転職の時期を調べると、出てくるのは「1月から3月が活発」という話ばかり。じゃあ秋に動きたい自分は、半年待つべきなのか。

待たなくていい。転職市場には、下期入社(10月)に向けたもう1つの波が8〜9月にある。年明けの波より小さいが、そのぶん空いている。この波の乗り方を書く。

この記事の要点

  • 企業の半期の区切りが、8〜9月の求人の波を作る
  • 波の総量は年明けより小さいが、応募者も少ない。競争密度では穴場だ
  • 逆算はお盆明け準備・9月頭応募・10月入社が標準になる
  • 間に合わなければ11月入社でも年明けでもいい。日付より会社の質だ

なぜ10月入社の波があるのか。半期の区切りで会社は動く

多くの日本企業は、4月に始まる年度を上期(4〜9月)と下期(10〜3月)に区切って動いている。この区切りが、採用にも波を作る。

  • 下期の体制づくり。組織変更・新プロジェクトの開始が10月に設定され、その人員を秋までに揃えたい求人が夏に出てくる
  • 上期の欠員の補充。上期中の退職・異動で空いた席を、下期の頭までに埋めたい採用が動く
  • 予算の執行。年度内に採用予算を使い切る計画が、下期入社の枠として夏〜秋に市場へ出る

つまり8〜9月の求人の波は、気分ではなく会社のカレンダーが作る再現性のある動きだ。1月の波(仕組みはこちら)と原理は同じで、規模が一回り小さいだけになる。

下期の波の特徴。空いていることが最大の利点

年明けの波との違いを、正直に比較する。

求人の総量は、年明けの方が多い。4月入社は新年度の区切りとして最大の採用イベントで、下期はそれに次ぐ第2の波だ。

だが、応募者の数も年明けの方がずっと多い。年末年始に決意した層、ボーナスを受け取った層が1〜3月に集中するからだ。一方、下期の波に気づいて動く人は少ない。結果として、1求人あたりの競争密度は、下期の方が緩いことがある。

もう1つの利点は、選考のスピードだ。下期の採用は「10月までに埋めたい」という期限が明確だから、企業側の意思決定が速い。応募から内定までが年明けの波より短く進むことも珍しくない。早く決めたい人と、期限のある採用は相性がいい。

注意点も書いておく。下期入社は中途の同期が少なく、研修が個別対応になりがちだ。受け入れ体制は面接で確認しておくといい(中途入社の立ち上がりの記事で書いた馴染み方の話が、下期入社ではより実用的になる)。

逆算スケジュール。お盆明けが合図だ

10月1日入社から巻き戻す。

時期やること
8月中旬〜下旬職務経歴書の完成・サービス登録・エージェント面談
9月上旬応募開始(3〜5社の並行が管理の上限)
9月中面接(下期採用は日程が速く進みやすい)
9月下旬内定・条件交渉・現職への退職申し出
10月1日入社(引き継ぎ次第で10月中旬〜11月も現実的)

見ての通り、9月下旬の退職申し出から10月1日入社はかなり窮屈だ。現実には、就業規則の予告期間(1ヶ月前など)を踏まえて、10月中旬〜11月入社で着地する形が多い。それで何の問題もない。10月1日は目安であって、締め切りではない。

在職中の活動の回し方(面接日程の作り方・バレない動き方)は在職中の転職活動をバレずに進める方法にまとめてある。夏休み明けの「辞めたいかもしれない」から観察を始めた人は、9月の辞めたさの扱い方の2週間観察を経てからこの日程に乗ればいい。

使う道具。期限のある採用には伴走が効く

下期の波は速度が出る分、日程調整と条件交渉の事務量が集中する。1人で回すより、伴走をつける価値が大きい波だ。

*クリックすると公式サイトが開く。登録は経歴の入力のみで、面談の日程はあとから調整できる。*

登録後の流れ|① Web入力で登録(数分。職務経歴書は未完成でいい) → ② 担当から連絡が入り、面談の日程を決める → ③ 面談はオンラインか電話。下期入社の求人に絞った紹介も頼める

パソナキャリアで下期の求人を相談する

並行して、受け身の経路も敷いておく。下期の求人は出てから埋まるまでが速いから、条件を登録して向こうから来させる形が特に機能する時期だ。

*クリックすると公式サイトが開く。経歴を登録すると、企業やエージェントからのスカウトが届く。*

登録後の流れ|① 経歴と希望条件を入力する → ② 下期採用のスカウトが届く → ③ 気になったものだけ返信すればいい

マイナビスカウティングで下期の声を待つ

間に合わなくても、負けではない

最後に、この記事を9月後半や10月に読んでいる人へ。

波に乗り遅れたと感じても、失ったものはほぼない。中途採用の入社日は交渉できるから、いい会社に出会えたなら11月でも12月でも入社の相談はできる。そして、いま進めた準備(棚卸し・書類・登録)は、年明けの大きな波にそのまま持ち越せる仕込みになる。

一番の損は、波の日付に合わせるために会社選びの基準を下げることだ。これは4月入社の記事(4月入社はいつから動くべきか)でも書いた原則で、季節が変わっても変わらない。日付は手段、行き先が目的。下期の波は、その行き先に早く着くための追い風の1つにすぎないんよ。

あわせて検索される疑問に、先に答えておく

下期入社だとボーナスはどうなるのか

10月入社の場合、冬の賞与(12月)は査定期間のほとんどに在籍していないため、寸志程度か対象外になるのが一般的だ。満額に近づくのは翌年夏からになる。初年度の年収は求人票の想定より低く着地しやすいから、オファー面談で初年度の賞与の扱いを確認し、家計は月給ベースで組んでおく。前職の冬賞与を受け取ってから12月末で退職し、1月入社にする組み方との比較は、冬のボーナスをもらって辞める記事の逆算が使える。

下期からの入社だと評価やキャリアで不利にならないか

ならない。中途採用は通年入社が前提の世界で、評価の起点が半期ずれるだけだ。むしろ下期入社には、年度の途中から入って年度末までの短期で最初の実績を作り、4月からの新年度をフル在籍で走れるという立ち上がりの利点もある。入社月で不利になる会社があるとすれば、それは制度の作りが古い会社で、選考の段階で評価制度を聞けば見分けられる。

よくある質問

10月入社を狙うならいつから動けばいいですか?

8月中の準備・9月上旬の応募開始が標準だ。お盆明けが準備開始の合図で、実際の着地は10月中旬〜11月入社でも何も問題ない。

下期入社の求人は年明けと比べて少ないですか?

総量は少ないが応募者も少なく、競争密度では緩いことがある。半期の区切りで動く質の高い求人も普通に混ざる、穴場の波だ。

10月入社に間に合わなかったらどうすればいいですか?

11月・12月入社で交渉するか、年明けの波に切り替える。準備は持ち越せる。日付に合わせて会社の質を下げるのが一番の損だ。

下期の逆算はLINEで。転職戦略シートを無料配布中

応募から入社日までの日程管理ができる転職戦略シートを、公式LINEで無料配布している。空いている波は、準備した人のものだ。

LINEで無料の資料を受け取る