毎日真面目に働いて、残業もして、後輩の面倒も見て。それで昇給は年3,000円。物価は上がるのに給料は動かない。「やってられない」と思いながら、今日も出社していないか。
その怒りは正当だ。そして、怒りながら同じ場所で頑張り続けるのは、残念ながら悪手だ。給料を本気で上げたいなら、方法は実質、転職しかない。根性論ではなく、給与の決まり方の仕組みの話として、この記事で説明する。
なぜ社内で頑張っても給料は上がらないのか
まず、あなたの給料がなぜ安いままなのかを分解する。原因は努力不足ではない。
1. 昇給の原資は、あなたの成果とほぼ連動していない
多くの会社の昇給は、あらかじめ決められた昇給テーブルの中で動く。年1回、数千円〜1万円前後。あなたが今年どれだけ成果を出しても、テーブルの外には出ない。成果は評価ランクを1つ上げるだけで、ランク1つの差は月数千円だ。
2. 給料は「業界の儲け」で先に決まっている
給与の天井は、個人の能力より先に、業界の利益率で決まる。儲かっていない業界で個人が頑張っても、原資がないものは配れない。同じ事務職でも、業界が変わるだけで年収レンジが100万円単位でズレるのが現実だ。
3. 在籍者の給料を上げる理由が、会社にはない
残酷な話をする。会社が高い金を払うのは、逃げられたら困る人材と、これから来てほしい人材だ。黙って働き続けてくれる在籍者は、上げなくても居てくれる。あなたの我慢が、あなたの安月給の根拠になっている。この皮肉な仕組みに気づかないと、10年我慢して10年分安く働くことになるんよ。
転職が最短である理由。数字で比べる
社内昇給と転職の上げ幅を比べる。
- 社内昇給:年数千円〜1万円。10年で月数万円の世界
- 転職:市場価値と業界を合わせれば、一度に年収50万〜100万円以上動くことは珍しくない
なぜ転職だと一気に動くのか。転職市場では、あなたの給料が前職のテーブルではなく、採用市場の相場で値付けし直されるからだ。今の会社で安く据え置かれていた人ほど、値付け直しの差額は大きい。
私自身、転職で年収を上げてきた側の人間だ(4社目だけは、あえて年収を下げてリモートと制度を取った。これは年収ダウンの転職を選んだ理由とその後に書いた通り、意図的な選択だ)。断言するが、社内で耐えて上がる額と、市場で値付け直される額は、桁が違う。
社内で上げる方法が全滅か、一応検証しておく
公平に、転職以外の選択肢も見ておく。
- 昇進する:管理職手当は数万円。ただしポストの数は限られ、順番待ちだ。狙えるなら悪くないが、時間がかかる
- 社内の年収交渉:外資や一部企業以外、日本企業では機能しにくい。評価制度の外に出られないからだ
- 副業で足す:収入源としては有効だが、本業の安さの解決にはならない。副業の始め方は会社員の副業は何から始めるべきかに書いた
つまり、本業の給料そのものを大きく動かす手段は、転職に集約される。
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転職と並行して収入源を足したい人向けに、副業の作り方は1冊にまとめてある。顔出しなしのSNS運用で月5万円の副業収入を作る手順を、Xフォロワー11万人と匿名アカウント複数を育てた実践から書いた。
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あわせて読みたい:年収を下げる転職を選んだ理由とその後。数年で回収した実体験
動く前に、まず自分の相場を測れ
「よし転職だ」と求人サイトを開く前に、やることがある。自分の適正年収を知ることだ。
相場を知らずに転職活動をすると、2つの失敗が起きる。今より少し高いだけの提示に飛びついて安売りするか、相場とかけ離れた期待で応募し続けて全敗するかだ。
診断は無料で、数分で終わる。結果はその場で見られて、そのまま閉じてもいい。登録後に案内が届くことはあるが、不要なら配信を止めて、診断結果だけ持ち帰れば済む。
数分の入力で適正年収の目安が出る。今の年収との差額が、あなたが取り返せる可能性のある金額だ。まずこの数字を見てから、動く規模を決めろ。測定の全体像は市場価値の測り方 完全ガイドにまとめてある。
診断で差額が大きく出た人、つまり今の会社に安く買われている人は、キャリアの組み立てごと相談できるエージェントを使う価値がある。
アサインは20〜30代の年収を上げる転職に強く、目先の求人紹介より長期のキャリアから逆算した提案をしてくる。「どの業界・職種に移れば年収の天井が上がるか」という、この記事の核心をそのまま相談できる相手だ。
