退職して1ヶ月。最後の給料は入ったが、退職金の気配がない。いつ入るのか。そもそも、何か手続きが要ったのか。

相場を先に言う。退職後1〜3ヶ月。そして制度によっては、あなたの請求手続きを待って止まっている。確認の仕方から書く。

先に一文で。退職金の振込は退職後1〜3ヶ月が相場で、正確な時期は退職金規程に定めがあり、中退共などは本人の請求手続きが起点になる。

この記事の要点

  • 相場は1〜3ヶ月後。給料と違い、計算と承認の工程を挟む
  • 正確な時期は退職金規程の支払時期の条文で確認できる
  • 中退共・企業年金は、本人の請求書類が起点。未提出だと止まる
  • 規程の期限を過ぎたら、人事へ確認→未払い対応の順で動く

なぜ給料のようにすぐ入らないのか

退職金は毎月の給与計算のラインに乗っていない。支払いまでに、勤続年数と規程に基づく計算→社内承認→支払手続きの工程が入る。会社の締めのサイクルによっては、これで普通に1〜2ヶ月かかる。

さらに、支払いの経路が会社によって違う。

  • 会社が直接払う型|退職金規程に基づき、会社の口座から振り込まれる
  • 中退共(中小企業退職金共済)型|会社でなく共済から直接、本人口座へ。本人の請求手続きが必要
  • 確定給付企業年金・確定拠出年金(企業型DC)|年金として受け取るか一時金かの選択や、移換の手続きが絡み、書類のやり取りが増える

自分がどの型かは、退職時に受け取った案内か、退職金規程で分かる。型が分からないまま待つのが、一番時間を無駄にするパターンだ。

確認の3ステップ

  1. 退職金規程を見る。「退職金は退職の日から◯ヶ月以内に支払う」という支払時期の条文がある。在職中にもらった規程・社内ポータルの控え・退職時の案内書類を探す
  2. 自分の手続きが済んでいるか確認する。中退共なら退職金請求書、企業年金なら受給や移換の書類。出していなければ、何ヶ月待っても入らない
  3. 人事・総務へ問い合わせる。書類も出して規程の時期も近いのに気配がなければ、「退職金の支払予定日を確認したい」と一本連絡する。気まずさは要らない。正当な確認だ

そもそも自分の会社の退職金がいくらになるかの相場感は退職金の相場(勤続10年)で書いた。

振り込まれない時の動き方

規程の期限を過ぎても支払われない場合は、段階を上げる。

  • 書面で請求する。メールで「規程◯条に基づき、支払予定日の回答をお願いします」と記録を残す
  • 説明が資金難系なら、未払い対応へ。退職金も賃金に準じた請求権で、放置していい債権ではない。労基署への相談、弁護士の無料相談で回収の筋を確認する
  • 会社が倒産状態なら、未払賃金立替払制度の対象に退職金が含まれる場合がある。諦める前に制度を確認する

最後の給料の額がおかしい場合の読み方は最後の給料が少ない理由が担当だ。

税金の扱い。手取りはそれほど減らない

退職金には退職所得控除という大きな非課税枠があり、勤続年数×40万円(20年超の部分は70万円)までは税金がかからない。勤続10年なら400万円まで非課税だ。

受け取り時に「退職所得の受給に関する申告書」を会社に出していれば、適正な税額で処理されて手続きは完結する。出し忘れると一律で多めに源泉徴収され、取り戻すには確定申告が必要になる。退職時の書類の山の中で、この1枚だけは意味を分かって出しておく価値がある。

よくある誤解

「退職金は退職日にもらえるのが本来だ」。給料と違い、退職金の支払時期は規程で定めるのが通常で、1〜3ヶ月後は遅延ではなく標準の運用だ。規程の範囲内で待つ分には、会社を疑う場面ではない。

「自己都合退職だと、退職金は出ない」。自己都合は会社都合より減額される規程が多いが、ゼロになるのは規程がそう定めている場合だけだ。減額率も含めて全部規程に書いてある。思い込みで諦めず、条文で確認する。

よくある質問

転職先が決まっています。退職金の受け取りで何か手続きは要りますか?

一時金で受け取る分は口座の届け出程度だが、企業型DC(確定拠出年金)がある人は、転職先の制度かiDeCoへの移換手続きが必要だ。放置すると自動移換されて手数料で目減りしていくので、6ヶ月以内の手続きだけは忘れないでほしい。

退職金がそもそもあるのか分かりません

就業規則・退職金規程に定めがあるかで決まる。制度自体がない会社も一定数あり、それは違法ではない。確認方法と、ない場合の備えの考え方は退職金なしはやばいのかで書いた。

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