聞ける場合がある。直接応募では取れない情報だ。ただし担当者と企業の関係の深さに左右される。

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