不採用が続くと、原因の探し方が変わってくる。
最初は「志望動機が弱かったかな」と考える。5社目あたりから「自分の経歴に価値がないのでは」になる。10社目で、こうなる。
「自分という人間に問題があるのでは」
ここまで来ると、面接の準備の質そのものが落ちる。自信のなさは声と目線に出て、それがまた落選の材料になる。負のループの入口だ。
だから先に結論を置く。落ち続けるのは、人格の問題ではない。要件との不一致の通知が、たまたま連続しているだけだ。
この記事の要点
- 中途採用の不採用は、相対評価の結果通知でしかない
- 自分を責める思考は、次の面接の質を直接下げる
- 詰まっている段階を数字で特定すると、人格の話が工程の話に変わる
- 直すべきは自分ではなく、応募先の選び方であることが多い
私のDMに繰り返し届く相談を、まとめるとこうだ
「転職活動を始めて2ヶ月、10社以上受けましたが全部落ちました。最初は運が悪いだけと思っていましたが、ここまで続くと自分に致命的な欠陥があるとしか思えません。企業のサイトで社員の写真を見ると、みんな明るくて社交的で、自分みたいな暗い人間はそもそも求められていないんだと感じます」
最後の一文が、この相談の核心だ。
社員紹介ページの笑顔の写真と、面接に落ち続けている自分。この2つを並べて、「自分は求められていない側の人間だ」という結論を出してしまう。
この結論の作り方に、はっきりした間違いが2つある。順に潰す。
間違い1。採用サイトの写真は、実態ではなく広報だ
あの写真は、採用広報のために撮られている。
- カメラマンが入って、明るい照明で、笑顔の指示が出ている
- 出演しているのは、社内で「出てもいい」と手を挙げた人か、頼まれて断れなかった人だ
- 撮影の日以外、あの人たちも普通の顔で働いている
あなたが比較しているのは、演出済みの1枚と、疲れた自分の日常だ。この比較で自己評価を出すのは、加工された写真と鏡を比べるのと同じになる。
そして実務的な話をすると、社交的な人だけで構成されている会社は存在しない。どの組織にも、静かに手を動かす人が一定数いる。彼らは採用サイトに出ないだけだ。
間違い2。不採用は、人格の評価ではない
中途採用の選考で見られているのは、募集要件との一致度だ。
- 経験年数が要件に届いているか
- 使ったことのあるツール・業界が重なるか
- 入社可能時期が合うか
- 提示できる年収の帯に収まるか
この4つで大半が決まる。そして、どれ1つとして人格の話ではない。
「明るいか」「社交的か」が要件に入る職種もあるが、それは職種の要件であって人間の優劣ではない。接客で求められる資質と、分析職で求められる資質は逆向きのことすらある。
落ちるのは、不一致の通知だ。通知の書き方が冷たいので、否定に見えるだけになる。
責める思考が、次の選考を実際に壊す
ここは正直に書く。自己否定は感情の問題にとどまらず、選考の結果に物理的な影響を与える。
- 声が小さくなる
- 実績を話す時に「大したことないんですが」と前置きが入る
- 逆質問が減る(「自分が選ぶ側でもある」という感覚が消えるから)
- 条件の希望を言えなくなる
面接官はこれを「自信のなさ」として受け取る。そして自信のなさは、実務の遂行能力への疑問に翻訳されてしまう。
つまり、落ちたことで自分を責めると、次に落ちる確率が上がる。このループを止めるのが、この記事の目的になる。
ループを止める。感覚を数字に移し替える
止め方は精神論ではない。判断の材料を、感覚から数字に移す。
紙かスマホのメモに、これだけ書く。
- 応募した社数
- 書類が通った社数
- 一次面接を通った社数
- 最終まで行った社数
この4つを並べると、詰まっている工程が一発で見える。
書類が通らない(応募10・書類通過0〜1)
→ 面接の問題ではない。経歴の見せ方か、応募先の帯が高すぎる。書類の骨組みは職務経歴書ビルダーで型に沿って作り直せる
