求職者には「環境を変える勇気を持ちましょう」と言いながら、自分は消耗した業界から動けずにいる。人材業界の中の人から届く相談には、この皮肉が繰り返し出てくる。
分かっているはずだ。あなたが毎日使っているその知識は、自分にも使える。人材業界の経験がどこで売れるか、きつさの正体別の行き先を書く。
この記事の要点
- きつさの正体を先に仕分ける。KPI文化か、商材か、両面調整の板挟みかで行き先が変わる
- 経験の売り先は4つ。無形商材営業・事業会社人事・カスタマーサクセス・同業別職種だ
- 職種名のままでは売れない。数字付きの営業経歴・折衝経歴に翻訳する
- 業界を知り尽くした人ほど自分に厳しく査定しすぎる。市場に測らせろ
きつさの正体を仕分ける。原因で行き先が変わる
人材業界のきつさには、いくつかの型がある。どれが自分のきつさかで、次の場所の選び方が変わるから、先に仕分けてほしい。
型1、KPI文化のきつさ。架電数・面談数・決定数。行動量の管理が細かく、常に数字に追われる。この場合、同じ無形商材営業でも行動管理の緩い会社・フェーズの会社を選ばないと、業界を変えても同じきつさが再生産される。営業ノルマの記事で書いた仕分けがそのまま使える。
型2、両面の板挟みのきつさ。企業は急かし、求職者は迷う。双方の期待の間で、自分の裁量ではどうにもならない調整を続ける消耗だ。この場合、利害調整が少ない支援特化の職種(人事・カスタマーサクセス)が合う。
型3、商材への疑問。人の人生を商材として扱うことへの違和感、決定を急がせる仕組みへの疲れ。この場合は扱う対象をモノ・サービスに変えるだけで、営業スキルはそのままに気持ちの負荷が消えることが多い。
きつさは1つとは限らないが、一番重いものを特定する。それが行き先の第一条件になる。
経験の売り先4つ。人を扱った経験は広く売れる
人材業界の経験は、実は転職市場で使い回しがきく。定番の行き先を4つ並べる。
1、SaaS等の無形商材営業。形のないものを、相手の課題を聞き出して売る。人材営業がやってきたことそのものだ。特に両面型の経験者は、新規開拓と提案の両方を語れる。年収の仕組みが強い業界への移動はSaaS営業への転職に全部書いた。
2、事業会社の人事・採用。採用市場の内側を知る人間として、事業会社の採用担当は自然な行き先だ。エージェントの使い方も求人票の書き方も、あなたは発注側より詳しい。KPIの追われ方が人材営業より緩やかになる場合が多い。
3、カスタマーサクセス。求職者の意思決定支援で培った、相手の状況を聞き出して伴走する力の転用先だ。売り切りではなく関係を続ける仕事で、型2のきつさから離れたい人に合う。
4、同業の別ポジション。業界は好きだが今の役割がきつい場合、RA専任・CA専任・企画側・ミドル以上専門など、同業内の移動で解決するケースもある。業界ごと出る前に、一応検討の座に載せてほしい。
経歴の翻訳。職種名のままでは売れない
行き先を決めたら、経歴を翻訳する。「キャリアアドバイザー3年」と書くだけでは、業界の外の面接官には価値が伝わらない。あなたが求職者の職務経歴書を添削するときにやっていることを、自分にやるだけだ。
- 「CA経験」 → 個人の意思決定を支援し、月◯件の成約まで運んだ提案営業の経験
- 「RA経験」 → 経営者・人事と採用要件を握り、月◯社を担当した法人営業の経験
- 「両面経験」 → 利害の異なる二者の期待を調整し、双方の合意を作った折衝の経験
数字(決定数・売上・担当社数)を添える。これで無形商材営業の経歴として、業界の外で通用する形になる。
自分の番になると動けない問題。市場に測らせろ
最後に、皮肉の壊し方だ。人材業界の人が自分の転職で止まる理由は、知識不足ではない。知りすぎているせいで、自分の商品価値を自分で査定して、厳しめの結論を出してしまうからだ。毎日、選考に落ちる人を見ている職業病でもある。
処方箋は、あなたが求職者に言っているそれと同じになる。自分で査定せず、市場に測らせる。
経歴を市場に置いて、届く反応で判断する。まずミイダスのような測定型で、人材経験がどの職種から求められているかを数字で見る。
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登録後の流れ|① 質問に答えて経歴を登録する(10分弱) → ② 想定年収が表示される → ③ 経歴に興味を持った企業からスカウトが届く
そして本格的に動くなら、人材業界の経験者はハイクラス特化の窓口と相性がいい。人材・SaaS・IT領域の転職支援に強く、書類の作り込みと年収交渉まで並走してくれる。同業だからこそ、支援側の実力は初回面談で見抜けるはずだ。その目利きも含めて、一度使う側に回ってみてほしい。
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登録後の流れ|① 簡易フォームで無料登録(数分) → ② 電話かWebで面談する → ③ 経歴の翻訳から年収交渉まで、今度はあなたが支援を受ける側になる
年収の帯を上げる転職の組み方は軸ずらし転職の記事が本編になる。あなたが求職者に配ってきた地道な正攻法を、今度は自分に使う番だ。
あわせて検索される疑問に、先に答えておく
人材業界の経験は何年あれば転職で武器になるか
目安は2〜3年だ。1年未満だと、業界知識はあっても実績の数字が語りにくい。逆に長すぎる場合の問題はなく、マネジメント経験が付けば行き先の帯が上がる。年数より、数字で語れる実績が揃っているかで判断してほしい。
人材紹介から人材派遣、またはその逆への移動はありか
ありだが、事業の仕組みが違うことは理解して動くべきだ。紹介は成功報酬の単発売上、派遣は稼働が続く限り積み上がる売上で、営業のリズムもKPIも変わる。きつさの型1(KPI文化)が原因の人は、同じ人材でも事業の型を変えるだけで負荷が変わる場合がある。
求職者として登録したら、同業に転職活動がバレないか
エージェントには守秘義務があり、応募先以外にあなたの活動が伝わる仕組みはない。ただし狭い業界だから、面談担当が元同僚という偶然はあり得る。気になるなら、面談の冒頭で現職と競合への情報の扱いを確認しておけばいい。あなたが普段、求職者に説明している守秘の運用と同じことを、確認する側でやるだけだわ。
よくある質問
人材業界からの転職先はどこが定番ですか?
無形商材営業・事業会社人事・カスタマーサクセス・同業別職種の4つだ。きつさの正体がKPIか板挟みか商材かで選ぶ。
キャリアアドバイザーの経験は他業界で評価されますか?
される。ただし職種名のままでは伝わらない。数字付きの提案営業・折衝の経歴に翻訳して語ることだ。
人材業界の経験者はなぜ自分の転職で迷うのですか?
知りすぎているせいで自分を厳しく査定するからだ。自分で査定せず、市場に測らせる。あなたが求職者に言っている通りに。
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人材経験を営業経歴に翻訳するテンプレを含む資料を、公式LINEで無料配布している。他人に配ってきた正攻法を、自分に使う番だ。


