転職したい会社がある。だが、年収が50万円下がる。何か補助金はないのか。失業保険で埋められるのか。下がった年の手取りは、どのくらいになるのか。

給料が下がる転職に、直接の補助金はない。あるのは、失業保険を経由した時の再就職手当と、前職より賃金が低い時の就業促進定着手当だ。下がった年は、住民税と保険料が前年基準で重い。

この記事の要点

  • 給料が下がることへの補助金はない
  • 失業保険経由なら再就職手当と就業促進定着手当
  • 空白なしの転職は対象外
  • 下がった年は住民税が前年基準で重い

補助金はない

「転職 給料 下がる 補助金」で探しても、給料が下がることを直接埋める制度はない。国の制度で転職に関係するのは、雇用保険の給付(失業保険・再就職手当・就業促進定着手当・教育訓練給付)と、生活が困窮した時の制度(住居確保給付金など)だ。

給料が下がる転職を選ぶかは、手当でなく、下がった後の年収で生活と貯蓄が回るかで決める。下がり幅の許容の線は転職で年収が下がるのは何割まで許容できるかに書いた。

2つの手当

手当誰がいくら申請
再就職手当失業保険の受給資格があり、支給残日数が3分の1以上ある状態で、1年を超える雇用の見込みで再就職した人基本手当日額×残日数×70%(残日数3分の2以上)か60%(3分の1以上)就職の翌日から1か月以内
就業促進定着手当再就職手当を受け、再就職先に6か月以上雇用され、6か月間の賃金日額が前職の賃金日額より低い人(前職の賃金日額−再就職先の賃金日額)×6か月の賃金支払基礎日数。上限は基本手当日額×残日数×40%(再就職手当が70%だった人は30%)再就職から6か月経った日の翌日から2か月以内

再就職手当の条件と計算は再就職手当はいくらもらえるかに書いた。就業促進定着手当は、再就職手当を受けた人だけが対象で、受けた日に6か月後の日付をメモしておく。申請の案内はハローワークから届くが、届かないこともある。

就業促進定着手当の計算例

項目例
前職の賃金日額12,000円
再就職先の6か月の賃金日額10,000円
差額2,000円
6か月の賃金支払基礎日数120日
計算2,000円×120日=24万円
上限(基本手当日額6,000円×残日数60日×40%)14万4,000円
支給14万4,000円(上限)

上限で切られることが多い。数十万円になる人もいる。

空白なしの転職は対象外

退職の翌日に次の会社へ入る転職では、失業保険を受けていないので、再就職手当も就業促進定着手当も対象外だ。「手当のために空白を作る」のは、自己都合の給付制限(原則1か月)と待期7日の間は収入がないので、多くの場合は損になる。手当は、空白ができた人の補填であって、空白を作る理由にはならない。失業保険の受給中に仕事が決まった時の流れは失業保険の受給中に仕事が決まったらに書いた。

下がった年の手取り

項目何で決まるか下がった年の影響
所得税その年の所得。毎月の源泉徴収は新しい月給を元に計算月給が下がればすぐ下がる。年末調整で精算
住民税前年の所得。6月〜翌5月に払う転職した年は前の会社の高い年収を元にした額のまま。翌年6月から下がる
健康保険・厚生年金入社時の給与で決まる(資格取得時決定)。その後は毎年9月に見直し下がった月給に合わせて計算される。ずれは小さい
雇用保険毎月の給与すぐ下がる

下がった年の手取りは、「新しい月給から、前年基準の住民税を引いた額」で組む。住民税が重く感じる仕組みは住民税が高い、転職後になぜに書いた。

下がり幅の目安

下がり幅判断
1割以内(年収450万円→405万円)働き方や仕事の中身が改善するなら、許容の範囲
1〜2割家計の固定費を見直せば回る。貯蓄のペースは落ちる
2割超生活の組み直しが要る。下がった後の年収で3年続けられるかを見る
3割超業界や職種を変える転職に多い。下がった後に上がる見込み(昇給の仕組み)を確かめてから

下がる転職を選ぶ時に確かめること

確かめることなぜ
月給が下がるのか、賞与が下がるのか月給が下がると毎月の生活費に響く。賞与が下がるだけなら、月の手取りは変わらない
昇給の仕組みと幅1年目は低くても、2〜3年で追いつく会社がある。評価の時期と昇給の実績を聞く
残業代の扱い前職が固定残業代込みで高く見えていただけ、ということがある。実際の労働時間で時給換算する
賞与の実績提示の想定でなく、直近3年の実績月数で
福利厚生住宅手当・家族手当・退職金の有無で、実質の差が変わる

年収の額面でなく、時給換算と、3年後の見込みで比べる。

家計の組み直しの順番

  1. 下がった後の月の手取り(新しい月給−前年基準の住民税−社会保険料)を出す
  2. 固定費(家賃・通信・保険・サブスク)を、下がり幅の分だけ先に削る
  3. 貯蓄のペースを、下がった年だけ落とす。翌年6月に住民税が下がったら戻す
  4. 就業促進定着手当の対象なら、6か月後の申請日をカレンダーに入れる
  5. 2年目以降の昇給と賞与の実績で、家計を戻す

別の制度の線

制度使える場面
教育訓練給付金転職のために講座を受ける費用の一部。給料が下がることとは別
住居確保給付金離職や減収で家賃が払えない時。収入と資産の条件が厳しい
国民健康保険料の減免会社都合の退職で国保に入る時。自己都合の転職では対象外が多い
求職者支援制度失業保険を受けられない人が職業訓練を受ける時の給付。転職後は対象外

給料が下がる転職の補填に使える制度は、実際にはほぼない。手当を当てにせず、下がった後の年収で回る家計を先に作る。

よくある質問

給料が下がる転職は、やめた方がいいか

下がる理由による。働き方(残業・通勤・リモート)や仕事の中身が変わるなら、下がり幅と引き換えに得る物がある。得る物がなく下がるだけなら、やめる。線は転職で年収が下がるのは何割まで許容できるかに書いた。

就業促進定着手当の申請を忘れた

期限は再就職から6か月後の翌日から2か月以内。過ぎると原則は受けられない。時効は2年なので、やむを得ない理由があればハローワークに相談する。

転職先で1年目の賞与が出ず、年収がさらに下がった

1年目の賞与は査定期間の按分で減ることが多い。提示年収と1年目の実際の差は、承諾前に聞いておく。線は転職の提示年収にボーナスは含まれるかに書いた。

転職の資料をLINEで無料配布中

給料が下がる転職の前に埋める表(下がった年の手取りの計算・固定費の削り幅・手当の対象かの判定・申請期限)を公式LINEで無料配布している。補助金を探す時間を、下がった後の家計を組む時間に回す。

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