元同僚から「うちの会社、人を探している。紹介するから受けてみないか」と言われた。リファラル採用というやつだ。受かりやすいのか。落ちたら気まずくないか。条件が合わなかったら、断れるのか。
先に言う。リファラルは入口が変わるだけで、選考は普通にある。落ちることも、断ることもできる。紹介者に迷惑をかけない線は1つ、結果を自分から先に伝えることだ。仕組み、流れ、選考は甘いか、紹介者への頼み方と聞くこと、落ちた時、断りたい時、同じ部署になる時、他の経路との違い、年収交渉、報酬、避ける場面を書く。
先に一文で。リファラル採用は社員の紹介で応募する入口で書類は通りやすいが面接は同じ基準で行われ、流れは紹介者への相談・カジュアル面談・正式応募・通常の選考・内定で、紹介者には部署の実態と辞めた人の理由を聞き、落ちても紹介者の評価は下がらず、断る時は紹介者に先に伝えてから企業に辞退し、年収交渉も通常通りでき、紹介者との関係で入社を決めないのが正解だ。
この記事の要点
- 入口が変わるだけ。面接の基準は同じ
- 落ちても紹介者に迷惑はかからない
- 断る時は紹介者に先に伝える
- 紹介者の顔で入社を決めない
仕組み
リファラル採用は、社員が知人を会社に紹介し、その人が採用されると紹介した社員に報酬(数万〜数十万円)が出る制度だ。企業側は、転職エージェントに払う手数料(年収の3割前後)より安く、社員の知人という信用の付いた人を採れる。だから、多くの会社が制度を持っている。
紹介者に報酬が出ることは、気にしなくていい。それは会社と紹介者の間の話で、あなたの選考には関係しない。
流れ
| 段 | 中身 | 期間 |
|---|---|---|
| 1.紹介者に相談 | 職種、部署、働き方、条件を聞く。受けるか決める | 1〜2週間 |
| 2.カジュアル面談 | 人事か配属先の上司と、選考でない形で話す。会社によってはない | 1週間 |
| 3.正式応募 | 履歴書と職務経歴書を出す。紹介者経由か、人事から直接案内 | 数日 |
| 4.選考 | 面接2〜3回。通常の中途採用と同じ | 3〜6週間 |
| 5.内定 | 条件の提示。承諾か辞退 | 1週間 |
カジュアル面談は選考でないと言われるが、印象は残る。服装と話す内容は面接に近い基準で。
選考は甘いか
| 段階 | 通りやすさ |
|---|---|
| 書類選考 | 通りやすい。紹介の信用で、書類だけで落とされることが少ない |
| 一次面接 | 同じ基準。紹介者の話と、あなたの話が合っているかを見られる |
| 二次・最終 | 同じ基準。落ちる人は普通にいる |
企業側は、紹介者との関係で採用の質を下げると制度が崩れるので、面接の基準は変えない。「紹介だから受かる」と準備を薄くすると落ちる。
紹介者への頼み方と聞くこと
頼み方は、「受けてみたい。応募の前に、会社のことを聞かせてほしい」。紹介者は会社の中の人なので、求人票に書いていないことを聞ける。
| 聞くこと | なぜ |
|---|---|
| 配属される部署の人数と、上司がどんな人か | 面接では聞きにくい |
| 残業の実態、リモートの運用 | 求人票の数字と実態の差 |
| 直近1年で辞めた人の数と理由 | 定着の実態 |
| 紹介者自身が、その会社をどう思っているか | 紹介の動機(報酬か、本当に勧めたいか) |
| 年収の相場と、中途で入った人の額 | 交渉の材料 |
聞いた内容は、面接で「◯◯さんから聞いた」と言わない。自分で調べたこととして使う。
落ちた時の紹介者との関係
落ちても、紹介者の評価は下がらない。企業は紹介した人が全員採用されるとは思っていない。
迷惑になるのは2つ。結果を伝えずに放置すること、選考の途中で連絡を返さずに消えること。落ちたら、自分から紹介者に伝える。
結果はご縁がなかった。紹介してくれてありがとう。面接で会社のことをよく知れたので、受けてよかった。
これで関係は続く。
断りたい時
内定が出て、条件や仕事の中身を見て断りたい時は、断れる。順番が要る。
- 紹介者に先に伝える。「条件を見て考えた結果、今回は辞退することにした。紹介してもらったのに申し訳ない。理由は◯◯」。理由を1つ添える
- その後で、企業に通常の辞退の連絡をする。辞退の文面は内定辞退の理由の伝え方に書いた
順番が逆になると、紹介者が企業から先に聞いて気まずくなる。紹介者の顔を立てるために入社するのは、入った後に紹介者にも会社にも迷惑になる。断る判断は、他の応募先と同じ基準でいい。
入社後に紹介者と同じ部署になる時
紹介者が上司や同僚になることがある。関係が近すぎると、周りから「紹介で入った人」と見られやすい。入社後の最初の3か月は、紹介者に頼りすぎず、他の人にも聞く。紹介者にも「入った後は、他の人と同じ距離で接してほしい」と先に言っておく。
他の経路との違い
| 経路 | 書類 | 面接 | 条件交渉 | 情報 |
|---|---|---|---|---|
| リファラル | 通りやすい | 同じ | できる | 中の人から実態が聞ける |
| 直接応募 | 通常 | 同じ | 自分で | 求人票と面接だけ |
| 転職サイト | 通常 | 同じ | 自分で | 求人票と口コミ |
| エージェント | 推薦状で通りやすい | 同じ | エージェントが間に入る | エージェントが知る範囲 |
リファラルの強みは、書類の通りやすさと、中の人から実態を聞けることだ。エージェントを使わない経路の全体は転職エージェントは使わない方がいいのかに書いた。
年収交渉はできるか
できる。紹介だから交渉しにくい、ということはない。企業側はエージェントの手数料がかからない分、条件を出しやすい面もある。交渉は通常通り、内定後に、額を1つと根拠を添えて。紹介者には交渉の中身を言わなくていい。
避けた方がいい場面
| 場面 | 理由 |
|---|---|
| 紹介者が「絶対受かる」「俺の顔で」と言う | 選考の基準は変わらない。期待の差で気まずくなる |
| 紹介者が報酬の話を先にする | 紹介の動機が報酬。会社の実態を正直に話してくれない可能性 |
| 紹介者との関係が浅い(1回会っただけ) | 実態を聞けない。リファラルの利点がない |
| 自分が受けるか迷っている段階で、紹介者が人事に名前を出した | 断りにくくなる。受けると決めてから名前を出してもらう |
紹介者に名前を出してもらうのは、受けると決めてから。それまでは「話を聞かせてほしい」の段階で止める。
よくある質問
リファラルで応募すると、今の会社にバレるか
バレない。紹介者があなたの現職の同僚でなければ、経路はない。紹介者が現職の元同僚で、まだ現職とつながりがある場合は、「現職には言わないでほしい」と先に頼む。
リファラルとエージェント経由で、同じ会社に重複して応募してしまった
企業側で重複が分かる。先に届いた経路が有効になることが多い。リファラルで進めたいなら、エージェントに取り下げを頼む。
紹介者に、お礼をすべきか
入社が決まったら、食事に誘うか、一言の礼で足りる。紹介者には会社から報酬が出ている。高価な物は要らない。
転職の資料をLINEで無料配布中
リファラルで受ける前に紹介者に聞くこと10項目の表と、落ちた時・断る時の連絡の型を公式LINEで無料配布している。紹介は入口だ。決めるのは、自分の基準で。

