不妊治療をしている。通院は月に数回、急に入る。今の会社は休みにくい。転職したいが、転職してすぐ妊娠したらどうなるのか。面接で妊活のことを言うべきか。今は動かない方がいいのか。
先に言う。妊活中の転職は、伝える義務はない。だが、入社1年未満は育休の対象外になる会社がある。転職するなら、その1年を見込んで動くか、育休の条件を先に確かめて選べ。産休は入社日から取れる。転職するかの判断、タイミング、面接で伝えるか、会社の選び方、入社直後に妊娠した時、治療と活動の日程、収入と治療費、パートナーと決める順番を書く。
先に一文で。妊活中の転職は妊活以外に転職の理由があり次の会社の育休の条件(入社1年未満の除外の有無)と休みの取りやすさを確かめられるなら動いてよく、面接で妊活を伝える義務はなく聞かれても答えなくてよく、通院の休みが要るなら内定後に人事へ休みの形で伝え、産休は入社日から取れるが育休は労使協定で1年未満が除外されることがあるので就業規則を先に読み、不妊治療の休暇制度や時短とリモートの実績で会社を選び、治療の段階と活動の日程をパートナーと合わせるのが正解だ。
この記事の要点
- 伝える義務はない。聞かれても答えなくていい
- 入社1年未満は育休の対象外の会社がある
- 産休は入社日から取れる
- 育休の条件と休みの取りやすさで会社を選ぶ
転職するかの判断
| 見る点 | 動いていい | 今は動かない |
|---|---|---|
| 転職の理由 | 妊活以外にある(仕事の中身・働き方・人) | 妊活だけ。今の会社の制度を使う方が早い |
| 治療の段階 | タイミング法や通院が月1〜2回 | 体外受精の周期の途中。通院が週に複数回 |
| 今の会社の理解と制度 | 休みにくい、制度がない | 休みやすい、不妊治療の休暇がある |
| 次の会社の確認 | 育休の条件と休みの取りやすさを確かめられる | 確かめられない、急いでいる |
妊活だけが理由なら、今の会社で時短や休暇の制度を使う方が、転職の負荷より軽いことがある。転職の理由を紙に書いて、妊活を消しても残る理由があるかを見る。
タイミングの線
| 時期 | 判断 |
|---|---|
| 治療の合間(周期と周期の間・休薬の期間) | 転職活動の面接を入れやすい |
| 体外受精の採卵や移植の周期 | 通院が集中する。活動を止めるか、日程を避ける |
| 転職後1年 | 育休の対象外になる会社がある。この1年に妊娠する可能性を見込んで、育休の条件を先に確かめる |
| 入社直後 | 産休は取れる。育休は会社の規定 |
入社1年未満の育休と産休の線は試用期間中に育休・産休は取れるかに書いた。妊活中の転職は、この記事の内容を入る前に知っておく話だ。
面接で妊活を伝えるか
| 場面 | 判断 |
|---|---|
| 面接で自分から言う | 言わなくていい。義務はない |
| 面接で妊娠や出産の予定を聞かれた | 答えなくていい。「仕事に支障はありません」で止める。聞くこと自体が均等法で問題になる質問 |
| 通院で休みの時間が要り、配慮を頼みたい | 内定後に人事へ。病名でなく休みの形で。「通院で月◯回、半日の休みが必要な時期があります」 |
| 入社後に配慮が要る状態になった | その時点で人事へ |
伝えないことで、後で問題になることはない。伝えるのは、配慮を頼む時だけ。病歴を伝えるかの線はうつ病の経歴を転職で伝えるかと同じ考え方だ。業務に影響する配慮が要るなら伝え、要らないなら伝えない。
会社の選び方
| 見る物 | 確かめ方 |
|---|---|
| 育休の労使協定の除外 | 就業規則の育児休業の条項に「入社1年未満の者を除く」があるか。内定後に人事に聞く |
| 不妊治療の休暇制度 | あれば求人票や採用ページに書いてある。「不妊治療休暇」「通院休暇」 |
| 時短とリモートの実績 | 制度でなく、使っている人の数と割合 |
