入社書類に「身元保証書」がある。保証人を2人書けと言う。誰に頼めばいいのか。親は遠くにいる。配偶者でいいのか。友人に頼んでいいのか。頼まれた人は、どこまで責任を負うのか。

先に言う。身元保証人は、親か配偶者に頼むのが普通だ。2人求められたら、親と配偶者、または両親。友人は避ける。保証人の責任は、2020年の法改正で上限額を書かない保証は無効になった。身元保証人とは、誰に頼むか、何人か、会社の条件、保証人の責任と上限、頼む時の言い方、書き方、拒否できるか、頼める人がいない時、頼まれた側の判断を書く。

先に一文で。身元保証人は本人が故意や重過失で会社に損害を与えた時にその一部を保証する人で、親か配偶者に頼み、2人なら両親か親と配偶者、友人は避け、会社の条件(成人・独立した生計・収入)を書式で先に見て、保証人本人に自筆で書いてもらい代筆せず、責任は身元保証法で本人の過失と会社の監督を考えて限定され2020年の民法改正で上限額の記載がない保証は無効、期間は原則3年で最長5年、頼める人がいなければ会社に1人でいいか保証人なしか代行でいいかを聞くのが正解だ。

この記事の要点

  • 親か配偶者。2人なら両親か親と配偶者
  • 友人は避ける
  • 責任は限定され、上限額の記載がないと無効
  • 頼める人がいなければ会社に聞く

身元保証人とは

本人が会社に損害を与えた時(横領・重大な過失による事故など)に、本人と一緒に、または本人が払えない時に、損害の一部を保証する人だ。会社が身元保証書の書式を渡し、保証人が署名と印鑑(印鑑証明を求める会社もある)をして提出する。

法律で義務付けられた制度ではなく、会社の慣習だ。求めない会社も増えている。入社書類の全体は入社書類は何が必要かに書いた。

誰に頼むか

相手判断
親基本。会社の条件(収入がある・独立した生計)を満たしやすい。年金生活でも受け付ける会社は多い
配偶者基本。ただし「別世帯」を条件にする会社では認められないことがある
兄弟・姉妹成人で独立した生計なら可
祖父母・叔父叔母可。収入の条件を満たせば
成人した子可
友人避ける。頼まれる側が損害を保証する責任を負う。関係に影響する
同居人・婚約者会社の条件による。「別世帯」「親族」を条件にしていると認められない
勤務先の上司や同僚認められないことが多い(会社側の人が保証するのは意味がない)

会社の書式に保証人の条件(続柄・年齢・職業・別世帯か)が書いてある。先に見て、条件に合う家族から頼む。

何人要るか

人数中身
1人多くの会社。親か配偶者
2人金融・不動産・現金を扱う職種で多い。両親、または親と配偶者。「うち1人は別世帯」の条件が付くことがある
0人求めない会社。増えている

2人求められて、条件に合う人が1人しかいない時は、会社に「1人でよろしいですか」と聞く。

会社が求める条件

条件中身
成人18歳以上
独立した生計自分の収入か年金で生活している。学生や無職は認められないことがある
収入がある給与所得か年金。金額の条件は少ない
本人と別世帯求める会社と求めない会社がある。配偶者が認められない理由はこれ
日本国内に居住海外在住の親族は認められないことが多い
印鑑証明求める会社は、保証人の実印と印鑑証明書(3か月以内)

保証人が負う責任と上限

項目中身
何を保証するか本人が故意や重大な過失で会社に損害を与えた時の、損害の一部
どこまで身元保証法で、裁判所は本人の過失の程度、保証人が保証に至った事情、会社の監督の状況を考えて範囲を決める。全額を負うことはまれ
上限額2020年4月の民法改正で、個人が保証人になる根保証は上限額(極度額)を書面に書かないと無効。数十万〜数百万円、本人の年収の1〜2年分程度が多い
期間原則3年。書面で定めれば最長5年。自動更新はない。更新には改めて保証書が要る
会社の通知義務本人に問題があり保証人の責任が生じそうな時、会社は保証人に通知する義務がある。通知を受けた保証人は解除できる

保証書に上限額が書いてなければ、その保証は無効だ。頼まれた人は、上限額と期間を見てから署名する。

頼む時の言い方

転職先の入社書類で、身元保証人が要る。本人が会社に大きな損害を与えた時に一部を保証する物で、上限は◯◯万円、期間は3年。保証書に署名と印鑑をお願いしたい。印鑑証明も要るので、一緒にお願いできるか。

上限額と期間を先に言う。「形式的な物だから」とは言わない。頼まれる側が中身を知った上で引き受ける方が、後で揉めない。

保証人の書き方

欄書き方
氏名・住所・生年月日保証人本人が自筆で。住民票通り
続柄本人から見た続柄(父・母・配偶者)
職業会社員・自営業・年金受給者
印保証人の印鑑。印鑑証明を求められれば実印
日付署名した日

あなたが代筆しない。代筆すると保証の効力が争われ、あなたの側の虚偽にもなる。遠方の親には、書式を郵送して、書いてもらって返送してもらう。1〜2週間かかるので、内定後すぐに動く。誓約書本体の書き方は入社誓約書の書き方に書いた。

拒否できるか

身元保証人の提出は法律の義務ではないが、会社が入社の条件にしていれば、出さないと入社が進まないことがある。拒否するより、「頼める人がいない」「1人しかいない」と事情を伝えて、代わりの方法を聞く方が現実的だ。誓約書のサインを拒否する線は入社誓約書のサインは拒否できるかに書いた。

頼める人がいない時

親が高齢で年金生活、親族と疎遠、配偶者がいない、海外在住。会社に事情を伝えて、1人でいいか、保証人なしでいいか、身元保証の代行サービス(保証会社。年1〜2万円程度)でいいかを聞く。順番と代行の線は転職で身元保証人がいない時に書いた。頼めないことで内定が消えることは、まれだ。

保証人になってほしいと頼まれた側の判断

見る点判断
上限額が書いてあるか書いてなければ無効。書いてある額を見る
期間3年か5年か。自動更新はない
本人の職種現金や機密を扱う職種は、損害が起きる可能性がある
会社の通知義務本人に問題が起きたら通知が来る。来たら解除できる
自分の生活への影響上限額を払うことになっても生活が壊れないか

親や配偶者が頼まれた場合、上限額と期間を確かめて、納得できれば引き受ける。全額を負うことはまれで、通知が来たら解除できる。友人から頼まれた場合は、断っていい。

よくある質問

身元保証人の印鑑証明は、なぜ要るのか

保証人が本人であることの確認と、実印で意思を示すため。求める会社と求めない会社がある。保証人が印鑑登録をしていなければ、役所で登録してから証明書を取る(1〜2日)。

身元保証人に、本人の給料や評価は伝わるか

伝わらない。会社が保証人に連絡するのは、本人に問題があり保証人の責任が生じそうな時だけだ。

前の会社の身元保証は、退職で終わるか

終わる。身元保証は、その会社との雇用に付いている。退職すれば保証人の責任もなくなる。

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