退職届を出したら、上司が受け取らなかった。「認めない」「いま人が足りないのは分かってるだろう」。紙を突き返されて、退職そのものが止められた気分になっている。
止まっていない。退職の効力は、会社の受理ではなく、あなたの意思表示の到達で発生する。受け取り拒否は、到達を遅らせる嫌がらせにはなっても、退職を止める力はない。到達を作る手順を3段階で書く。
この記事の要点
- 受理と到達は別物。到達すれば2週間ルールのカウントが始まる
- 手順は3段階。上の上司→人事部→内容証明郵便
- 内容証明+配達証明で、到達の日付が動かぬ証拠になる
- 拒否された時点から、やり取りは記録に残す形へ切り替える
大前提。受理されなくても退職できる理由
民法の原則で、期間の定めのない雇用は退職の意思表示が到達してから2週間で終了する。ここに「会社の承認」という要件はない。
つまり上司が紙を受け取らなくても、あなたの意思表示が会社に届いた事実さえ作れば、カウントは始まる。受け取り拒否をする上司は、この事実を作らせないために紙を返している。だからやるべきことは説得ではなく、到達の証拠作りだ。
なお、退職日を上司の一存で動かされそうになる、理由を書き換えろと言われる、といった別パターンの妨害は退職届を書き直しさせられた時の線引きで書いた。
3段階の手順。順に塞がれたら次へ
段階1、上司の上司か、別ルートに出す。受け取り拒否は上司個人の判断であることが多い。課長が拒否したら部長へ、「◯◯課長にご提出しましたがお受け取りいただけなかったため」と一言添えて出す。この一言で、拒否の事実も同時に上へ伝わる。
段階2、人事部へ直接出す。現場のラインが全部塞がっているなら、人事部宛てにメール+書面で出す。メールの本文に退職の意思と希望日を明記すれば、メール自体が意思表示の到達の証拠になる。書面の原本は後追いでいい。
段階3、内容証明郵便で送る。社内の全ルートが塞がれた時の最終手段だ。
- 退職届の文面を、内容証明の書式(字数・行数の規定あり)で3部作る
- 宛先は社長宛て・本店所在地にする
- 配達証明を必ず付ける。いつ到達したかが証明され、そこから2週間の起算が確定する
- 控えと証明書は退職後も保管する
ここまでやれば、会社側に残された手はない。到達の翌日から数えて2週間経過すれば、出社義務も雇用契約も終わる。
2週間の過ごし方。有休で埋めるのが定石
内容証明まで進んだ関係で、残り2週間を平然と出社するのはしんどい。定石は残っている有休をこの2週間に充てることだ。有休の申請も拒否されるようなら、申請の記録(メール)を残した上で、労働基準監督署に相談する材料が揃っていく。
体調が既に削られているなら、欠勤でも構わない。2週間の経過で退職は成立するので、この期間の出社の有無が退職の成立を左右することはない。給料の未払いだけは後で揉めやすいので、給料が振り込まれない時の対処を頭に入れておくといい。
全部を代行に任せる選択肢
ここまでの手順は、全部あなたが自力でやる場合の話だ。正直に言うと、受け取り拒否をするような会社と2週間やり合うのは、消耗が大きい。
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利用の流れ|① LINEで無料相談する → ② 受け取り拒否の状況を伝える → ③ 以後の会社との連絡は代行が行い、あなたは出社せずに退職日を迎える
受け取り拒否という違法性の高い妨害をしてくる会社ほど、第三者が入った瞬間に大人しくなる。戦う相手を替えるのではなく、戦う人を替える発想だ。
よくある誤解
「受理印をもらわないと退職の証拠にならない」。ならなくていい。証拠は受理印でなく到達の記録で作る。メールの送信記録、内容証明+配達証明、提出時の同席者。受理印は会社が事務を進めた印にすぎない。
「退職を認めないと言われたら、損害賠償を請求される」。適法な手順(2週間前の意思表示)を踏んだ退職に、賠償が認められることはまずない。「辞めたら訴える」は引き止めの脅し文句の定番で、実際に成立した例は極めて限られる。脅し自体がその会社の異常さの証明だ。
よくある質問
退職願と退職届、受け取り拒否されにくいのはどちらですか?
どちらも拒否はされうるが、性質が違う。退職願は会社の承諾を待つお願いなので、握り潰されると宙に浮く。退職日を確定させたい場面では、一方的な意思表示である退職届で出す。書き方の細部は退職届の訂正の書き方にまとめた。
口頭で「辞めます」と言ったのも意思表示になりますか?
なる。ただし言った言わないになりやすく、証拠が残らない。口頭で伝えた後、「本日お伝えした通り◯月◯日で退職いたします」とメールで送っておくと、口頭の意思表示に日付つきの記録が付く。切り出しの段取り自体は退職を伝える時間帯の正解で書いた。
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