転職して3か月。試用期間中に妊娠が分かった。産休は取れるのか。育休は、入社1年未満だと取れないと聞いた。本採用が見送りになるのではないか。誰に、いつ、何と言えばいいのか。

先に言う。産休は入社した日から取れる。育休は、入社1年未満を除く労使協定があると取れないことがある。就業規則の育休の条項を、伝える前に読め。産休の線、育休の線、有期契約、育休が取れない時の代わり、給付金、試用期間中の休みの扱い、伝える順番と言い方、不利益な扱いの禁止、相談先を書く。

先に一文で。試用期間中でも産前産後休業は労基法65条で雇用期間を問わず取れ、育児休業は労使協定で入社1年未満の人を除外できるので就業規則の育休の条項を先に読み、除外されていれば産休後に有給や欠勤や復職時期を会社と相談し、育児休業給付金は前職の雇用保険の期間と通算して休業前2年間に11日以上働いた月が12か月以上あれば受けられ、妊娠を理由にした解雇や不利益な扱いは禁止なので記録を残し、直属の上司と人事に体調や業務の調整が必要になった時点で伝えるのが正解だ。

この記事の要点

  • 産休は入社した日から取れる
  • 育休は入社1年未満除外の協定があると取れないことがある
  • 給付金は前職と通算できる
  • 妊娠を理由の解雇・不利益は禁止

産休の線

項目線
根拠労働基準法65条
対象雇用期間・雇用形態を問わない。試用期間中も、入社した月も
産前出産予定日の6週間前(多胎は14週間前)から、本人が請求すれば
産後8週間は就業させてはならない。6週間を過ぎて本人が請求し、医師が認めた業務は可
給料会社の規定による。無給の会社が多いが、健康保険から出産手当金(標準報酬日額の3分の2)
社会保険料産休中は本人と会社の両方が免除

会社は拒めない。試用期間中であることは、産休の取得に関係しない。

育休の線

項目線
根拠育児・介護休業法
原則子が1歳になるまで(保育園に入れない等の事情で最長2歳まで)、本人が申し出れば取れる
除外できる人労使協定を結んでいる会社は、入社1年未満の人、1週間の所定労働日数が2日以下の人、申し出から1年以内に雇用が終了する人を対象外にできる
協定がない会社入社1年未満でも取れる
有期契約子が1歳6か月になるまでに契約が満了して更新されないことが明らかでなければ取れる(2022年4月の改正で、1年以上の継続雇用の要件は撤廃)。ただし労使協定による入社1年未満の除外は有期にも適用され得る

やることは1つ。就業規則の育児休業の条項を読む。「入社1年未満の者を除く」とあれば、育休は取れない可能性がある。なければ取れる。就業規則は、会社が労働者に周知する義務があるので、人事に「就業規則の育児休業の条項を確認したい」と言えば見られる。

除外されていても、会社が任意で認めることはある。取れないと決めつけず、人事に「入社1年未満ですが、育児休業の取得について相談したい」と聞く。

育休が取れない時の代わり

手中身
産後8週間の産休これは取れる
年次有給休暇入社6か月を過ぎていれば付与されている(労基法39条)。産休後に使う
欠勤・休職会社の規定で、無給の休職を認めてもらえるか相談
復職時期の相談産休明けの復職と、保育の手配。入社1年を過ぎた時点から育休に入れるかも聞く(入社1年を過ぎれば除外の対象から外れる)
配偶者の育休配偶者が育休を取る。配偶者の会社の制度で

入社1年を過ぎた時点で除外から外れるので、産休の終わりが入社1年を過ぎていれば、そこから育休に入れる。日付を数える。

育児休業給付金

条件線
加入雇用保険の被保険者
期間育休開始前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上
前職との通算できる。前職の離職から今の会社の入社までに失業保険を受けていなければ、前職の雇用保険の期間と通算する
額休業開始から180日は休業開始時賃金の67%、181日目以降は50%

試用期間中で今の会社の加入期間が短くても、前職と通算して12か月以上あれば受けられる。ただし、育休そのものが取れないと給付金も出ない。育休が取れることが先だ。

試用期間中の休みの扱い

休み扱い
有給入社6か月経過後に付与。それまでは有給はない(会社が前倒しで付与する規定があれば別)
つわりや通院での欠勤有給がなければ欠勤扱い。無給。ただし、妊娠中の通院は男女雇用機会均等法で時間の確保が義務付けられている(欠勤扱いにはなり得るが、休むこと自体は拒めない)
試用期間の延長欠勤が多いと、試用期間を延長すると言われることがある。延長の線は試用期間の延長を言われたに書いた

試用期間中の有給と社会保険の全体は試用期間中の有給・社会保険・給料に書いた。

伝える順番と言い方

  1. 就業規則の育休の条項を読む
  2. 直属の上司に、体調や業務の調整が必要になった時点で伝える。安定期を待つ必要はない。つわりで休む前に伝えた方が、休みの理由が分かる
  3. 人事に、産休の時期と、育休の取得の可否を相談する
  4. 伝えた日時と内容をメモに残す
妊娠が分かり、出産予定日は◯月◯日です。産前産後休業を取得したいと考えています。育児休業については、入社1年未満のため取得できるかを確認させてください。業務については、◯月ごろまでは通常通り担当し、体調で調整が必要になった時は早めにご相談します。

内定後・入社直後に妊娠が分かった時の伝え方は転職直後・内定後に妊娠が発覚したに書いた。

不利益な扱いの禁止

妊娠・出産・産休や育休の申し出を理由にした解雇、降格、減給、契約の不更新、本採用の見送りは、男女雇用機会均等法9条と育児・介護休業法10条で禁止されている。妊娠を伝えた後に本採用見送りを告げられたら、理由を書面で求める。妊娠以外の正当な理由を会社が示せなければ、無効になり得る。

現実には、「能力不足」など別の理由を付けられることがある。伝える前後の評価や指導の記録、上司とのやりとりのメールを残す。育休明けに席がないと言われた時の線は育休明けに戻る席がないと言われたらに書いた。

相談先

状況相談先
育休の条項が分からない・会社が回答しない都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)
妊娠を伝えた後に不利益な扱い同上。マタニティハラスメントの相談窓口
給付金の条件ハローワーク
出産手当金加入している健康保険(協会けんぽ・健保組合)

よくある質問

試用期間中に妊娠が分かった。本採用まで黙っていた方がいいか

体調と業務に影響がなければ、伝える時期は自分で決めていい。ただし、つわりで休む、通院で早退する、という場面が出たら、理由を言わずに休む方が評価に響く。伝えた上で休む方が、記録も残る。

育休が取れないなら、辞めた方がいいか

辞めると、育児休業給付金も、産休中の出産手当金(退職後も条件を満たせば継続受給できる場合がある)も、復職先も失う。産休は取れるので、産休を取りながら、復職の形を会社と相談する。辞めるのは、その後で決めていい。

男性で、試用期間中に妻が出産する。育休は取れるか

同じ線だ。労使協定で入社1年未満が除外されていれば取れないことがある。産後パパ育休(出生時育児休業)も同じ除外が適用され得る。就業規則を読んで、人事に相談する。

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