書類は通るが一次で落ちる(書類通過5・一次通過0〜1)
→ 受け答えの基礎に穴がある。話が長い、結論が後、逆質問がない。この辺は直せる技術だ
一次は通るが最終で落ちる
→ 能力ではなく別の要因が働いている。最終面接で落ちる人の共通点に分けて書いた
どの段階で止まっているかが分かった瞬間、「自分がダメ」は「この工程がダメ」に変わる。工程は直せる。人格は直せない。扱える形に問題を変換することが、この作業の全部だ。
直すべきは、たぶん応募先の選び方だ
もう1つ、身も蓋もない事実を書く。
同じ人が、応募先を変えただけで通ることは普通に起きる。
10社落ちた人の10社が、全部同じ帯・同じ業界・同じ職種だったなら、それは10回のチャレンジではなく1回のチャレンジを10回繰り返しただけだ。母集団を変えていない。
- 経験が評価される業界にいるか
- 未経験可の求人と経験者要件の求人を混ぜているか
- 年収の帯を、市場の評価と合わせているか
この3つがずれていると、あなたが何をしても通らない。
だから、いま一番効くのは面接の練習ではなく、自分がどの市場から求められているのかを外から測ることになる。
自分の適性がどの方向を向いているのか、言語化から入りたい人はこちら。
*クリックすると公式サイトが開く。適性診断に答えると結果が出て、そのまま相談に進める。*
受けた後の流れ|① 適性診断に答える → ② 結果が表示される → ③ 相談に進むかは結果を見てから決めればいい
実際にどの業界・職種から需要があるかを、市場の反応で見たい人はこちら。
*クリックすると公式サイトが開く。経歴を入力すると、その場で想定年収の目安とスカウトの可否が表示される。*
受けた後の流れ|① 経歴を入力する(10分前後) → ② その場で結果が表示される → ③ 経歴を置いておけばスカウトが届く
こういう人はどちらも不要だ。すでに書類通過率が高く、最終面接まで進めている人。その場合は母集団ではなく、最終の詰め方の問題になる。
私の話も1つだけ
未経験でWeb業界に入ろうとしていた時期、私は書類で落ち続けた。当時は自分に何の価値もないと本気で思っていた。
実際に変わったのは、私の人格ではなく応募先の帯だった。経験者向けの求人を諦めて、育成前提の中小に絞った。同じ経歴、同じ私で、通った。
あの時の落選は、私の否定ではなく、住所の間違いだったんよ。手紙が悪かったのではなく、宛先が違った。
とはいえ、これで全部が説明できるとは思っていない。応募先を変えても通らない時期は普通にあるし、その時の苦しさに私は答えを持っていない。持っていないと書いておく。それでも、宛先を疑うのは今日からできる。
心が削れきっている場合は、応募を止める判断も含めて面接に落ちまくって病む前にを読んでほしい。見た目や話し方を原因だと思い込んでいる人は見た目で落とされたと感じる人へが対になる。
3分で診断:市場価値タイプ診断——あなたの売り物がどの型かを8問で判定する。宛先を確かめる道具として使える。無料・登録不要。
よくある質問
面接に落ち続けるのは自分に問題があるからですか?
人格や能力の問題であることは少ない。中途採用は要件との一致度で決まる相対評価で、落ちるのは不一致の通知だ。応募先を変えただけで通ることは普通に起きる。
自分を責めてしまうのを止める方法はありますか?
判断の材料を感覚から数字に移す。応募数・書類通過・一次通過・最終到達を記録すると、詰まっている工程が見える。人格の問題が工程の問題に変わる。
何社落ちたら応募先を見直すべきですか?
書類が10社連続で通らないなら経歴の見せ方、面接が5社連続で通らないなら受け答えか応募先の帯を見直す目安だ。数より、どの段階で止まっているかの一貫性を見ろ。
転職の資料をLINEで無料配布中
応募の記録シートと職務経歴書テンプレをLINEで無料配布している。自分を疑う前に、宛先を疑ってほしい。




