エンジニアの転職サービスを調べると、似たような名前が並ぶ。どれも「IT特化」を掲げていて、違いが分からない。
分かれ目は1つだ。扱っている雇用形態が違う。正社員か、フリーランス案件か、派遣か。ここが違うだけで、届く情報も、あなたの労働に付く値段も変わる。型ごとに整理する。
この記事の要点
- 窓口は雇用形態で分かれている。まずここで絞る
- 正社員の給与とフリーランスの単価は、別の物差しで同じ労働を値付けしている
- 経験3年を超えたら、両方の数字を持っておくと交渉の材料になる
- 未経験は対象外。学習支援つきの未経験特化が入口になる
まず全体を1つの表で並べる
| 項目 | レバテックキャリア | キッカケエージェント | @PRO人 | ギークスジョブ | type IT派遣 |
|---|---|---|---|---|---|
| サポートの型 | エージェント型(IT経験者) | エージェント型(エンジニア特化) | エージェント型(IT特化) | フリーランス案件紹介(IT) | 派遣型(IT) |
| 対象年代 | 20〜30代のITエンジニア | 20〜30代エンジニア | 20〜40代のIT人材 | 実務3年以上のエンジニア | 20〜40代 |
| 得意領域 | 技術スタックまで踏み込んだ求人情報 | エンジニアの年収交渉・キャリア相談 | IT専門の担当による個別サポート | フリーランス案件の単価相場が見える | ITの派遣案件で働き方を選べる |
| 向いている人 | 実務経験のあるエンジニアの年収アップ | 技術の言葉が通じる担当と話したい人 | 大手で埋もれず個別に見てほしい人 | 独立の単価感を知りたい経験者 | 正社員以外の働き方も視野に入れる人 |
| 向いていない人 | 完全未経験からのIT転職 | 非エンジニア職 | IT以外の職種を探す人 | 実務経験の浅い人 | 正社員一本で探す人 |
| 費用 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
| 登録所要時間の目安 | 登録数分+面談 | 登録数分+面談 | 登録数分+面談 | 登録数分 | 登録数分 |
同じ「IT特化」でも、上3つは正社員、4つ目はフリーランス案件、5つ目は派遣だ。ここを混同したまま登録すると、想定と違う提案が来て時間を無駄にする。
型1、正社員の転職を進める窓口
実務経験があり、正社員として年収を上げたい場合はここになる。3つの違いを書く。
レバテックキャリア。この領域の定番で、企業の技術スタックや開発体制の情報が濃い。経験者の年収アップが主戦場になる。実力と限界はレバテックキャリアの評判で分解した。
*クリックすると公式サイトが開く。登録後にエンジニア専門の担当から連絡が来る。*
登録後の流れ|① Web入力で登録(数分。職務経歴書は未完成でいい) → ② 担当から連絡が入り、面談の日程を決める → ③ 求人の紹介と選考の相談ができる
キッカケエージェント。エンジニアのキャリア相談と年収交渉を前面に出している型だ。技術の言葉が通じる担当と話したい人に向く。
*クリックすると公式サイトが開く。登録後に担当から連絡が来て、面談日を決める流れになる。*
登録後の流れ|① Web入力で登録(数分) → ② 担当から連絡が入り、面談の日程を決める → ③ 求人の紹介と年収交渉の相談ができる
@PRO人。IT専門の担当による個別サポートを掲げている。大手の窓口で流れ作業的に扱われた経験がある人が、個別に見てもらいたい場合の選択肢になる。
*クリックすると公式サイトが開く。登録後に担当から連絡が来る。*
登録後の流れ|① Web入力で登録(数分) → ② 担当から連絡が入り、面談の日程を決める → ③ IT専門の担当と求人・選考の相談ができる
3社とも正社員特化だから、並べても情報は重なりやすい。メインを1社決めて、あとは次の型を足す方が、得られる情報の幅が広がる。
型2、フリーランス案件で単価を見る窓口
ここが独立する気がなくても登録する価値がある領域だ。
理由は単純で、フリーランスの案件単価は、あなたのスキルの市場価格を月額で示した数字だから。正社員の給与と並べると、今の会社の還元率がだいたい見える。
- 案件単価が月80万円で、あなたの月給が40万円なら、差額がどこに消えているかを考える材料になる
- エンジニアで年収700万は何年目かで書いた通り、エンジニアの年収は腕より商流の位置で決まる。単価を知ることは、自分の位置を知ることになる
*クリックすると公式サイトが開く。登録すると案件の単価感を確認できる。*
登録後の流れ|① Web入力で登録(数分) → ② 担当から連絡が入り、経験を伝える → ③ 実務経験に合う案件と単価の目安を確認できる