| 有給の取りやすさ | 消化率、半日や時間単位の有給の有無 |
| くるみん認定・えるぼし認定 | 子育て支援と女性の活躍の認定。あれば制度が整っている印 |
| 女性の育休の取得率と復職率 | 採用ページに数字があるか |
内定後に人事に聞く言い方。「育児休業の規定を確認したい。入社1年未満の扱いはどうなっていますか。半日や時間単位の有給はありますか」。聞くことで、印象は落ちない。
入社直後に妊娠した時
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 産休 | 労基法65条で、入社日から取れる。産前6週、産後8週 |
| 育休 | 会社の労使協定で入社1年未満が除外されていれば取れないことがある。除外がなければ取れる |
| 育休が取れない時の道 | 産休の後に有給や欠勤で復職の時期を相談。入社1年を過ぎた時点から育休に入る |
| 育児休業給付金 | 雇用保険の加入期間は前職と通算できる(前職の離職後に失業保険を受けていなければ) |
| 伝える順番 | 直属の上司に、体調や業務の調整が必要になった時点で。人事に産休の時期と育休の可否を相談 |
| 不利益な扱い | 妊娠を理由にした解雇や本採用見送りは禁止。伝えた前後の記録を残す |
内定後や入社直後に妊娠が分かった時の伝え方は転職直後・内定後に妊娠が発覚したに書いた。
治療と転職活動の日程の合わせ方
| やること | 中身 |
|---|---|
| 治療の周期を先に決める | 通院が集中する日を、面接の候補から外す |
| 一次面接をオンラインに | 通院の日の前後でも受けられる |
| 面接の候補日を3つ出す | 治療の日程が動いた時に、選び直せる |
| 内定から入社までを1か月半〜2か月に | 治療の区切りと合わせて入社日を決める |
| 活動期間を3〜4か月と決める | 長引くと、治療と活動の両方が消耗する |
収入と治療費の見通し
不妊治療は2022年4月から保険が適用され、体外受精でも自己負担が3割になった(回数と年齢の条件あり)。それでも、1周期で数万〜十数万円かかる。転職で年収が下がる場合、治療費を含めた家計で下限を決める。転職の空白期間を作ると、健康保険の切り替えで治療の時期に影響することがあるので、在職中に動いて、退職の翌日に入社する形にする。
パートナーと決める順番
- 転職の理由(妊活以外)を共有する
- 治療の段階と、転職活動の期間を合わせる
- 年収の下限と、治療費を含めた家計を出す
- 次の会社の育休の条件と休みの取りやすさを、内定後に一緒に見る
- 転職後1年以内に妊娠した場合の道(産休の後の復職の形)を、先に決めておく
30代女性のキャリアの悩みの全体は30代女性のキャリアの悩みが複雑になる理由に書いた。妊活と転職は、その中の1つの組み合わせだ。
よくある質問
妊活を理由に転職を止められた(今の会社の上司から)
止める権利は会社にない。ただし、今の会社の制度(休暇・時短)が使えるなら、それを使いながら転職活動をする選択もある。上司の言葉でなく、制度で判断する。
転職先が決まった後に妊娠が分かった
内定後なら、入社前に人事に伝えるかは本人の判断。産休は入社日から取れる。育休は会社の規定。伝えた後の内定取り消しは、妊娠を理由にすれば違法になり得る。線は転職直後・内定後に妊娠が発覚したに書いた。
男性で、妻が妊活中。自分の転職はどうか
妻の治療費と家計の見通しで判断する。妻の産休育休の時期と自分の転職を重ねない。線は子持ち男性の転職の記事に書いた考え方と同じだ。
転職の資料をLINEで無料配布中
妊活中の転職の判定表(理由・治療の段階・今の会社の制度・次の会社の確認)と、内定後に人事に聞く育休と休みの質問の型を公式LINEで無料配布している。伝える義務はない。確かめる権利はある。