すでに一定の経験があり、年収600万円以上を狙えるラインの人は、ハイクラス向けの窓口も並行しろ。
ハイクラス帯の求人は、一般の求人サイトに出てこない。狙う年収帯によって、使う道具を変えるのが鉄則だ。
年収を上げる転職の組み立て。3つの原則
相場を測ったら、上げ幅を最大化する動き方だ。
原則1:業界を儲かっている側に寄せる
同じ職種のまま、給与水準の高い業界に移る。これが一番再現性の高い年収アップだ。詳しくは軸ずらし転職で年収は上がる。業界と職種の掛け算を変えろを読んでほしい。スキルはそのまま、値札だけ変わる。
原則2:希少性を作ってから売る
年収は能力の高さより、代わりの見つかりにくさで決まる。今のスキルに何を掛け合わせるかで、あなたの値段は変わる。考え方は市場価値の高め方。年収を決めるのはスキルより希少性だにまとめた。
原則3:提示額の交渉から逃げない
内定時の提示額は、交渉の開始価格だ。根拠を持って求める額を伝えれば、上がることは珍しくない。ここで遠慮する人が、また安く買われる。
転職しない方がいい例外も書いておく
断定してきたが、例外も公平に書く。次の場合は、転職の前に確認が要る。
- 今の会社の給与カーブが後伸び型の場合:年功の強い会社は、30代後半から急に上がる賃金カーブを持っていることがある。就業規則や先輩の実例で、5年後の水準を確認してから決めろ。ただし、その後伸びが本当に来る保証があるかは冷静に見ること
- 給料以外の条件が突出して良い場合:残業ほぼゼロ、フルリモート、有給完全消化。この環境は金額に換算すると意外に大きい。時給換算と生活の質で総合判断しろ
- 勤続数年未満でスキルがまだ浅い場合:売れる実績が薄いうちに動くと、値付け直しの効果が小さい。1〜2年で実績を作ってから動く方が、上げ幅は大きくなる
つまり例外は「実は総合的に安くない場合」と「まだ売り物が育っていない場合」だ。どちらでもないなら、やはり答えは転職だ。
「やってられない」の感情を、燃料に変えろ
最後に、感情の使い方の話をする。
「やってられない」という怒りは、放置すると2つの悪い出口に流れる。1つは、腐って手を抜くこと。評価が下がり、転職の武器も錆びる。もう1つは、怒りを酒と愚痴で発散して、月曜にまた同じ席に座ること。10年これを繰り返した先輩が、あなたの職場にもいるはずだ。
正しい出口は1つだ。怒りのエネルギーで、市場価値の測定と転職準備という面倒な作業を始めること。感情は最高の着火剤だが、燃やす先を間違えると自分が燃えるだけなんよ。
まとめ
- 社内昇給はテーブルの中でしか動かない。あなたの我慢が安月給の根拠になっている
- 給料の天井は業界の儲けで決まる。個人の頑張りでは天井は動かない
- 転職は市場相場での値付け直し。上げ幅の桁が違う
- 動く前に適正年収を測れ。安売りと全敗の両方を防げる
- 業界を寄せる、希少性を作る、交渉から逃げない。この3原則で上げ幅は最大化する
「やってられない」は、正しい怒りだ。その怒りを、今夜の愚痴で消費するか、10分の年収診断に投資するか。1年後の給与明細は、今夜のその選択で変わるだわ。
経験を積んでいて年収600万円以上を狙えるラインなら、リクルートダイレクトスカウトも並行で使え。ハイクラス帯のスカウトを待つ型で、今の給料がいかに安いかを、届く求人の年収帯が教えてくれる。
よくある質問
給料が安い会社で頑張り続ければ昇給しますか?
期待するな。昇給は決められたテーブルの中でしか動かず、年数千円の世界だ。給与の天井は業界の利益率で先に決まっている。本気で上げたいなら、社内の頑張りより、市場での値付け直し、つまり転職が最短だ。
給料を理由に転職するのはアリですか?
アリだ。むしろ給与は最も正当な転職理由の1つだ。面接では不満ではなく、正当な評価への要望として語れば印象も問題ない。ただし動く前に適正年収を測って、転職でいくら動くのかを数字で確かめてからにしろ。
今より給料のいい会社に移る方法はありますか?
同じ職種のまま、給与水準の高い業界に移るのが一番再現性が高い。スキルはそのまま、値札だけ変わる。加えて内定時の年収交渉から逃げないこと。この2つだけで、同じ能力でも年収は数十万円単位で変わる。
▼ 動き出すなら、道具選びから
転職エージェントに騙されるな。30代が本当に使うべきは3つだけ
記事を読んで終わりにせず、自分に合うサービスの当たりを付けるところまで進んでほしい。ここまでが今日の一歩だ。
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