実務3年以上が目安になる。経験が浅いうちは紹介できる案件が限られるため、まず正社員で経験を積む方が順番として正しい。独立の判断基準はフリーランス4年目の収支のリアルを読んでからでいい。
型3、IT派遣で働き方を選ぶ窓口
正社員一本ではなく、働き方の条件を優先したい場合の選択肢になる。
- 勤務時間・期間・現場を選びやすい(残業なし、時短、期間限定など)
- 正社員より入りやすい現場がある(経験の幅を広げる手段として使える)
- 一方で、賞与や昇給の仕組みは正社員と異なる
*クリックすると公式サイトが開く。ITの派遣案件を確認できる。*
登録後の流れ|① Web入力で登録(数分) → ② 希望の働き方・スキルを伝える → ③ 条件に合う派遣案件の紹介を受けられる
育児・介護との両立や、体調の都合で働き方を調整したい時期には、正社員にこだわらない選択肢を持っておく方が詰まない。
経験年数別。どの型から入るか
| 段階 | 主に使う型 | 補助的に |
|---|---|---|
| 実務1〜2年 | 正社員特化のエージェント | — |
| 実務3〜5年 | 正社員特化 | フリーランス案件で単価を確認 |
| 実務5年以上 | 正社員特化+フリーランス案件を並行 | 派遣(働き方を変えたい時期) |
| 完全未経験 | この記事の対象外 | 学習支援つきの未経験特化 |
実務3年を超えたら、正社員の窓口とフリーランスの窓口を1枚ずつ持つ。これがこの記事で一番言いたい組み方だ。理由は次に書く。
2つの数字を突き合わせると、交渉の材料になる
正社員の提示年収と、フリーランスの案件単価。この2つは、同じあなたの労働を、別の物差しで値付けしている。
並べると、こういうことが分かる。
- 今の会社の還元率——単価×12と、あなたの年収の差
- 転職で上がる余地——他社の提示と、市場単価の距離
- 独立した場合の見通し——単価から経費と税を引いた手取りの概算
この数字を持っている人と、持っていない人では、年収交渉の強さがまるで違う。「もっと欲しい」ではなく、「市場ではこの水準です」と言える。エンジニアが年収を上げる最短は転職だで書いた通り、交渉は感情ではなく事実で動く。
そして、今の会社に残る判断をする場合にも同じことが言える。数字を見て「この環境は天井が高い」と確認した上で残るのが判断で、見ずに残るのは現状維持だ。
未経験の人へ。この記事の窓口は対象外だ
正直に書いておく。ここまでに挙げた5つは、実務経験がある人が対象になる。完全未経験で登録しても、紹介できる求人がないと言われて終わることが多い。
未経験からの入口は、学習支援と就職支援がセットになった窓口が合う。無料型と有料スクールの違いはウズウズITの評判とディープロの評判で分解した。
そして未経験の入口はSES・受託の比率が高くなる。判断すべきはSESかどうかより、多重下請けの下層かどうかだ。見分け方はやばいSES企業の見分け方に全部書いてある。
あわせて検索される疑問に、先に答えておく
エージェントに複数登録すると、同じ求人を紹介されないか
起こり得る。そして同じ企業に複数の窓口から応募すると、企業側で重複と判断されて選考が止まる場合がある。防ぐ方法は簡単で、応募前に「この企業には既に別経由で応募していますか」を自分で管理しておくこと。応募先を1枚の表で管理していれば、事故は起きない。
30代後半・40代のエンジニアはどの型が合うか
正社員特化の窓口は使えるが、求められる役割が変わる。テックリード・EM候補・技術選定を任せられる層としての採用になり、プレイヤー枠だけを狙うと選択肢が細る。加えて、この年代はフリーランスの単価が正社員の年収を上回るケースも増えるため、両方の数字を並べる価値が最も大きい年代でもある。
転職せずに年収だけ上げたい場合はどうするか
社内交渉の材料を作る、が答えになる。他社の提示とフリーランスの単価という外の事実を2つ持って、社内の評価面談に臨む。辞める気がなくても、市場価格を知っている社員と知らない社員では、交渉の場での立ち位置が違う。登録して数字を見るだけなら、無料で、今日できるんよ。
よくある質問
エンジニアの転職サービスは何社使うべきですか?
型の違うものを2〜3枚が現実解だ。正社員の窓口とフリーランス案件の窓口を1枚ずつ持つと、自分の労働が2つの物差しで見える。
フリーランスの案件を見るのは、独立する気がなくても意味がありますか?
ある。案件単価はスキルの市場価格を月額で示した数字で、正社員の給与と並べると今の会社の還元率が見える。
未経験からのIT転職にこれらのサービスは使えますか?
この記事の窓口は経験者が対象になる。未経験は学習支援と就職支援がセットの窓口が入口として合う。
エンジニアの年収戦略をLINEで無料配布中
商流の位置と単価の確認項目をまとめた資料を、公式LINEで無料配布している。感覚ではなく算数で、今の環境を判定してほしい。


